本澤二郎の「日本の風景」(5401)

<宇都宮徳馬のペンネーム・高杉俊輔軍部批判の読売に戻れるか>

戦前の読売新聞を知っている識者が、この世に一人でもいるだろうか。戦前の言論統制下の時代に高杉俊輔の偽名で軍部批判をした、偉大な言論人が読売新聞にいたことを。高杉晋作と伊藤俊輔(博文)から取ったペンネームの宇都宮徳馬の軍部批判は、他の追随を許さなかった。「権力監視こそがジャーナリズムの本文である」と宇都宮は繰り返し筆者に叫んでくれた。


その反骨の読売を、御用新聞に変質させ、部数拡大による情報操作に徹した悪の経営者がA級戦犯の正力松太郎である。その正力の後継者が、最近亡くなった渡辺恒雄。その渡辺の保証人になって読売に入社させた人物こそが、宇都宮徳馬である。渡辺は恩師を裏切ってA級戦犯内閣を支えた右翼のドン・児玉誉士夫の配下となって、読売の頂点に立った。右翼に転向した渡辺を、宇都宮は「ツネは忘恩の徒」と厳しく非難した。以上は真実である。


正力は原子力発電所の推進派で改憲軍拡派。渡辺はその継承者として憲法改正試案をまとめた平和主義の大敵、ジャーナリズム破壊者として生涯を終えた。

ツネ亡き読売は、高杉俊輔の反骨の新聞に回帰して、民意を体現する民主主義のジャーナリズムに復帰できるだろうか?ごみうり新聞で墜落してしまうのであろうか。

ユダヤ人の識者は1年で覚醒したが、読売に識者がいるだろうか。

 (ユダヤ系である仏の歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・トッド氏は、「イスラエル・ガザ紛争」に関して、これまで発言を控えてきたが、自身のユダヤ家系の歴史にも触れながら、躊躇いながらも初めてこの問題にコメントした=文春)


<言論の使命は権力監視=やめた新聞の凋落>

八千代市の友人が財経新聞のコピーを送信してくれた。日本ABC協会の新聞の発行部数(昨年9月公表)を紹介してくれている。それによると、ほとんどの新聞の激減に驚くが、特に読売の凋落が目に付く。真実かどうか1000万部突破と喧伝してきた読売は、600万部を割っている。

このABC調査は新聞社の公表数字を基礎にした、かなりいい加減な水増し数字である。読売のタダで配る「おしがみ」の部数は、業界では有名だ。実質で500万程度か。


改憲軍拡の好戦的御用新聞を読者は知っている。野球好きもたかが知れている。中曽根バブル経済の崩壊に比例して部数減は止まらない。読売の「中曽根新聞」「安倍新聞」はよく知られている。

権力に迎合する新聞の価値は低い。信頼度は低すぎる。

原発推進の結果が311東電フクシマの核爆発。それでもさらなる原発大国を目指すその先には、日本核武装計画が透けて見える。歴史に無知な日本人でも、80年前の悲劇を知っている。戦争の悲劇は、イスラエルのガザ攻撃やロシア・ウクライナ戦争が、目の前で演じられている。二つとない命を捨てる人間はいない。憲法の平和主義を破壊したい日本人は少数である。韓国の目下の政情が教えてくれる。誰も好んで靖国に合祀されようとは思わない。与野党こぞって伊勢神宮を参拝してもNOである。

政府広報の読売の部数激減は自業自得である。


暴力に屈した朝日新聞の復活に期待したが、その形跡は見られない。創価学会資金に委ねた毎日新聞もさえない。極右・日本会議や安倍の清和会を持ち上げるネット記事は見受けられるが、正体が割れている。反骨の言論でなければ、新聞が生き残ることは不可能である。


<「健全な言論の自由」は民主主義の要>

94歳で人生を終えた恩師は、新聞と議会が健全に機能しないと、民主主義は本物にならないと後輩を叱咤していた。いま新聞も議会も「死に体」である。

異常な政治不信を政権交代へと持ち込めない不甲斐ない野党は、伊勢神宮参拝による大政翼賛会「神の国」へと国民を引きずり込もうとしている。21世紀の「神の国」は、悪党の岸信介や森喜朗、安倍晋三を想起させるだけだ。

ツネ亡きあとに高杉俊輔の読売復活は、夢のまた夢に違いない。偏狭な民族主義や皇国史観の狂気など論外である。


<房総半島から嘲笑=税金泥棒を批判しない新聞は新聞に非ず>

フクシマの核汚染ごみ不法投棄事件を目の前にして、房総半島の正義は、やくざ暴力団を放任する警察と行政と新聞に激しい怒りを、誰もが感じ始めている。

筆者の周囲にも「やくざ・やくざ系に清き一票を入れるな」と声を出す有権者が現れた。もうそれだけで、公明党創価学会カルトが委縮してるではないか。房総半島の嘲笑が、声になって反響が出てきた。保守的な無党派住民の切実な叫びが、革新政党を動かし始めてきている!近い将来、政党機関紙や一部の新聞に波及するはずだ。

2025年1月11日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
原子力マフィア退治! もんじゅ西村裁判 � JAEA(日本原子力研究開発機構)

日 時: 2025年1月17日(金)14:00 〜  場 所: 東京地裁  530号 訴訟名: 損害賠償請求(JAEA) 被 告: JAEA(日本原子力機構)、元秘書役(田島)  原 告: 西 村


"日本の裁判所が「正義」よりも大事にしているもの…「靴ナメ」に等しい屈従さえも可能にする”ピラミッド型ヒエラルキー”の実態!" https://l.smartnews.com/m-16KsBtY/he9jzB