本澤二郎の「日本の風景」(5367)
<韓国国防相と日本の赤城宗徳防衛庁長官>
各国指導者の多くが精神を病んでいる。それにしても隣国のユン韓国大統領の戒厳令には、米国や日本などが驚いた。議会少数与党の政権は、野党の言い分を聞いたりしてのかじ取りが不可欠だ。しかし、日本もそうだが、右翼政権は妥協を嫌う。大統領側近の国防相が率先して動いたようだ。
武器弾薬を担う人物に問題があったと見たい。思い出すのは戦後初の右翼内閣・岸信介A級戦犯内閣の防衛庁長官の赤城宗徳は、事情がそっくりではないが、韓国国防相と真逆の対応を取った。赤城が60年安保闘争の場面で、安倍晋三の祖父・岸信介首相から、デモ鎮圧のために赤城長官に対して、自衛隊による軍事的鎮圧を要請してきた。
仮に防衛庁長官が岸の仲間の右翼議員が担当していれば、学生・労働者・主婦らに多数の犠牲者が出ていたであろう。戦後政治に異変をもたらしたはずだが、日本はそれはなかった。
1960年当時の赤城から直接取材した人物は、現在ではいないかもしれないが、筆者は旧制水戸高の関係者(宇都宮徳馬・水田三喜男・後藤田正晴・葉梨信行ら)に興味があったことから、三木派長老の赤城に単独取材をしていた。
今日から想像すると、岸の周辺には右翼のドンと国民から恐れられていた児玉誉士夫や笹川良一らが控えていた。現に岸は右翼のやくざ暴力団をデモ鎮圧に投入していた。児玉の懐にまで首を突っ込んでいた読売の渡辺恒雄は、どんな知恵を児玉にしていたものか、大いに興味がある。彼は不都合なことは沈黙して隠蔽する才能があるので、真相を明かしていない。日航機墜落事故もそうだが、大事なことは今も伏せている。
現在も言論人だと自負するのであれば、大きな秘密の数々を公開する責務を負っている。ボケていなければ公開してもらいたい。恩師・宇都宮への報恩にもなろう。
<辞表を懐に入れて阻止する覚悟だったと証言>
中国の鄧小平の罪は、天安門事件において人民を守るはずの人民解放軍が、学生らに発砲して多数の若い命を奪ったことだ。日本も同じことが起きたのだが、主役の防衛庁長官は「辞表を懐に入れて阻止する覚悟だった」と証言。旧制水戸高史に燦然と輝く1ページを添えているだろう。宇都宮・水田・赤城・後藤田は、護憲リベラルの信念の人だった。
もちろん、日本は侵略戦争という恐ろしいヒロヒト戦争の戦争犯罪を、80年経っても国際社会に負っている。そこから平和憲法を手にして、陸海空軍を排除し、帆船日本丸の航海に舵を切ったのだ。しかし、ワシントンの命令で、自衛隊は憲法違反の武力装置として発足した。だが、国民世論の厳しい目を痛いほど浴びながら存在し、かろうじて災害救助隊として国民の理解を得ていくのである。そうした認識を赤城も当時の隊員も、自らの信念として抱いていた。靖国参拝して歴史を繰り返す動きなど全くなかった。当時、首相自らの発砲命令にも現場は応じなかったであろう。
むろん、赤城も完璧な政治家ではなかった。詐欺師のような科学者に説得されたのかもしれない。地元茨城県東海村で、日本で初めての原子力発電所建設を阻止できなかった。これこそが岸・正力松太郎・中曽根康弘・児玉・笹川らの「核兵器大国」の野望に向けた第一歩だったのだが。フクシマ東電核爆発が敢然とブレーキをかけたが、それでも止めない。財閥傀儡政権ゆえだ。昨日紹介した吉岡斉はどう伝えているか。九大の資料室に回答が眠っている。
<政治家が国民の平和と安全を守る=政治屋は利権戦争>
韓国には野党に人材が集まっている。米国と日本は、ソウルに右翼政権を誕生させて、歴史問題を乗り越えようと画策、成功するかに見えたが、現在の右翼政権は戒厳令で自滅しようとしている。
日本の岸と財閥とワシントンの傀儡政権も、安倍や森・小泉の悪政で試練に立たされている。「金で動く政治」から離脱できない石破内閣の先行きは不透明だ。不倫党を抱きしめても、天文学的借金財政で、ツケを子供の世代に回すという愚民政策を国民は信用しないだろう。
善良な国民は、国民に目を向けた護憲リベラルの政治・帆船日本丸に希望を求めている。言及するまでもなく、今も韓国の民主主義の力強さを見せてくれたことには感謝したい。
2024年12月7日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
原発はいらない!
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静岡県警はまとも、千葉県警と違う!
1966年の静岡県一家4人殺害事件で袴田巌さん(88)の再審無罪が確定し、県警の津田隆好本部長は5日の県議会で、当時の捜査員や事件があったみそ会社の元従業員らへの聞き取りを始め、捜査状況の確認を進めていることを明らかにした。
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東電の大罪!
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