本澤二郎の「日本の風景」(5213) 

<A級戦犯路線を今後も引き継ぐと誓った岸田文雄の狂気>

史上最低の極右属国政治を強行した安倍晋三の3回忌が増上寺で執り行われたという。極悪政治屋の安倍国葬を強行したと評される岸田文雄は、改めて「志を引き継ぐ」と現在も安倍の墓前にかしずく極右・日本会議の面々にサービスしたと伝えられたばかりである。


43兆円の財閥・死の商人が狂喜する大軍拡の銅鑼の音が東アジアに鳴り響いているのだが、それでも満足しない極右の面々は、ツネの配下と指摘される極右女の口から「岸田を叩き潰せ」と激しい倒閣の声を発信している。そんなYouTubeで垣間見た。

台湾有事をなんとしても現実のものにしたいという悪魔人間は、いまも永田町に潜んで、列島・半島・大陸を死の灰で覆いつくそうと狂奔しているものか。


反共主義の米CIAが育成した岸信介・児玉誉士夫・正力松太郎・笹川良一ら戦争犯罪者が、いまや自民党をそっくり奪い取ってしまったことに言論と国民の反応は鈍い。その手先にされるかもしれない自衛隊の家族は、不安でゆっくりと眠ることができない。これは事実である。指揮作戦機能までもワシントンの戦争屋に委ねてしまった岸田なのだから。

野党が目を覚まさないと、この国の将来は本気で危うい。宇都宮徳馬や稲葉修、井出一太郎ら「岸内閣ができると、戦争を風化させる」と認識していた真っ当な政治家の予想が、いま現実のものになっている。


<戦後の自民党=改憲軍拡神道靖国財閥派の岸路線と護憲リベラル(宏池会)の攻防戦!=台湾派と北京派の死闘>

寂しいことに、最近は自民党政治を語れる専門家はいなくなってしまった。派閥政治を知らない世代によって、安倍・菅・岸田の政治路線が語られて、本質が不透明である。歴史を猛省する言論人もいない。学者・文化人は地中に潜って声も上げない。


京都新聞から前尾繁三郎秘書になって、その後は宏池会ブレーンとして活躍した安田正治の言葉を思い出す。鈴木善幸が引退し、宏池会と田中派は中曽根内閣誕生に走っていたころだ。安田は、初めて中曽根派の非公開の集まりに出て驚愕した。そこも岸・福田派と似ていて、改憲軍拡の極右の叫びが舞っていた。

「この先どうなるか?日本が再び戦争する国になるかもしれない」と二人だけのおしゃべりの最中に口走った。森・小泉・安倍の清和会政治が、彼の不安を証明している。それどころか宏池会の岸田二世までが、繰り返し約束している。


アベノミクスとは財閥・死の商人向けの経済政策だ。その分、国民の首を締め上げる。円安とゼロ金利だ。さらにマイナカードで全国民を「拘束」する。血税どころか、完璧な言論と自由を奪い去る管理社会・戦争国家の樹立である。

それでも極右・日本会議はあせっている。その先頭に女性首相を誕生をさせようとしている。英国のサッチャーの日本版である。不気味な危うい日本の戦争国家を見て取れる。

 

<岸の右翼化を軌道修正した池田・大平路線>

ワシントンの工作機関・CIAは、反共主義のもとで日本の政権政党である自民党を、中国やソ連・ロシアと対決する強力な再軍備国家に仕立て上げるのだが、それに喜んで追随した自民党派閥は、福田派清和会と中曽根派だった。

彼ら戦前派は、ワシントンの力を利用して戦前の「大日本帝国」の再現を夢見ていた。神道靖国派と武器弾薬で暴利を得る財閥の野望そのものでもあった。


他方で、吉田茂の護憲リベラル派の池田・宏池会は、現実を直視した北京との正常化に走る。当時の言論界と経済界も。いの一番石橋湛山が突っ走ったが、なんと病に倒れた。中国との国交正常化に走った石橋を、CIAが邪魔した可能性を否定できない。そうしてCIA悲願の反中政権の岸A級戦犯内閣が誕生に、安保改定と外交の基軸を台北よりに右急カーブを切った。


護憲リベラル派の池田派を中心に日中友好派が台頭する。池田内閣を発足させると、官房長官・外相を歴任した大平正芳のもとで、岸の台北路線を軌道修正し、そこから大平の大戦略が始動すとる。

佐藤派の田中角栄との連携である。同派の党人派を中心に勢力を拡大させる。三木派は日中友好による東アジアの平和に異論はなかった。この時点では、中曽根派も福田派と距離を置いて、大角連合に寄り添った。中曽根の風見鶏作戦は功を奏する。

 

<大角連合で日中正常化を実現した大平の大勝利>

1972年の佐藤後継争いは、日中国交正常化実現に向けた大角連合に軍配が上がる。岸・佐藤・福田派は敗北し、国際社会はニクソンのワシントンはじめ、大半の国々が北京を中国を代表とする方向が固まる。大平作戦が見事に開花した。


7月7日に発足した田中内閣は、外相に大平を起用し、3か月後に日本と中国は、国交を正常化した。中国は空前絶後の日本への戦争賠償を放棄するという、日本国民の度肝を抜く配慮で応えた。

大平は、首相に就任すると中国に対するODA(政府開発援助)を始動させて日中友好の生涯に幕を引く。中国のその後の経済復興は、日本のODAによるものである。


石橋内閣の勇断と失墜を大平が田中と共に見事に実現した点は、いまだ多くの日本人も中国人も知らない。先ごろ自宅に北京外国語大学名誉教授の金満生夫妻が旅の途次、3泊した。確認すると、現在も同大学には「大平教室」が存在することが判明した。大平の実績は、たとえ72年の前に清和会によって引きずり戻されてしまったが、大平の偉業が消えることはない。


<国家主義の中曽根内閣を経由して森喜朗誕生で逆転>

日中国交正常化は、東アジアに明るい未来を約束させたが、その見事すぎた実績にワシントンは腰を抜かした。新たな中国包囲網に安倍は全面的に協力した。それに掉さしたのは、極右三文作家の石原慎太郎と松下政経塾の野田佳彦による尖閣の国有化。

日中友好を破壊した人物は、このほか小泉・安倍と山東昭子。田中を裏切った山東には驚く。女性の裏切りは珍しい。カネのためか。


田中・大平連合軍の支援で首相の座を射止めた中曽根は、小渕恵三急死の場面で、なんと清和会の森擁立に走った。戦前派の軍国主義復活へと走る。A級戦犯の岸・国家主義と同根であることを、改めて露呈したものだ。


<李登輝をあがめた安倍晋三=靖国に懐柔された小泉純一郎>

拙著「台湾ロビー」で紹介したが、安倍と一度だけ会って取材した。彼の台湾派体質が、岸そのものであることを確認するためだった。結果は、まさにその通りで、彼は台湾独立派の李登輝を心酔していた。台湾独立派への軍資金提供疑惑は本当であろう。

安倍を政権につけた小泉も信用できない政治屋か。靖国参拝派という点では、中曽根のそれを上回る。日中友好破壊派としては、神道・日本会議派に違いない。

彼が原発を反対しても、改憲軍拡には反対しない。アメリカのポチは安倍や岸田・菅だけではなかった。アメリカのイラク戦争にものめり込んだ小泉を想起したい。


<ワシントンの日本属国を狙う輩の作戦は小泉進次郎起用>

「ジャパンハンドラーズ」をご存じだろうか。日本のポチを養成する、いわば「犬小屋」だ。小泉は、息子の進次郎をここに預けた。

進次郎人気はもうだいぶ前からだ。女性誌だけではない。

ワシントンの息がかかっている。第二の岸狙いか。


ここは注意しておかないと日本はまた来た道にはまり込む!ワシントンの混迷は、11月の大統領選一つ見ても頭がぐらぐらする。ロシアと戦争するアメリカは、中東ではイスラエル支援で国際社会を敵に回している。二つの戦争をする力はない。いわんや台湾有事に手を出す余力はない。

日本の極右政権を追放しないと、日本は本当に危ない。いまや自民党内に大平や田中はいないのだから。

2024年7月3日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)


ワシントンの危機は司法の危機!

今回の判断を巡っては、最高裁の「党派性」も浮き彫りになった。9人の判事はトランプ氏を含む共和党大統領が指名した保守派6人、民主党大統領が指名したリベラル派3人で構成される。3月にトランプ氏の大統領選立候補資格を巡るコロラド州最高裁の判断を覆した際は全員一致だったが、今回の判断は保守派6人による多数意見だった。