朴貞花女史の靖国と統一教会<本澤二郎の「日本の風景」(4517)
<「日韓右翼は古くから太い腐敗パイプでつながっている」は常識>
右翼人脈は、広く国際的に結びついている。かつては左翼のコミンテルンもそうだったが、一見して強がりを見せる右翼は、内外の結びつきを利用して目的を果たそうとする。在日歌人・朴貞花さんに冒頭から指摘されてみて「なるほどそうか」と合点した。そういえばやくざも、である。やくざと政治屋の癒着も同じではないか。
日本には、公安委員会もあり、警察・検察も存在するが、まともに機能することがない。安倍事件で繰り返し証明された。それも当然なのだ。右翼は「自由と民主主義」を口にするが、実際はその真逆の行為をしがちだ。「連中は表向き喧嘩していても、裏ではつながっている」というのである。正解であろう。
統一教会・勝共連合と自民党右翼派閥(岸・児玉・笹川・福田・安倍の清和会人脈)は、いまや自民党政府を完全に乗っ取ってしまった、と理解すべきだろう。安倍国葬が裏付けている。
もちろん森喜朗や小泉純一郎ら岸・福田に心酔している面々もそうである。多少気になるのは、福田の息子の康夫とその息子の達夫はどうか。両者は統一教会問題で沈黙している。釈明を強く求めたい。沈黙を続けるようだと、やはり怪しいと見るべきだろう。
<思い出す岸信介と朴チョンヒ軍人大統領の地下鉄疑獄事件>
永田町に首を突っ込んだ頃にも、ソウル地下鉄疑獄事件が問題になっていた。平和軍縮派の宇都宮徳馬さんは、強く岸批判を強めていた。右翼と利権あさりはコインの表と裏の関係にある。
地下鉄疑獄は、日本側の岸と韓国側は、軍人大統領の朴チョンヒだった。右翼同士のつながりだから、当然なことなのだ。腐敗は右翼の真骨頂といえる。朴貞花さんの指摘が、ずばり当てはまる。
<文鮮明は優秀な若者を統一教会に=朝鮮のハン(恨み)を利用>
問題の文鮮明について尋ねると、文鮮明は優秀な若者を統一教会に引きずり込むことに長けていた。なるほどそうか、わかる。心霊とか祖先の霊がどうのこうのと、不幸な日本人女性を脅かしたぶらかせて金をすべて巻き上げる方程式は、彼らの仕業なのか。血も涙もないやくざと同類だろう。
キリスト教的な教えに反共をくっつけると、ワシントンの監視から逃れやすい。反共と平和を叫ぶと、大半の自民党議員も懐柔することが出来る。「文は頭がいい」とも。日本を裏切った岸にとって、文鮮明は使える武器だったのだろう。
「朝鮮人のハンには、仇討ちという日本的な文化はないが、文はそれをうまく利用して日本攻略を成功させた」という分析も頷くばかりだ。
ことによると、この文鮮明の手口を真似たカルト教団がオウム真理教ではなかったのか。麻原彰晃は教団の幹部にエリートを引き抜いて、信者を集めていた。創価学会もそうか。
<「山上容疑者の恨みに同情したい、母親はひどすぎると=宗教の恐怖>
山上家の財産をすべて呑み込んだ、あたかも吸血鬼そのものと断罪できる統一教会の金集めは、ほかのカルト教団の、たとえば創価学会のやり口以上かもしれない。巨万の富を蓄えた創価学会の金集めも尋常ではないが、統一教会の詐欺的集金作戦も驚きを禁じ得ない。被害者は沢山いる。事情を知る在日歌人は「3000万円の本は知らなかった」とか。
日本を標的とした金集め作戦に怒りを覚えてしまうが、その莫大な資金はソウル近郊の統一教会本部の宮殿のような建造物を、昨夜Youtubeで見学したが、確かに声も出ない。「36年間の植民地支配と慰安婦・徴用工問題のことを考えると当たり前」とのサタンの声が聞こえてくるようだが、そんな代表の韓鶴子は「政治と宗教を一つにしたい」と2019年秋の愛知県大会で公言している。
近代の法的原則である「政教分離」を廃止して、前近代の「政教一致」にするというのだ。統一教会と自公の一体化か、恐ろしいカルト教団であろうか。こんな犯罪カルトに取り込まれた安倍晋三以下の清和会と自民党に反吐が出る。
韓国のカルト教団は、日本制圧の最終戦争を「政教一致」の明治に引き戻し、そこから新たな侵略戦争の日本にしようと幻想を抱いているのか。
<新著「無窮花(日本名・木槿)の園」で靖国の不条理を厳しく追及>
今回在日歌人を本ブログに登場してもらった理由は、彼女が「朴貞花第二歌集」「無窮花の園」出版にあやかったものである。「朴貞花が告発・糾弾する日本近現代史」と謡っているように、日本の若者が国際社会に出ていく場合の、必須の条件である近現代史を学べるからだ。
日本侵略に率先して言論人として誘導加担した福沢諭吉研究の第一人者・安川寿之助さんも解説した日韓協力の、真っ当な近現代史として、より厚みを加えた貴重本でもある。出版社は花伝社。
筆者は誰もが逃げる第六章の靖国神社問題のページを真っ先にめくった。彼女の「靖国合祀」の一部を抜粋、合わせて彼の福沢論を紹介しようか。
連行し戦場に死なしめて妻子に知らせず靖国へ
生まれし日にアボジはすでに戦場に強制連行され行方を知らず
国奪いアボジを殺せし戦犯の靖国合祀を嘆き怒れる
繰り返し読むと、在日の南北の市民のいたたまれない悲劇が瞼に浮かぶ。この歌の後に安川さんの解説が出てくる。「民主主義の偉大な先駆者」という丸山眞男の福沢諭吉像をバッサリ。アジア蔑視観の福沢こそが、アジア侵略戦争の扇動者である史実を指摘し、その彼が国民を侵略戦争に駆り立て、悲惨無謀な戦闘で死ぬことを助長する、軍国主義的な靖国神社構想の立役者だった、と断罪する。福沢の言動を引用しながら靖国合祀によって「遺族は光栄に感泣して父兄の戦死を喜び」という幻想をまき散らしていたとは驚きだ。「一般国民は万一事あらば君国のために死を覚悟する」とも。戦争賛美の仕掛けが靖国神社の合祀なのだと世論誘導した福沢だった。
カルト教団は民衆の私財を奪いつくすことに徹しているが、神社神道は戦場で天皇のために死ぬことが名誉だと。そのための靖国神社、まさに国際社会で指摘される戦争神社そのものであろう。
つまるところ、靖国神社の本質は次の戦争に備えた「戦没兵士の顕彰施設」なのだ。安倍晋三や小泉純一郎、中曽根康弘らの靖国参拝の意図する狙いなのである。
このことからも政教分離の憲法の重みが伝わってくるだろう。日本の近現代史の事実を読み解ける貴重な本である。人間を狂わせる宗教に無関心でいられないだろう。
2022年7月27日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
<福岡市は健全な自治体!>
福岡市は25日、環境保全などに貢献し、顕著な功績があった個人・団体を表彰する「市環境行動賞」について、九州大の非公認サークル「九大CARP(カープ)」が宗教団体に当たるとみなし、表彰を取り消したと発表した。 (時事)
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