本澤二郎の「日本の風景」(5688)
<訪中111回6年ぶりの北京散見>8
日本の新聞テレビは、中国が不動産バブル崩壊で若者の就職はなくなり、何もかもが「崩壊」「崩壊」という文字が、数年前から現在も続いている。中国を批判することが日本言論の使命と言わぬばかりの、意図的な不公正な対応である。
1960年ごろの岸内閣に逆戻りした日本を、意図的に「宣伝」しているかのようだ。一種の排外主義である。困ったことに日本人は、まるで政治の世界を知らない。それは市民運動に携わっているまじめな人でさえも?憲法さえもよく読んでいない。政教分離の国になって80年経つが、国家神道の恐怖さえ忘れてしまっている。異常な物価高の原因さえも理解していない。
筆者の本業である政治評論さえも存在しない。
それをよいことに国家神道かぶれの高市早苗を、まるで英雄のように祭り上げる昨今の世論操作に気付かず、老いも若きも酔いしれている。愚民政策の右翼メディア・ナベツネ言論に操られていることに気付いていない。
およそ1か月、北京の首都国際空港近くで暮らしてみたのだが、肌で感じるような悲劇的な市民生活を目撃することはなかった。日本では、特にYOUTUBEで垂れ流す、露骨すぎる中国攻撃による「権力の崩壊」など感じることはなかった。権力闘争は日本でもアメリカでも繰り広げられている。中南海もそうかもしれないが、一般人はそれを感じ取ることはない。多くはつくられた抗争かもしれない。
中国共産党の致命的な欠陥は、腐敗につきる。海外に逃げ出す腐敗官僚や脱税資産家を退治しなければなるまい。格差は日本も同様である。まともな・正直者が損をする極右政治・政党退治が、この国のガンとして善良な市民の重い責任であろう。
<圧倒される宅配サービス社会>
周辺を散策して気づくのは、戸建ての2、3階建ての住宅である。腐敗官僚の一族かもしれない。有名な芸能人や言論人かもしれない。
筆者は過去に知り合いの大学教授の家に一泊したことがある。普通のマンションの2LDKだったと記憶している。中国外交部OBの肖向前さんの最初の四合院住宅に入ったことも。その後にマンションに移った。多分、2LDか3LDだったと思う。実にまじめな同部きっての日本通で、行くといつも近くの庶民的な食堂でビールで乾杯したものだ。
したがって住宅を100戸所有してるとか、女性を100人も囲っているという、信じられない人物にお目にかかったことはない。一度困ったことがある。教え子が日本に留学、先生の家に遊びに行きたいと懇願してきた。「ジャーナリストなら別荘があるはず。そこでいい」という要望に驚いた。断るしかなかった。
いま中国のマンションには、電動バイクが無数に走っている。車の荷台の四角い容器の中には、配達するものが、それも普通は食事だ。エレベーターに乗ると、必ず配達する若者と出会う。片手に食事の入った袋、片方の手には携帯。ドアが開くと目的の部屋に走りながら飛び込んで、温かい食事を届けるのだ。
これの配達人が大学を卒業したばかりの若者という。
青白いエリートではない。体力のあるたくましい若者である。この配達電動バイクが、昼も夜も突っ走っている北京なのだ。
<完璧なネット社会>
近くの公園で散歩してお腹が空いた。友人が新彊麺の店に案内してくれた。18元の無添加麺が気にいったのだ。麺の上に味付きの肉のコマ切れが、たっぷり乗っている。緑の野菜も。麺が程よく柔らかい。実においしかった。
料理人は一人、二人で店内を切り盛りしている。店は新しく清潔だ。昆布のスープはタダ。
店内の客は6人ほど。しかし、ネット注文が入る。うるさい電話はない。できると即座に容器に入れると、まもなく配達する若者が飛び込んでくる。温かい麺が電動バイクで音もなく客の自宅に届けられる。
まるでロボット社会のようなのだ。携帯一つで注文し、それが即座に届く。あっけにとられる。これほど効率の良い社会を知らない。10億人の中国のネット革命である。
<注文品が不都合だと即返品OK社会>
日本では携帯やパソコンに誇大広告が目立つ。一度引っかかったことがある。宣伝には「技術のドイツ製」で引っ掛ける暖房器具だった。自宅に届いた商品はイカさま。この返品に一苦労させられた。
消費者庁と連絡を取り、間に入ってもらい、ようやくのことで返品することが出来た。日本では安心して携帯やパソコンで注文すると、ほぼ確実にヤケドする。
パソコンのメールには詐欺的メールが氾濫、これを消すのに一苦労させられる。
こうした不安は北京にはないようだ。友人は取り寄せた充電器の力が弱いことに気付いた。すると直ちに返品とメーカーに通告、それを玄関先に置いておけば、それですべてが終わる。これには驚いた。違反すれば大変なことになるらしい。
また注文品を届けてきたとき留守をしていた。日本だと持ち帰りだが、中国ではその心配はない。玄関先に置いておけばそれでOK。携帯で常時連絡できる。
中国のデジタル化の速度の速さは、日本では考えられない。6年ぶりの中国の北京の変化には、正直なところ腰を抜かしてしまった。
2025年10月28日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
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