宗教無力証明<本澤二郎の「日本の風景」(3638)

<イタリアのローマ・カトリック炎上>

 新型コロナウイルスが地球で猛威を振るっている。こんな時の「神だのみ」のはずだが、現実は宗教の無力さを、ことごとく証明して余りある。外国通の指摘に、当方もハッとしてしまった。

 「人間の弱みに付け込む宗教であることを、改めて露呈・証明している」というのだ。先にローマ・カトリックの本山から、確か法王が日本にも訪問してたようだが、コロナ禍はイタリアでも大炎上、聖職者と言われているカトリック関係者も、たくさん死んでいる。これはどういうことなのか。

 「こんな時こそ宗教の出番ではないのか」という人々の願望は、むなしく空中を舞うばかりである。



<プロテスタントのアメリカ社会も>

 欧州での宗教戦争から逃れて建国された新大陸・アメリカは、プロテスタントの国であるが、ここでもコロナが爆発炎上している。

 トランプの強力な支援団体は、アメリカ最大の福音派だ。内実を知らないが、もはやトランプの再選は、起こりえない奇跡でも起きないと厳しい。


 アメリカ政治最大の影響力行使のグループは、ユダヤ・イスラエルである。トランプの中東政策を操っているが、コロナだけではなく、インフルエンザでさえも、おそらく2万人近い人々が無念の生涯を終えている。

 


<イスラム教社会も打つ手なし>

 目を転じて、イスラム教の国々もまた、同様にコロナの悲劇を受けている。中でもイランは深刻である。


 大事なイスラムの宗教儀式も取りやめて、コロナ嵐が通過するのを、じっとこらえている有様である。

 

<安倍の伊勢参り・枝野の出雲大社参拝も効果なし>

 20201月の天皇や安倍晋三は、神風信仰のメッカ・伊勢神宮を参拝した。安倍はここでサミットまで強行、世界のリーダーたちを伊勢参りまでさせていた。さぞや神風が吹くはずだったが、安倍の政権延命戦略である7月東京五輪さえも、コロナに押しつぶされてしまった。


 安倍の神社信仰の本山である神社本庁では、聖職者の不倫事件などでコロナ退治ごころではないらしい。


 他方、野党第一党の枝野は、昨年は伊勢、今年は出雲大社で政権獲得を祈願したようだが、一向にその芽は出てくれない。犯罪内閣を目の前にして、102兆円の超大型・軍拡予算をスイスイと成立させてしまった。



<公明党創価学会の信濃町はゴーストタウン>

 安倍・犯罪内閣の一翼を担っている公明党創価学会もまた、コロナには無力さを露呈している。


 この特異な宗教政党の本陣は、新宿区の信濃町である。一帯を買い占めた資金力に圧倒するばかりだが、それでいて海外に秘密の口座を保有し、莫大な資金を隠している、として国税庁も注目しているようだ。


 この信濃町がゴーストタウンだと、一部の週刊誌が報道した。事情通が確認して、わざわざ連絡してきた。

 祈りで退治するどころではない、というのだ。


 日本の仏教界はどうか?なにも報道されていないようだ。要は、民族・人類の悲劇を救済するはずの宗教は、沈黙して無力であることを、天下にさらけ出していることになる。



<信教の自由と人間幸福とは何なのか>

 それでも、人間は宗教にこだわりを見せる。人々がなにがしかの救いを求めて、人工の紙や像の前に集い、両手を合わせる。原始の時代から、人間精神は変わっていない。


 先端の科学技術に参画している人間でさえも、中には信仰を支えにして生きているらしい。人間は弱い。弱すぎる。そこから宗教に手を出すのだろうが、宗教に人々を救済する力は絶無?


 北京で偶然、出会った元人民解放軍兵士は、外見、体は大きく頑強そのものである。それでいてクリスチャンを名乗っていた。理由を聞くと、仲間をつくるため、といった。人間は一人では生きられない。仲間が欲しい、と。ただそれだけだった。確かに生きるための知恵として、理屈ではある。

 世界の憲法は、信仰する自由、信仰しない自由を保障している。対して宗教は、人間の幸福を約束しているのだが、現実にその威力はあるのか?ない!

 とはいえ、信仰者同士の交流で、世の中の厳しさに、多少なりともお互い支えあうことで、なにがしかの勇気を与えるかもしれない。


 そういえば、安倍の周囲には、神社信仰の仲間同士で固まっていて、第三者を寄せ付けない。そこから、平気で嘘や違法行為をしているのだろう。



<戦争の根源に宗教対立は歴史が証明>

 宗教の恐怖というと、それは歴史が証明してることだが、戦争と関係している点である。人々の幸福を破壊する戦争に、宗教が関与する。国家は、宗教を利用することで、戦争体制を構築する。さらに、宗教的対立を利用して戦争を強行する。


 すべての戦争には、宗教戦争の側面が存在する。感染力の強いコロナウイルスの猛威が、そんな宗教をあぶりだしている!

2020年3月28日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)