本澤二郎の「日本の風景」(5697)
<訪中111回6年ぶりの北京散見>17
日本では、極右メディアによる「中国崩壊」という露骨な中国たたきの記事がいたるところで見られた。日本列島が太平洋に沈むという話は、巨大地震大国ゆえになんとなくわかるが、広大な大陸が水中に沈むことは想定できない。とはいえ在日中国人の一部に問題の人物はいる。
北海道の一角を買い占める中国富裕層の資金の暴走の背景には、カネに目のない日本人と地元首長や議員族も絡んでいる。中国人単独では不可能である。
今回の旅でも、確かに中国の旅行社のガラス窓の宣伝に、北海道行きの宣伝が目に飛び込んできた。北海道人気は日本にもあるが、日本人でも小銭がないと無理だ。中国人の1割が金持ちだとすると、もうそれで日本の人口を軽く上回っている。円をべらぼうに安くしたアベノミクスと、それを強行する日本銀行の黒田と植田の円刷り魔は、いまの高市の下で盛り返し、円安がさらに進行している。
株高で財閥はうるおい、民衆の暮らしはがた落ち。高市に物価対策は無理だ。一刻も早く卒業させないと、日本国民は破綻する。例外は大軍拡の財閥軍需産業である。
首相も官房長官も財務相も軍拡による成長戦略に熱中している内閣だ。元来た道へと突き進んでいて危険極まりない。立民の小西洋之ではないが、外相・財務相・自民幹事長も経験していない100%官僚任せの無能なハンドルさばきに、恐怖の日々を送るしかない日本人は、不幸な民族ではないだろうか。
<建設の槌音に驚く=資金は大丈夫か>
地下鉄15号線に沿って、新たに高速道路の大掛かりな建設工事が、北京市内の中心部に向かっていた!最初は信じられなかった。不動産バブル崩壊で資金が枯渇しているのだから。工事は午前8時前から始まっていた。農民工の汗かきなくしてこの国は存在しないのだ。日本のように小さな工事現場にも外国人が活躍しているが、農民工の中国はそれはない。
建設工事現場には、現在も日本製の重機が使用されているかもしれないが、おそらく今は自国製の建設機械が縦横に活躍しているだろう。中国の高速道路網は世界一だ。広大な地域を道路と鉄道と飛行機で結んだ大中国の威力は、他国を圧倒していることは間違いない。
日本に窓を開いた後の中国50年史を肌で見聞してきた日本人ジャーナリストは、ただただその実績にあきれるばかりである。その勢いの一部が日本と世界に拡大している。80万人の在日中国人の中には、建設関係の人たちがかなりいるとみられる。
<望京(わんじん)に添加物のないキムチは?>
日本に中国から伝わった沢庵は大分廃れてしまっているが、朝鮮のキムチは元気がいい。ただし、添加物はどうか?添加物のないキムチというと、15号線の望京地区を思い出す。朝鮮系の人々がたくさんいる。以前買い物をした記憶がある。
確か味噌や醤油もあった。キムチ・味噌・醬油は、朝鮮が本場かもしれない。中国製の醤油は、これまた悪くない。日本製のよりも塩分を少なくしたもので、野菜などのタレにもぴったりだ。
化学物質の添加物が欧米から流入して、日本も中国も汚染されて世界中で問題になっている。農薬農業と添加物食品が、現代人の健康を害して久しい。
今回は望京に行く機会がなかったが「添加物のないキムチ」を食べてみたい。東北地方には朝鮮人が多い。北京でいち早く財を成した人たちが、望京地区に集まっている。勤勉で教育熱心な朝鮮人は清潔さでも漢族を上回る。朝鮮軍司令官の宇都宮太郎大将が、長男の徳馬に対して「大きくなったら朝鮮の女性を嫁にしなさい」は的を射たものである。
帰国してキムチを買って食べ始めたが、添加物がどうにも気になる。政界には朝鮮から帰化した者たちがたくさんいる。添加物のない本物のキムチを日本人に販売してはどうか。
<畑の中の街も整地されたが再開発は頓挫>
農村で貧しく育って今も、のわが人生にとって中国の農村の街は、好きな場所である。料理のわからない筆者は、面倒とばかり鍋にご飯から野菜など入れて雑炊にして食べる。
同じく畑の中の街(部落)の雑踏のような北京郊外の散策を好んだ。散髪は言うまでもなく、雑貨類が安い。見学しているだけで楽しい場所だ。小さな池やどぶ川もある。衛生面はいいとは言えないが、そこから若者は都心に出かけている。いわば昔からの中国の街並みが体験できる地区が近くにもあった。
飛行機騒音なども街中の騒音が吹き飛ばしてくれる。この街が完全に消えていた。建物が壊され整地されていた。新たな新都市になろうとしていたのだが、不動産バブル崩壊で頓挫してしまった。
ここに親日家のチョウさんが住んでいた。若いころは建築業に専念し、都心の長府宮ビル建設に携わり、そこですっかり日本びいきになった。
彼は中国人でも飲めない年代物の白酒・茅台酒を、惜しげもなくご馳走してくれた。
この酒を田中角栄は、1972年9月の日中共同声明に署名した後、周恩来総理と何度も乾杯した、北京から上海に送迎してくれた周恩来が横にいる席で、豪快な居眠りを始めた。後ろの大平外相は、外交的失態にハラハラしながら、小さな目を大きく開いて、角栄の背中を叩くわけにもいかず大変だったと、のちにわれら宏池会の担当記者に明かした。角栄の豪傑いびきは娘の真紀子も知っている。
この時から茅台酒の輸入が始まり、値段も吊り上がった。多くの人たちはニセの茅台酒を飲むことになるが、チョウさんのお陰で本物を飲むことが出来た。
<遺産相続争いがいたるところで>
今回も日本酒で乾杯しようとしたが、実現できなかった。彼はかなり広い土地を所有していたお陰で、国が用意したマンションの部屋をいくつも手に入れた。その一つに娘と孫の3人で同居、長男は独立して東北の日本留学経験の女性と再婚した。
父親のお陰で長男は数か所のマンションの部屋を相続し、優雅な日々を送っている。それでも遺産相続では家族の絆が壊れそうになったらしい。
いま中国では、世代交代が繰り広げられているが、そこでは家族関係が複雑に絡んで、亀裂で苦しむ2世が増えている。
<国門1号店の広大な国際的家具売り場に人がいない>
中国人の審美観・芸術的センスは、日本人のような貧者と異なる。彼らは内装にこだわり、カネをかける。そこに世界の家具のメーカーが目をつけた。順義区も国門1号店の広大な場所を提供したらしい。展示と販売を兼ねた超高級な内装品店は、一見に値するが、庶民には高くて手が出ない。
6年ぶりに見物してみたが、不動産バブル崩壊で客足は全くなかった。それでも閉鎖しない。腐敗した官僚のカネに目をつけているとしか思えなかった。
2025年11月7日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
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