本澤二郎の「日本の風景」(5467)

<与野党・言論界の相乗りの無風千葉県知事選=命の水など水道汚染回避に棄権70%=民主主義機能不全>

多少なりとも正義・常識・愛国心がある日本人は、本気で日本の前途について疑念を抱き、希望を失って、自暴自棄の精神状態に追い込まれている。民主主義の危機レベルを突破してしまっている。


3月16日に投開票が行われた千葉県知事選を分析すると、県民の7割が投票しなかった。冷たい小雨の中を無理して投票場に行ってみても、投票用紙に書き込める候補者がいない。4年前の2021年選挙では、房総半島に吹き荒れた史上最大の台風下、雲隠れした森田健作という、すたれ切った芸能人知事に驚いて、若い立民擁立の候補に投票したのだが、なんと彼の黒幕が元やくざ代議士の運転手だったことが判明し、衝撃を受けてしまった。


出自不明のこの若者は、県民の命と暮らしを守ると公約しながら、県内の水道汚染・命の水がフクシマの核汚染ごみに呑み込まれているという、途方もない重大事件に対して、全く向き合おうとしなかった実績ゼロ・利権知事でしかなかった。さらに対抗馬が事実上ゼロだったため、余計に県民の関心は薄れてしまった。

国政レベルでは、与野党逆転という政治環境に置かれているというのに、実績ゼロの若者を与野党が相乗りして、県政の大刷新という局面をゼロにしてしまった。あきれたむなしい知事選だった。


<公共放送?NHKの無様な解説に投票率回避>

かてて加えて国政レベルの相乗りに便乗したのが、世論を主導すべき言論界に問題があった。新聞テレビが腐敗で異臭を放っている与野党と「共闘」報道というのでは、もはや自由な選挙とはいえないだろう。

案の定、投票率は3割台。ざっと7割の県民が棄権した。不肖、筆者もその一人だった。友人に電話してみると、彼は「自分の名前を書いて投票してきた」と答えた。

前回よりも7ポイントも投票率は下がってしまったことについて、NHKはそれでも「一定の評価」と解説した。その無能記者はやはり女。安倍晋三に20年ぶら下がった女記者の後輩だった。

政治関連の世界に登場する女たちに、不思議と優れた人材がいない、不思議日本か。男たちも同じではあるが。男女平等を生かせない日本に涙が出てしまいそうだ。


NHK記者の発言がネットにも出ているが、やはり70%棄権の投票率についての解説がなかった。現職再選に迎合していた。反骨ジャーナリストは中央もそうだが、地方にもいない。国民はテレビも見ない、新聞も読まない方がいいかもしれない。


房総半島のごみ溜め化が不安でならない。それにしてもなぜ千葉県が、真っ先にフクシマの核汚染ごみを、水源地に埋設しなければならなかったのか。このことは、普通の環境ジャーナリストでも正確に分析できないでいる。


<お陀仏日本丸=第二のヒロシマかフクシマ?>

{3月15、16日の毎日新聞の世論調査で原発の再稼働を進めることについて尋ねたところ、賛成が41%で、反対の29%を大きく上回った。「わからない」も30%あった}


泉下で渡辺恒雄が泣いて喜んでいるような記事が飛び出した。読売や産経の記事であれば、だれもが「眉唾」と受け取る。毎日新聞の世論調査は、右翼新聞と多少距離があると考えるものもいる。


ヒロシマ・ナガサキの原爆投下のことや、311フクシマのことをすっかり忘却した日本人が4割もいる?事実であれば、この国は「お陀仏」だ。それとも金に困っている毎日新聞も「読売化」してしまったのか。野党と言論の腐敗が、この国の希望の光を消してしまっている。


<暇すぎる霞が関の官僚=米国なら首にするが石破は?>

永田町に振り子を回すと、石破の思い付きのピント外れの言動が飛び出した。地方創生という意味不明の言葉が大好きな石破らしい発想なのか?

霞が関の国家公務員は昼間から寝て暮らしている?彼らを地方に派遣するというのである。

{石破首相は15日、国職員が東京と地方の2拠点で活動して地方創生を後押しする制度を、4月から38都道府県の60市町村で開始すると発表した。首相は訪問先の長野県宮田村で記者団に「非常に画期的で地方創生に熱意の高い市町村を支援することになる」と強調した}

ワシントンのトランプやイーロン・マスクは「仕事をしない役人は解雇して血税負担を少なくする」。財政破綻はアメリカだけではない。日本も同じだ。アベノミクスで借金が余計に膨れ上がっている。日本の与野党とも、財政の無駄を徹底的に削減するということに対して、まるで無関心だ。

自公も駄目だが、野党も駄目。政治に改革という言葉が消えてしまっている。悲劇に気付かない日本人か?

千葉県も永田町も危険がいっぱい!

2025年3月17日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)