本澤二郎の「日本の風景」(5475)

<ドイツの日本・ヒトラー化=国債乱発で歴史の逆転=NATO衰退必至=危うい国際社会>

郵送されてきた月刊誌「月刊日本」4月号の独自特集記事のタイトルは、いまさらながらの「米国の没落」。なぜ「日米の没落」にしなかったのか。どうして「日NATOの没落」「世界の没落」としなかったのか。


日本の言論界の衰退と、相変わらずの「井の中の蛙」レベルを象徴しているようで、泣けてしまう。読売のナベツネに買収された「中央公論」など歯牙にかけない現代ではあるが。原発推進・戦争国家の日本航路を食い止める日本人はいるのか。市民団体は存在するのか。政党はあるのだろうか?


筆者は「ドイツ!お前もか」に衝撃を受ける。311フクシマ東電原発大爆発に対して、即座にドイツ原発廃止を決断した当時のメルケル首相の「21世紀の決断」に感動した日本人のゲルマン人へ熱いの思い入れは、いま彼方に消えてしまった。国債乱発による「ドイツの大軍拡・日本化」は、第二のヒトラー化なのだから。背景にイスラエルのパレスチナへの虐殺もあるのか。


80年前に消滅したはずの日独「死の商人」は、ウクライナ・ロシア戦争を踏み台にして、NATOの経済大国を蝕んでしまっていた。


<日本の財務省を牛耳る「死の商人」>

ドイツ連邦上院は3月21日、財政拡張を可能にする憲法改正案を承認した。このベルリン報道に震え上がった日本人が、一人でもいたであろうか。武器弾薬で血税を吸い込む吸血鬼は、欧州を総なめにした格好である。既に不人気な大統領のフランスのマクロンは「フランスの核」に集まれとわめいている。


翻って日本の大蔵省時代は、何とか財政法4条の財政規律にこだわりを見せていたが、財務省は右翼化した官邸と連携して、国債という借金地獄の日本に変質させてしまった。今の借金比率は敗戦時に相当する。円の価値がゼロになってしまった1945年だ。その間、何が変わったか。国家主義・軍国主義が謳歌する歴史を繰り返す世界第三位の軍事大国に変質してしまった。財閥・軍閥・国家神道の日本である。


財政法4条こそが日本の戦争拒否の物理的規制・カンヌキの役割を果たしてきたが、それを外して、それでも増税増税で、9条を痛めつけている。その先導役がA級戦犯の岸信介の亡霊に取りつかれた福田清和会。それは森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三の清和会の戦争路線だった。


特に安倍時代から「改憲軍拡の合唱」が日本列島を覆いつくし、国会の改憲調査会の会長に平和主義者の三木武夫の義弟・森美秀の長男・英介(麻生派)を貼り付けて、執拗に強行しようとしてきた。公明・維新と国民も牙を抜いた。岸の孫を、不気味な神道カルト・日本会議と電通・ナベツネ読売、さらにはNHKの海老沢までが応援団となって、三菱や三井などに巣食う財閥の死の商人と連携して大軍拡・戦争国家体制を構築。岸田内閣では、米国のバイデン政権を感動させていた。歴史の教訓に反した役割を、護憲リベラル派の宏池会の岸田文雄が担当したことは、万死に値しよう。


<フェイクニュース乱舞の日本とトランプ和平の行方>

日本の新聞テレビは、うその垂れ流し記事が目立っている。ワシントンの真相さえも隠す。USAIDの闇の資金による情報操作について、反省する真っ当な新聞社もいない。新聞協会もナベツネ化し、悪に染まっているのかもしれない。


言及するまでもない。いかなる口実をもってしても、核を肯定する人間は悪魔だ。原発は断固としてNOであるが、こうした報道倫理を言論界は、当たり前のように放棄して原子力マフィアに屈している。フクシマの真実は、ほとんど報じられていない。捏造・歪曲した報道ばかりだ。政党政治家にまともな人物がいない。死の商人に呑み込まれてしまったのか。核保有国に警鐘を乱打する政治家や言論人はいないのか。


人を見る目のない凡人ジャーナリストは、唯一総務相の村上誠一郎を少しは期待していたが、彼の言う「安倍国賊」は単なる人気取りだったのか?権力監視の言論も、世界一高給取りの政治屋と政党も不甲斐ない。

房総半島の真実も活字にしない新聞について、もはや怒る気力も失いかけている。一方で、財閥・死の商人の声は、紙面どころかネットにも飛び出して威勢はいい。民主主義も忘れ去ろうとしている日本なのか。幸いワシントンのトランプ政権支持率が上昇している。改革は進んでいる!

だが、日本には株まみれの輩ばかりで、トランプのような愛国者がいない。帰化人が議会を占拠してるせいなのか?骨のある日本人がいないことが、現在の日本の悲劇である。それにしてもドイツの軍国主義化は、世界を見る場合、欠かせない視点である。

2025年3月25日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)