黒田の円紙切れ政策阻止!<本澤二郎の「日本の風景」(4735)
<遅すぎた前日銀総裁・白川方明の現総裁大批判!それでも?>
確か半月前だった。自民党議員が衆院予算委で日銀の黒田東彦をほめちぎる質問をしていた。野党でさえも、真正面から異様な金融政策による物価急騰を批判しなかった。依然としてアベノミクスにひれ伏す永田町にうんざりしていたが、ここにきて様相に変化が出てきた。
金融政策の専門家である前日銀総裁・白川方明が、上品な言葉を駆使しながらも、最大級の黒田批判をしたからである。遅すぎた黒田批判に対しても違和感を抱く民衆は少なくない。「黒田を叩きのめすのが遅すぎる」は確かにそうだろう。
人びとは当たり前の金融政策で、海外旅行をしたり、おいしい食事が出来た。子ども食堂もずっと少なくて済んだ。黒田の犯罪的金融政策で、路頭に迷っている人々は多い。倒産した企業も少なくなかった。
それでも新聞テレビは批判しなかった。政府と電通の圧力に屈していたのだろう。ようやく黒田が辞める。その時になっての白川前総裁の批判!拍手ばかりは出来ない。民衆の偽らざる心境に違いない。
<10年の異次元緩和=国際競争力低下と物価高=それだけか>
この10年の日本経済は、落ち込んでばかりいた。「韓国にも負けた」といって悔しがる友人もいた。「日本は外国に国債を買ってもらっていない。いくらでも円を刷ればいい」という馬鹿者さえ現れた。山本太郎まで言っていると聞いて仰天してしまった。案の定、人気が落ちてしまった。
いまや国の借金は1000兆円を軽く超えた。50年、100年かけて返済していかねばならない。未来を生きる子供たちは悲劇であろう。「いや、返さなくていいのだ」という暴論が通用するわけもない。借りたら返す、当たり前のルールだ。
黒田は1万円札を刷りに刷りまくった。10年も、である。円は紙切れ同然へと羽が生えていく。「黒田よ、どう責任を取る気か」とまともな国民は怒り狂っている。「アベノミクス・安倍様の指示だから」と責任を転嫁できるのか。
日本の価値は3流国並みに落下した。国際競争力も低下した。上がりに上がったのは物価の高騰。ウクライナ・ロシアの戦争が原因ではない。円を紙切れにした罪ある金融政策のお陰である。
<円激安の物価高騰と株買いで経営陣は自社株買いでボーナス数億円>
エコノミストを信用するな。この深刻すぎる10年を、国民が納得するような解説をしなかった。円激安による物価の高騰を分かりやすく説明しなかった。黒田日銀が国債どころか、株式を買い支えるという、禁じられた手段を用いたことに対しても、それを黙認した。
円安効果は財閥に恩恵を与えた。これが黒田の狙いだった。国民生活を考えない特権者向けの金融政策によって、財閥の内部留保は500兆円かそれ以上に蓄積した。財閥経営陣の声は全く聞こえなくなった10年だ。お腹が膨らんでパンク寸前なのだから。政府にあれこれ言う必要がなかった。
しかも、株式までも買い支えてくれる。海外の投機筋を喜ばせた。ゼロ金利だから、タダで円を借りて株買いして大儲けできた。リスクがゼロの10年間だった。利益は財閥と海外の投機筋に流れた。
昔は聞いたことがなかった自社株買い?知らない日本人はまだ多い。日銀が株を大量に買い込んでくれるため、財閥経営陣は自社の株を買い込むと株が確実に上がる。自社株買いで株が上がると、ボーナスが出るのである。その金額が数億円、途方もない高収入が懐に入る。
4、5年も経営陣を歴任していると、もうそれだけで莫大な資産家になっている。彼らはリスクのある投資はしない。昼寝していても数億円が年収なのだ。貧者のために盗みを働く義賊が横行する時代なのか。
投資をしない財閥日本の競争力は著しく低下した。白川の指摘である。
白川は、黒田日銀の異次元金融緩和を「壮大な金融実験」と揶揄した。最大急の後輩への皮肉と批判である。日本人は黒田という人物によって、モルモットにされてきたのである。これ以上、ゆでガエルを継続していると、これからも命を奪われる市民が増えることになろう。
<後任の植田和男次期総裁にも衝撃!どうなる日本>
黒田の後任は、生きた経済が分からない学者馬鹿で、名誉と肩書欲しさの植田和男という。異次元緩和を継続すると議会で答弁している。
日本丸沈没政策をこれからも続けるというのである。
主権者である日本国民は、日本銀行の円紙切れ政策に敢然と怒りをぶつけ、これを食い止めなければならない。海外にも出られない。留学もできない。外食も出来ない。円は激安政策で紙切れになっている。阻止せよ!
2023年3月5日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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