本澤二郎の「日本の風景」(5520)
<消えない日本軍国主義とファシズム批判=中ロ首脳・憲法の国際協調主義定着不可欠>
【モスクワ=東慶一郎】中国の 習近平(シージンピン) 国家主席は2025年5月8日、80年の節目となる旧ソ連の対独戦勝記念日(9日)の式典出席のために訪問したモスクワで、ロシアのプーチン大統領と会談した。両首脳はウクライナ情勢や米国のトランプ政権による対中関税引き上げなどを踏まえ、両国の協力を強化する方針を確認。歴史認識で共闘する姿勢も打ち出した。
米国のバイデン政権と共にウクライナにテコ入れした岸田内閣の日本に対して、両首脳は強く反発した。清和会政権下、隣国と敵対関係に入った日本は、戦後80年を経過しても、中ロ関係は進展どころか悪化してしまっていることを裏付けた。1972年の日中国交正常化以前に戻ってしまった日本外交の大失態は、A級戦犯内閣の1960 年に逆転したことでもある。
米国の衰退する中でのアジアから孤立した日本の前途の厳しさを反映している。日本国憲法の国際協調主義は正しい。せめて福田赳夫の等距離外交に戻る必要がある。改憲ではなく憲法を定着させることが、日本外交の本流でなければならない。岸・安倍の外交は、日本を世界の孤児に追い込んでいることを、今回の中ロ共同声明は裏付けた。
今どきの安倍の清和会残党組の西田の沖縄発言は、いったんは開き直ったものの、昨日は急遽「皇国史観的暴言」を撤回した。
神道政治連盟・日本会議・統一教会の不気味すぎる極右のカルト教団史観で、21世紀を律することの愚かさをも印象付けた。それでも公明党創価学会は、やくざ系議員同様に西田をカネと票で支援するのであろうか。信濃町の大義はゼロ以下である。
<アメリアの属国からの離脱=一つの中国遵守>
会談後に発表された共同声明には、ウクライナ侵略についてロシアの主張に沿った「根本原因の除去」との文言が記された。台湾問題に関し、中国が主張する「一つの中国」原則の支持も盛り込まれた。
意図的に緊張を振りまく「台湾有事」を叫んできた安倍の清和会外交に対して、中ロの軍事大国がNOを突き付け軽視できない。すでにアメリカ一強時代は幕を閉じている。財政危機によるドルの下落は、アメリカ国債の投げ売りで証明された。世界一の米国債保有国・日本の衰退も、100%の確率で裏付けられた。日米とも墜落必至で、円の価値も半減し、特に年金生活者を困窮させている。
自公体制を追放しないと、日本の衰退速度は速くなる一方だ。一つの中国は、1971年のキッシンジャーの電撃訪中で表面化した。ニクソン政権である。台湾独立派を武力で支援するなどという幻想を、石破は放棄する宣言をすべきだ。
堂々と日米安保を破棄する局面に立たされていることを、国民は理解すべきだろう。もともと米国の属国など論外である。
<アジアに足場を置く=靖国参拝・軍国主義反対>
旧ソ連と中国が80年前にナチス・ドイツと日本という「ファシズム」と「軍国主義」に勝利し、「数え切れない犠牲を払い、偉大な歴史的偉業を成し遂げた」と主張した。日本に対しては「靖国神社や歴史上の出来事に関する言動に慎重を期し、軍国主義から完全に距離を置くべきだ」と要求した。ロシアが中国の主張に同調したとみられる。
世界は非戦の国が、42兆円の超軍拡予算を強行していることに対して厳しい目で批判、反発している。そのことが中ロ首脳会談ではっきりと証明された。軍国主義復活は日本を亡ぼす元凶である。
いまパキスタンとインドの国境地帯で軍事的衝突が起きて、国連を驚愕させている。両国とも核兵器保有国だ。日本外交の新たな試練だ。片方に肩入れすることは断固許されない。岸田の過ちを繰り返すと、日本列島は太平洋から消える可能性を否定できない。
日本の選挙区はアジアだ。アジアに足場を置く。そのための国際協調である。アメリカの属国であってはならない。独立した公正な第三者として振るわねばならない。
靖国参拝は許されない。若い300万人の尊い死が、裏付けた憲法9条である。軍拡を止めて貧者の暮らしに目を向ける政府に切り替える時だ。次の政権は、トランプに負けない公正な緊縮刷新予算に徹する日本再生のものでなければならない。大借金予算で日本をつぶすこと勿れ!
2025年5月10日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。