本澤二郎の日本の風景」(4934)

<父親の顔を知らない戦争遺児・関巌さんとK友子さんの知られざる運命に注目!>

この世に悪魔はいる。宗教のお面をかぶった人間や暴利を狙う死の商人もいる。したがって善良な人間は、悪魔と対決しなければ、人権を奪われ独裁者の戦争に巻き込まれてしまう。いい歳をしながらペンを放棄しない最大の理由は、人の命を守るために戦争を阻止することに尽きる。戦争勢力に水をかけて人殺しをさせないことであって、断固として屈するわけにはいかないのである。

歴史を知る日本人はすべて、護憲リベラルである。筆者が宏池会会長の宮澤喜一を支援した理由は、戦争抑止のためだった。「自民党派閥」(ぴいぷる社)を書いたのも、これの縁で訪米して「アメリカの大警告」(データハウス)、「平成の妖怪・大勲位 中曽根康弘」(健友館)、「中国の大警告」(データハウス)なども同じ理由だった。

一昨日、わが埴生の宿に訪ねてきた袖ヶ浦市選管委員長の御園豊さんが、君津郡市の市民運動家として最も尊敬を集め、活躍している関巌さんの木更津高校離任式での挨拶文を持参した。彼は父親の顔を知らずに生まれた。「木更津レイプ殺人事件」の被害者のK友子さんと同じ星の下に誕生したことを知って驚いた。


後者の加害者のやくざ浜名は、宗教の衣をまとって市民に姿を変え、政治力で厚労省から介護施設の認可を取ってデーサービス「かけはし」を経営、美人栄養士をバイトに使ってまんまと強姦性奴隷、ついには恐怖の脅しで突発性の大動脈りゅう破裂で非業の死に追い込んだ。しかし、千葉県警も木更津署も政治力に屈したらしく捜査をやめてしまった。


関さんは、目下袖ヶ浦市の水源地が日高金属の有毒汚染水とワコーエコテックという、やくざ系産廃業者によって埋設された約60万㎥の核放射能汚染ごみなどの原状回復を求める、同市の林・高谷地区の御園さんら住民とともに、厳しい戦いを繰り広げている信念の教育者でもある。「九条の会」のメンバーということは、筆者とは同志ということになる。


<天皇の教師として戦病死・硫黄島戦線で海の藻屑の悲運>

旧木更津には望陀農学校(のちに木更津高校と統合)が存在した。ちなみに筆者の住んでいるところは、上総の国望陀郡茅野村。そこで生まれた神童・松本英子は、日本人として初めて非戦論を唱えた女傑である。(「松本英子の生涯」(府馬清著・本名・松本英一)

彼女は日本人女性初のジャーナリストとして、戦前の政商・古川財閥の足尾銅山鉱毒事件を徹底して取材し、天皇の権力によって渡米を余儀なくされた。非戦論は9条誕生の20年前に提唱した。彼女の縁に触れ、医療事故死の次男正文の小さな顕彰碑を今年4月7日の命日に建立した。


関さんの父親は戦前の東京帝国大学を卒業し、望陀農学校で教壇に立っていたものの、二度の赤紙で最期は戦病死の悲運に生を奪われた。そのとき関さんは母親のおなかにいた。やくざ強姦事件によって非業の死を遂げたK友子さんの父親は、二度目の赤紙で硫黄島戦線に狩りだされて、途中で米軍用機によって輸送船が撃沈され、海の藻屑となった。

二人とも父親の顔も知らないままこの世に生まれた。友子さんの母親の生前の証言によると、何も入っていない木箱が届いたことに母子は「夫は必ず生きて帰る」と信じて、何度も木更津港の岸壁に立った。

暗くなって「友子帰ろう」と母親が幼子の手を引くと、娘は「おかあちゃん、まだ帰らない。お父ちゃんは帰る。まだ帰らない」と母親の袖を握って離さなかった。「岸壁の母子」の悲劇は、小説でも書けない。


<戦争未亡人の壮絶な戦後と遺児の教育にかけた崇高な生涯>

「父母の兄弟8人のうちで生き残ったのは母と叔母二人だけだった」という関さん。「母は夫、弟たち、実父と血のつながった人が全員亡くなり、母の悲しみは想像を超えるものがあった」のである。戦争の恐ろしさは、当事者にとって憎しみ切れるものではない。「父が死んだとき、母にはお腹の私と上に3人の子供がいた。その苦労はいかばかりか」と述懐する関さんの反戦思想はいい加減なものではない。


「授業の起立・礼が好きではない。強制的で軍隊みたいでいやだ」との訴えに馬来田中学校3年間、無知ゆえに起立・礼を連発してきた自分を恥じた。「父が天皇の名で殺されたので君が代が大嫌い。歌いたくない」と離任式で生徒たちを前に公言した関先生は、実に信念のある立派な教育者だった。


<やくざ浜名の強姦性奴隷殺人に沈黙する警察に怒り!>

K友子さんは、夫の故郷である秋田県本庄市で子育てを終えて、老いた母親の介護のため木更津市真里谷に戻った。栄養士として君津市の山の手病院で10年ほど働き、その後にやくざ浜名の介護施設「かけはし」(JR巌根駅近く)でアルバイトをしていて、まんまと浜名の罠にはまってしまい、水商売を強いられる。逃げ出そうとするや、連日の脅しに屈してしまった。入れ墨やくざによるドーカツに耐えられる女性はいない。


K友子さん殺害を取材していてやくざが跋扈する千葉県を知って、以来やくざ退治がこの国の前途に不可欠であることに気付いた。善良な千葉県人は同じ思いであろう。

袖ヶ浦市の水源地住民の話を聞いているうちに、なぜ警察が動かないのか、警察とやくざは仲間同士であることに気付かされて、開いた口が塞がらない昨今である。木更津市には入れ墨やくざ専門の風呂がある。ハマコーというやくざ代議士がいたし、その倅の靖一も父親のやくざ人脈を引き継いでいることを、先ごろ週刊文春がすっぱ抜いて話題を呼んでいる。防衛相更迭原因である。

不届きな千葉県警の信頼は、地に落ちたままである。警察庁や公安委員会の改革も不可欠だ。泉下の渡辺一太郎や秦野章が懐かしい。

 

<環境汚染のやくざ系産廃業者と対決する市民運動!>

地球は破壊されて久しい。北極圏の氷が溶けている。上昇する海水温度で陸地は水面に沈んでいる。

この環境汚染の犯人の悪魔は、やくざを操作して地球を破壊している。やくざの暴力で市民を抑え込んで沈黙させる。これは民主主義の根幹を破壊するものである。

やくざが跋扈する千葉県、君津郡市役人もやくざに追随していることも分かってきた。

他方、やくざに屈しない反骨の住民も声を上げてきている。関さんの仲間は少なくない。生きるためには、やくざの壁をぶち抜く必要があることも分かってきた。

いま君津市では、市議会議員選挙が繰り広げられている。やくざ系市議に対抗する動きもみられる。立憲民主党の関係者に勇気と正義の人材が集まり始めている。

課題は資金力と情報発信だ。自由民主主義の戦いは永遠に継続してゆく!

2023年9月24日記(反骨ジャーナリスト・政治評論家)


ソロモン諸島のソガバレ首相は、9月22日の国連総会の演説で、日本の処理水の海洋放出に「がくぜん」としていると述べ、ソロモン諸島にも影響があると警告。「この核廃水が安全なら、日本国内で保管すべきだ。海洋投棄したという事実が、安全ではないことを示している」と主張した。

https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/357072