本澤二郎の「日本の風景」(4996)

<安倍昭恵の政治資産相続は莫大=一部を毎日新聞が報道>

以下の毎日報道にあきれる。東京・世田谷の砦のような堅固な屋敷は、相続できなかったが、夫晋三の政治資産はすごい。その一部が報道で公開された。じっくり読むといい。「むろん、氷山の一角」と自民党秘書は明かす。本人は鬼籍に入っているが、それでも「安倍派・清和会」は存続している。


資産家の一般人だと相続税に泣かされる。家族が泣き叫ぶような遺産相続問題にも発展する。政治屋の典型人であった中曽根康弘の場合はどうだったか。だれも口にしないが、追及されると、倅や孫も評価を著しく落とす。ただし、政治家や政治屋の政治資金は「相続無縁」だから闇だ。抜け穴もふんだんにある。通常は国税を抑え込む大蔵省・財務省の官僚が面倒を見て、そのおこぼれをいただく。

自ら政界に打って出ない安倍夫人は、それでも山口県の区議長選に首を突っ込むことで、怪しげな政治資産の後継者をいたいけに印象付けている。


総務省が(2023年11月24日)に公表した政治資金収支報告書や過去の官報などを基に確認した。これらの資料によると、昭恵氏は安倍氏が死去した2022年7月8日付で晋和会と政党支部「自民党山口県第4選挙区支部」の代表に就任。この2団体は安倍氏が関係する6団体の中で資金集めを担っており、22年当初の残金は晋和会で5210万円、4区支部で1億9203万円だった。 晋和会への資金移動は7月27日から始まった。4区支部の1億3731万円に加え、後援団体「東京政経研究会」の5000万円が寄付の形で移されていた。他の3団体からも計36万円の寄付があり、総額は1億8767万円に上る。4区支部は今年1月に解散した。同支部には毎年、政党交付金が党本部経由で1000万円以上支給されており、政党交付金使途等報告書によると、22年当初に2379万円の残高があった。政党支部を解散する際に政党交付金の残金があれば国庫に返還しなければならないが、同支部は人件費を増やしたり事務所費などに充てたりして解散前の22年中に使い切っていた。

政党支部を解散しながらも、そこに投入されていた党本部からの血税・政党助成金の残金を、国庫返納せずにきれいさっぱりと使い切った。見事なせこい手口に呆れる。血税でもひとたび懐に入れた夫のものでも、妻は返納しない。ここにも政治屋の妻のすごさを感じる。

<安倍晋太郎死去のさい、奥座敷の大金庫から見つかった6億円の脱税資金はどう処理したのか> 

過去に数回書いた記事の一つに、岸信介の長女・洋子の夫の安倍晋太郎が亡くなった時、奥座敷の大きな金庫を開けてみて仰天した一件がある。夫人に仕えていた秘書が、まるで「びっくり玉手箱」を見つけた。夫人の驚きも尋常ではなかった。むろん、口封じしたのだが、秘密の6億円の第一発見者は亡くなる前に、自身を安倍事務所に送り込んでくれた清和会の秘書会で活動していたXに、安倍家の最高機密を打ち明けていた。

6億円は安倍晋三の闇の選挙資金に化ける。6億円巨額脱税容疑で晋三逮捕となれば、日本の国税・検察も民主国として胸を張れたのだが。一説には毎日OBの安倍晋太郎による国有地払い下げ事件と関係している、との指摘する声が毎日新聞役員から飛び出していた。同じことをして出世したナベツネも知っている?毎日と安倍家、毎日と創価学会の深すぎる仲は有名だ。今回、闇の政治資金に首を突っ込んだ晋三夫人の前途もまた揺れるかも知れない。不正腐敗追及はいつの世でも、どこの国でも問題となる政治的な地雷である。

<裏帳簿に注目する反安倍派?>

裏表のない人という評価を受けられる人間でありたい。その点でほとんどの政治屋は表と裏がある。経済人もそうだし、一般人にもいえる。それぞれ努力しても無理な人たちばかりだ。「あの人は信用できる」という人物に出会うことは少ない。カネもそうで、表と裏の帳簿がある。政治資金はその典型である。したがって金庫番になるためには、相手に身も心も委ねないと、なかなか金庫番にはなれない。

今回の安倍・政治資金帳簿は、氷山の一角である。反安倍派は裏帳簿に重大な関心を抱く。政治資金を手にした未亡人もきつい人生を受け入れるしかないのか。彼女の金庫番は誰か?もう決まっているのか、それともこれからか?反安倍派はライバルだった林芳正だけではない。安倍晋太郎のライバルで福田赳夫側近だった田中龍夫の勢力も存在する。「銃弾で殺害されるような人物の政治資金後継者の前途は平たんではない」との声も。将来的には「政界のフィクサー」の遺産相続についても、特に言論界で話題になっている。巨大な遺産の相続の行方は、政治資金に限らない。貧困時代では、世論や政界に意外な影響を与えるものである。毎日新聞による裏帳簿取材に期待したい。むろんのことだ。11月15日に死去したとされる池田大作氏のしたとされる遺産相続も同様である。

2023年11月26日記(反骨ジャーナリスト・日本記者クラブ会員)

 一方、晋和会の22年の収入総額は、関連団体からの資金移動に、安倍氏の生前の政治資金パーティー収入なども加えた3億1609万円。支出面では人件費に1億2662万円を計上し、例年の2~5倍となっている。人件費の内訳は記載義務がなく、詳細は確認できない。22年末時点で1億3587万円の繰越残金がある。また、晋和会の所在地は議員会館から東京都内の昭恵氏の自宅に移転していた。政治団体も、国会議員の資金管理団体から「その他の政治団体」に変更されている。国会議員の関係政治団体は1万円を超える支出を収支報告書に記載する必要があるが、「その他の政治団体」は5万円以上の支出に限定され、資金の公開基準が緩やかになる。毎日新聞は晋和会に対し、資金移動の趣旨▽人件費の支払先▽今後の活動方針――などについて書面で質問を送ったが、24日夕までに回答はなかった。引退・死去した国会議員の政治団体や政治資金を親族に引き継ぐことについて、税制上の不公平さのほかに、世襲議員が資金面で有利になるとの指摘がある。 政治資金に詳しい岩井奉信・日本大名誉教授(政治学)は「昭恵氏は安倍氏の遺志を引き継いで政治活動を続ける可能性があるが、非課税の状態で資金を集約し、自由に使うのは私物化と言われても仕方ない。政治家個人の資産を親族などが引き継ぐならば、譲渡税や相続税を課すなど、何らかのルールが必要だ」と話した。【大場弘行、黒川晋史】