本澤二郎の「日本の風景」(5270)

<恐ろしい水源地核汚染ごみ不法投棄事件=3年後に本格追及か>

「こんなことがあっていいのだろうか」。自民党派閥記者20年の凡人ジャーナリストは、今も頭が混乱している。一つはよく知る護憲リベラル派・宏池会の岸田文雄首相が、43兆円の戦争準備を始め、安倍晋三並みの改憲軍拡論を声高に叫んできたこと。同派閥に最も食い込んだ政治記者にとって、岸田の対応は青天の霹靂そのもので、想定外のことだった。もう一つは、311フクシマ東電原発がまき散らした核汚染ごみが、こともあろうに首都圏のオアシスである房総半島の水源地(袖ヶ浦市陣場台)に、木更津市のやくざ系産廃業者による不法投棄事件を住民が発見し、天下を揺るがす大騒動のはずが、新聞テレビが全く報じない、これを追及しない議会と隠蔽する行政!それはまさに犯罪的と決めつけていいほどだ。だが、彼らは国民の命に向き合おうとしない。人権侵害大国日本も極まって悪どい!


正確には、たった一人の立憲民主党議員が現場を視察したが、なぜか国会で政府と千葉県を追及をしない、同党県議が県議会常任委員会で抽象的に追及したものの、これも宙に浮いている。原状回復のの遅れをに住民の怒りは言葉にならない。

分かってきたことは、房総半島はやくざが跋扈する不浄な政治風土。そこでので小選挙区制がそれを決定的にした。これも災いの原因だろう。住民悲願は、解決に一歩も前進していない。


だが、ようやく新しい流れが出てきた?水源地の汚染水は、小櫃川河川から吸い上げる広域水道利用者の命を危険にさらしている!水道利用者は40万人から50万人。命の水の危機に、袖ヶ浦市の隣の市原市の元共産党市議が、地元住民の説得に驚いて行動を開始した。党内に必死で働きかけて、ようやく県議レベルの行動に発展して本日現場を視察、被害者住民と意見交換する。


<2024年8月30日に共産党県議ら現地視察!>

筆者も辛抱強く3年もの間、心待ちにしていた。地元対策委員長の御園豊のそれは、目の前が大量の核汚染ごみの埋設現場だ。毎日生きた心地もしない環境での不安な日々を過ごしてきた。普通の人だと発狂するような事態である。問題の陣場台周辺農家からは、多発するがん患者のことを3年前から察知、たまたま市の選管委員長をしていた関係で、放射能測定器を借り出して測定して、運よく犯人の核を突き止めた。


まともな行政・政府であれば、即座に原状回復へと動き出す場面である。ところが、意外なことに市も千葉県も木更津署・千葉県警も、この重大な事件解決に向き合おうとしない。本日も県の担当者は、県議の要請にもかかわらず、住民との接触を逃げてしまい、三輪という県議を欺いて恥じない。


メディアも取材しない。筆者にも知り合いが救援ボールを投げてきた。もう繰り返しブログで打ち返したのだが、反骨ジャーナリストの思いは、やはり行政に動かない。しかし、さじを投げるわけにはいかない。房総半島の大気と水と東京湾を、核汚染から放置することは人間として許されない。

立憲民主党の小沢一郎側近に期待をかけたが、国会での政府追及へと発展しない。袖ヶ浦市議会の共産・公明・自民など各党も真相究明を、この3年間何もしなかった。


こんなことが民主主義の国で許されるものか。一人や二人まともな国会議員がいるはずだが、今は現役時代ではない。足腰も衰えた。

同窓の共産党元代議士にも声をかけてみた。「動かない?そんなことがあるわけがない」と怒る。しんぶん赤旗幹部にも声をかけたが、それでも千葉県委員会は動かない。共産党も死んでしまったのか?


思えば自民党派閥記者は、野党にほとんどパイプがない。自民党の権力抗争取材に野党人脈は不要である。まさにお手上げ状態だ。そんな時、市原市の元共産党市議が行動を起こした。命の水汚染に驚愕したのであろう。

市原市の共産党市議も。木更津市のたった一人の市議は、昨年12月に亡くなっている。御園は「おかしい?木更津市の人口比では、3人いても不思議ではない。少ないのはやくざ系の木更津市と無関係ではないかも」と解説した。


今回の共産党の対応には、歴史を有する「小櫃川の水を守る会」も共闘している。会長の富樫が必死で汗をかいてくれる。命の水の危機に党派は関係ない。


<命の水に行政は隠蔽と沈黙>

それにしても袖ヶ浦市と千葉県の対応は不可解千万である。憲法の精神を理解していない。公僕ではないのか。

なぜ県民の命の問題に向き合おうとしないのか。厳しい監視は、主権者と言論の責任である。市民・県民の覚醒を強く求めたい。


<国会追及を要望する林・高谷地区住民と小櫃川を守る会>

原状回復が急務である。業者は専門家の推定では「200億、300億を懐に入れた」と指摘する。この資金の一部で、問題の産廃業者のワコーは、木更津市内に巨大な工場を建設し、地方政界に闇献金していると見られている。


住民は「やくざ暴力団追放県民会議」を立ち上げて反撃を開始した。その筋からのいやがらせを筆者と御園が受けている。幸い、御園家の家柄には、警察などの人脈が多い。幼いころは水田三喜男秘書、ついで宏池会の池田淳の第一秘書、水野清建設大臣秘書を歴任するなど、千葉県自民党のやくざ人脈に詳しい。

筆者も、公明党創価学会がらみとみられるやくざ浜名の殺人事件(木更津レイプ殺人事件)取材で、いっぱしの社会部記者に復権。やくざ代議士のハマコー側近が、元千葉県警刑事だったことも分かってきた。県知事の熊谷俊人側近の石井準一は、ハマコーの運転手だったことも。過去に「腐臭列島 房総半島の闇」(データハウス)を出版した当時を想起してきた。全くの無知蒙昧の徒ではない。

この世に生まれた以上は、子孫にいい房総半島を残す責任がある。この核汚染ごみ事件の真相解明と原状回復は、その一つに過ぎない。共産党が総力を挙げて、核汚染ごみ解決に切望する義務に目覚めるか?よく知る秦野章元警視総監、渡辺一太郎元千葉県警本部長らが泉下で「早く解決してやれ」と怒鳴っている。

2024年8月30日記(政治評論家・茅野村の仙人)