正月返上で特措法<本澤二郎の「日本の風景」(3950)

<「働く内閣」を見せつける絶好機の菅・自公内閣だというのに?>

 電通五輪強行のために、経済優先のGoToトラベルやGoToイートに血道を上げ、例によって金持ちに血税投入という優遇策で、突っ走ってきた菅・自公内閣に対して、コロナが真正面から直撃した。それでもわからずに、あれこれ抵抗して、GoToの継続に躍起となった菅と自民党幹事長の二階をあざけるように、内閣支持率が急落、仕方なくに中止に踏み切ったが、既に遅かった。


 年末から正月にかけて、コロナ感染の勢いは止まらない。

 かくして、世論を納得させるべく、規制強化のための特別措置法の改正を決断した。それなら正月返上で、今直ちに国会審議すればいい。「仕事師・働く内閣」の真骨頂の見せ場ではないか。実際は、通常国会の開会を1月18日まで遅らせて、のんびりと正月休みをとるのだという。


 おかしい。ふざけるな、それならば、働く内閣の看板を降ろすしかない。


<高給肥満児で動きが鈍い3分の2議席の安倍、続く菅の自公内閣>

 年収150万円、200万円で生活している国民目線だと、この1年の安倍内閣、続く菅内閣の動きが、ともかく肝心なところで鈍い。鈍すぎる。


 さもありなん、彼らは国際的な高給肥満児なのだ。ぬるま湯につかることが大好きな国会議員である。すっかり庶民生活のことや、コロナのことや、深刻な金融バブルなど忘れ去ってしまっているのであろう。


 政権与党は、議席3分の2を占めて、相変わらず、それでもって国会対策を進めてきている。しかも国民目線のはずの野党が、解散恐怖症に落ち込んでしまって、政権を取るという姿勢さえ見せないものだから、余計傲慢な国会運営に走る。連中は、コロナ無縁の豪華な生活に大満足なのだ。


 現に、自民党の森山国対委員長などは、農協の理事会の進行並みに対応、それでいて何でも法案はスイスイ成立する。会期の延長や、臨時国会の会期など、政府好みに進行させて恥じない政治屋である。


 犯罪だらけの安倍内閣は、緊張感がなかったし、それは菅内閣になっても変わらない。スキャンダル追及に対しては、国会で嘘をつけば済む。あるいは、海外に逃げればいいだけのことだった。


 世論を動かす新聞テレビが、また輪をかけてのんびりして恥じない。日刊ゲンダイの政府与党追及は、外国特派員でも立派だと評価しているが、それ以外はことさらに地味である。時に東京新聞・朝日新聞が目立つ程度で、最近は新聞を読まない、NHKを見ていない市民でも、そんなに困ることはない。


 筆者に限らないだろうが、パソコン1台で世の中のことは、おおよそを掌握することが出来る。多方面からの電話情報もある。


 そういえば最近、政治不信という言葉の響きさえ感じられなくなっている。政治論だと、これは恐ろしい、実に恐ろしい悪政が社会に染みついてしまっている日本を裏付けていまいか。


<コロナ対策のもたもたぶりはもう許されない!>

 1日の国会運営費用は2億円。当人たちは高給で肥え太って、黒塗りの高級車を乗り回している。ワシントンの議員も近づけないほど優雅である。


 コロナに敗北したトランプを見ながらの、ハンドルさばきだから、国民に自粛を求めても、自身は会食・美食三昧に酔いしれている首相官邸と、隠れて遊んでいる?衆参議長、最高裁判事らの永田町周辺である。


 日本の権力は、司法立法行政の三権による、権力抑制機能の下にあることを、日本国憲法は厳しく求めている。主権者の期待もそこにある。


 現実はそうではない。よって善良な国民は、公務員罷免権を行使するしかない。官邸の都合による、選挙に任せておくわけにはいかなくなっている現在の日本である。そのことに気付き始めた善良な主権者が、いま徐々に台頭してきている。



<国会と政府は超高給に見合うだけの仕事を主権者に見せよ!>

 最近の国民の代表は、小選挙区制の弱点がひどく露見してしまって、石ころや悪がはびこっている。それが安倍の下で次々と爆発した。

 モリカケや山口TBS強姦魔事件だけではあるまい。事件記者であれば、すぐにでも数冊の本を書くことが出来るはずである。


 人は悪政というよりも、暴政だと断じている。確かにそうであろう。自殺者の増加、その特徴が女性の急増というのだから、誰だって心が痛む。弱い人間が、次々と倒れ、潰されている日本社会である。


 年収18万円の年金生活者からも、介護保険費用が強制的に徴収されているという、途方もない悪政を突き付けられた時は、わずかな年金生活者でさえも声が出ない。神社の賽銭箱から10円盗っても、国家神道復活のせいか、悪徳警察官が犯罪者として逮捕する安倍・菅内閣である。先日、NHKの昼の報道によると、このコロナ危機だというのに、どこかの神社の鳥居が建設されたと大きく報じていた。神社信仰でコロナを退治した、というありえない報道であれば、納得できるのだが?NHKにも神社神道の大蛇がとぐろを巻いているようで、不気味この上ない。


<中国を見習え!新年休みの国内旅行に数億人が殺到!>

 コロナ菌は、本当に大陸のコウモリなのか、それともアメリカの細菌研究機関から飛び出したものか。結論が出ていない。武漢以前に欧米では、コロナが流行していたことも分かってきている。731部隊が関係しているのかどうか?


 武漢での初期対応に大失敗した中国政府は、その後は、それこそ都市や地域の封鎖、封鎖で、今ではあの広大な大陸でコロナを、ほとんど退治したとされる。北京では、数例が発覚すると、そこの団地住民すべてを隔離して、コロナを追い払っていると聞く。


 そのせいだろうが、新年休日に数億人の人々が、国内旅行を楽しんでいる。その後がどうなのか、注目したい。日本では、その反対のGoToトラベルだったわけである。


 日本のコロナ対策は、どうみてもトランプのレベルである。


<伊勢神宮参拝中止は政教分離原則に即していいこと!>

 神社神道の震源地のような伊勢神宮参拝を、菅が取りやめたという。これは憲法の政教分離原則に照らして、正しい判断である。枝野もやめるという。コロナ効果である。神社にひれ伏す為政者の気が知れない。憲法に順ぜよ、である。


 公明党創価学会も、政教分離を貫徹する時である。21世紀における宗教弾圧は、想定できない。公明党との一体関係をなくせば、公明党は解体する。3分の2議席による暴政は無くなる。


 あの恐ろしい大戦の教訓が、国家神道の排除のはずだったが、財閥と共に復活、天皇制国家国家主義をひけらかして恥じない。反省謝罪をしない神社神道を信用できない。

 日本国憲法を信じたい、われ憲法ジャーナリストである。

 冒頭に戻ると、菅・自公内閣は、正月返上で特措法の改正をすべきである。

2020年12月30日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)