本澤二郎の「日本の風景」(5476)

<統一教会解散命令で浮上=宗教政党の神道自民・創価公明の金集め=政教分離違反に波及必至>

戦争という人類の狂気には、カルト教団の存在を否定できない。戦前の天皇制国家主義による日本帝国では、国家神道(現在の神社本庁・靖国神社)が国民と兵士・指導層の精神を羽交い絞めにして、侵略戦争を強行したという経緯がある。その教訓から憲法20条と財政法4条(国債原則禁止)で、国家主義と軍国主義の復活を禁じ、二度と同じ過ちを繰り返させない歯止めにした。


3月25日東京地裁による解散命令で統一教会は、60年ほど前にA級戦犯の岸信介が、仲間の韓国の文鮮明に宗教法人として認可したことに起因する。いうなれば岸や側近の笹川良一のギャンブル財団・岸の娘婿の安倍晋太郎と岸の孫の安倍晋三の3代によるテコ入れもあって、霊感商法なる悪辣な教義?を用いた無知な女性信者から資産を強奪した犯罪事件である。国民を恐怖に陥れたカルト教団事件である。オウム真理教事件も安倍家が関与していた。


「人々を救済する」という宗教的大義を振りかざした金集め教団は、現にその莫大な強奪資金を韓国から米国の政界工作などにも投入する国際的な犯罪資金に化けていた。満州国時代の岸は、アヘンを使って資金集めをしていた戦犯だった。彼は敗戦後はカルト宗教を使って金集めをしていたわけだ。その莫大な資金力で、自民党保守傍流の地位から政権を手にした、のみならず後継政権を次々と立ち上げた。その最たる政治屋が、福田赳夫を筆頭に森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三・福田康夫だ。麻生太郎も。

安倍襲撃事件の山上被告人は「統一教会による家族崩壊」に対する報復だった。実際は自民党内の権力抗争の側面も否定できない。


長い裁判を経ての東京地裁の決定は、教団の解散命令となったが、肝心のカルト教団は反省どころか強く反発している。控訴必至とみられる。第二、第三ラウンドが想定されるが、それは自民党反主流派の安倍残党組の政治的痛手と無関係ではない。


問題は統一教会事件によって、新たに神道カルトの自民党と創価カルトの公明党の金集めに国民の関心が集まっている。日本人の「信教の自由」「政教分離」が問われている。事実上、復活したような神社本庁・靖国神社と、信濃町の創価学会の金集めと、両者の集票組織に、国際社会からこの国の民主主義の核心も問われている。これの解体に向けた対応の行方は、政界のみならず司法の良識にも強く影響を与える重大事だ。

政教分離は国際社会の近代法の鉄則なのだから、もはやゆるがせにすることは出来ない。国会は宗教法人法にメスを入れる時期到来を迎えた。「神の国」の森喜朗の国会証人喚問も不可欠だろう。


<神社神道の祭礼に公金略奪(自治会・町内会・区費)問題>

この80年、隣国からは「日本は近現代の歴史の真実を教えてもらいたい」という切なる要望が繰り返し叫ばれてきた。それは近現代史を教えない日本政府の、特に自民党に巣食う戦前派右翼の牙城である神道政治議員連盟に対する直訴でもあった。

反対に、安倍が改憲軍拡と台湾有事を叫んだ理由は、中国政府への牽制でもあったが、それは歴史の繰り返しを回避するためのアジア諸国民の悲願でもあった。日本国民は、このことを忘却してはならない。

だが、戦前派の右派が実権を握った自民党において、神社神道はカネと票を生み出す装置そのものだから、学校で戦前の国家神道の恐ろしすぎる正体を教えようとしてこなかった。

自民党内の護憲リベラル派が、戦前の国家神道派に敗北した原因は、神道批判を回避してきた、そのためである。宏池会解体は、足元の金集めと票集めに改革のメスを入れようとしなかったことと関係している。逆に神道派の清和会が自民党を掌握した理由である。


神社神道の金集めはすごい。「公費略奪」を誰も口にしないが、特定の教団が、公金に手を突っ込むという犯罪行為は、統一教会よりもひどい。明らかな刑事事件である。

町内会・自治会・区の住民から集めた公金から、神社神道は祭礼目的で奪い取ってきている。その金額は数百億円とも言われている。神社神道と一体の自民党の金集めは、企業団体からの高額の闇献金どころか、神社本庁配下のそれもまた巨額である。後者は憲法20条違反である。

自由法曹団という伝統のある進歩的な法律家の団体の内部からは「全国一斉に神社の公金強奪裁判を起こすべきだ」との正論が浮上している。表面化すれば、これだけで自民党は窒息死する。


<創価学会の金集めは日本一・資金力NO1>

金と票集めの組織というと、今では誰もが知っている創価学会に絞られる。安倍内閣の下で、戦争体制の法制化が強行したが、その事実上の主役は、安倍内閣の国交相になった太田昭宏(元公明党代表)。やくざ並みのどすのきいた声を出す人物で、一説によると池田大作も嫌っていたらしい。しかし、池田が健康で倒れると、太田は安倍と密会を繰り返し、自衛隊参戦法を強行した。2013年から2015年にかけての安倍・戦争法の影の主役は太田だった。

事情通によると、安倍銃撃事件で一番衝撃を受けた公明党創価学会関係者とされ、いまでも表に出ることもできないらしい。安倍がこけて真っ先にこけた太田というのである。


創価学会の暮れの大金集めは有名である。「太田や山口那津男の秘密口座に注目している」との声は、読売のナベツネのそれに相当するらしい。安倍銃撃の真犯人は今も不明だ。山上裁判もまだ不透明である。


<反省なしの控訴必死=背景に安倍・清和会残党組の石破おろし>

筆者は石破おろしの仕掛け人は、安倍の残党組と見ている。石破の10万円商品券問題の火付け役に違いない。

日本会議もまた連動している。フジの日枝久潰しは、ナベツネ亡き後、石破の手に握られている。岸田文雄の再登板はどうか。森喜朗を検察が支えているという情報は本当らしい。検事総長と岸田・森のコンビにも注目したい。高市は捨て駒だろう。

反省ゼロの統一教会の背後の黒幕は、安倍亡きあとは森に違いない。石破の起死再生策はあるか?目下の米や野菜の二倍三倍に値上げしている悪辣な業者と官僚を逮捕し、アベノミクスを廃止して超物価高を正常に戻すことである。ハイパーインフレ政策は、この国の破滅を急がせているだけだ。


<国際社会で通用しない自民と公明の宗教政党>

それにしても、現在の異常な意図的な物価高には貧者は本気で腹が立つ!宗教政党に日本国民を安心させることは出来ない。歴史の教訓である。

2025年3が26日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)