アメリカ大陰謀?<本澤二郎の「日本の風景」(4463)
<バイデン=これ以上ロシアを追い詰めない=東アジアに舵を切る!>
数日で決着がつく、と思い込んだロシア・プーチンのウクライナへの軍事侵攻は当てが外れた。2022年5月30日米国大統領のバイデンは「これ以上ロシアを追い詰めない」と宣言し、いち早く舵をヨーロッパから東アジアに切り替えた。その先頭にウクライナに代わって、日本を選んだとみたい。かつて米陰謀集団CIAが育んだ、反共ナショナリスト右翼勢力の活用である。
従来のアメリカ覇権超大国の手口は、米兵が自ら血を流すことで対応してきたが、繰り返し大敗を喫してきた。今後は戦前のロンドンの大英帝国の方針に切り替えた。
ロンドンの戦略は「アジア人同士で戦わせる」もので、今回アメリカはスラブ人同士の戦いをさせて、ヨーロッパでほぼ成功した。戦前の日本人が浮かれた日清日露の勝利は、背後の大英帝国の強力な支援の賜物であった。日本は近現代史で教えていない歴史の真実である。
現に敗戦後の日本支配を強固にするために、米占領政策は戦争犯罪者を擁立し、強引に政権に就かせて、日本を反共の砦とした。その血脈が今も安倍・清和会に流れている。ワシントンにとって、実に好都合な布陣といえるだろう。ワシントンの「死の商人」は東アジアに狙いを定めたといえよう。危機的な東アジアだ。日本は参院選後に改憲軍拡を本格化させるだろう。
<深追いしないワシントン=ロシアは大混乱=プーチン失墜>
モスクワとワシントンのホットラインは、デジタル時代の現在、当たり前のように機能しているだろう。極秘のプーチン・バイデンの会談が行われている。その核心は「モスクワの核」を封じ込めるための双方の密約だろう。その見返りが、バイデン発言につながったと推論できる。
プーチンの目論見は外れた。隣国のフィンランドなど北欧中立国がNATO軍事同盟入りを宣言し、これに目下、トルコのエルドアンがブレーキをかけているが、どうなるか。米国の最新鋭兵器のウクライナ投入も、裸の王様にとって予想外のことだった。ゼレンスキーがCIAの操り人形であることも、プーチンは気付かなかった。
深刻なことはロシア経済の破綻である。国内からプーチンNOの合唱が噴き出ている。いま戦争をやめても、ロシアの混乱は続くことになる。「プーチンを生かさず、殺さずが得策」がワシントンの判断か。
<米産軍複合体の最高の餌は東アジア利権>
戦争こそが空前の暴利を得る手段と考えるワシントンの産軍複合体・死の商人の標的は、人権侵害を大義とした中国介入である。「中国の習近平を台湾におびき寄せる作戦」は、二匹目のドジョウ狙いであろう。バイデンにとって幸いなことに、台北には北京が決して譲歩できない台湾独立派政府が存在している。日本では安倍晋三・岸信夫兄弟が、祖父の岸信介以来の悲願ともいえる台湾独立に、とことん入れ込んでいる。ワシントンの台湾ロビーは、イスラエルロビーに次ぐ勢力だ。
とうの昔から防衛省と在日米軍は、台湾有事のための布陣を敷いてきている。台湾有事を煽り立てる台北政府と日本の極右勢力、さらにはワシントンの台湾ロビーも派手な動きを見せて、北京をイラつかせている。
覇権大国の二匹目のドジョウ作戦で、まんまと北京をおびき寄せることに成功すれば、ワシントンは笑いが止まらない。その場合の先陣役に、日本を指名してきているとみたい。これに安倍同様に、外交音痴の岸田が乗ってしまうと、日本は100%破滅することになるのだが。
先月の日本初訪問時の記者会見で、バイデンは台湾有事に応戦するというきわどい発言をして、日本と台湾の右翼メディアを喜ばせた。具体化すると、沖縄県民どころか、54基の原発を保有する日本列島に人間が住めなくなる覚悟をしなければならない。こうした事態を回避する戦略が、日本政府に不可欠だが、目下の財閥傀儡政権は掉さして、改憲軍拡に狂奔していて危うい。
ワシントンの死の商人跋扈をどう阻止するのか。このことが日本政府と国民の深刻な課題であろう。杞憂とは言わせない。ワシントンが用意した中国封じの経済戦略は、事態を悪化させるばかりだ。日米豪印の4か国体制も危うい。中国は世界最大の消費市場である。日中友好は、アジアの平和と安定の基礎であることに変わりない。
<欧州ウクライナ・ゼレンスキーアジア版は日本の台湾派?>
日本と中国・南北朝鮮との関係は、ぬぐいがたいヒロヒトの侵略戦争の深い傷が、未だ癒えることなく存在している。1972年の国交正常化という日本外交の成果を無にしてはなるまい。米中対話と日本の橋渡しが基本だ。日米の資本家・財閥の犬でいいわけがない。
ウクライナのアジア版を断固として拒否したい。警鐘乱打しておきたい。
2022年6月3日記(東芝製品・サントリー不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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