暗黒賭博大負け<本澤二郎の「日本の風景」(3624)

<年金基金すでに数十兆円の大損か>

 パンデミック大不況は、1929年の大恐慌を連想させる。まだ五輪にこだわる安倍・自公内閣は、そのために新型コロナウイルス対策を放置してきたに等しい。結果、観光地を中心に、列島全域に感染が拡大して、国民の命を奪っている。企業活動も大きく落ち込んでいる。


 コロナは昨年の12月からだから、もう4か月近く、政府は事実上、疫病に蓋をしてやり過ごそうとしてきたところへ、コロナ爆弾が本格的に投下されたようなものだ。一人一人の日本国民にとって、唯一の生きるためのなけなしの年金基金を、株博打に投入してきたわけだから、安倍一党の責任は万死に値する。


 アベノミクス賭博の大損に打ちひしがれた日本国民の前途は、まさに暗黒(安黒)そのものである。


<お先真っ暗な日本人の老後>

 国民の生命財産を守るべき日本政府が、その実、国民の生命財産を奪って大博打に手を出して、このざまである。


 思い出すと、1990年の中曽根バブル崩壊も、国家主義・破憲の政権の下で表面化した。今回は安倍・国粋主義の下で、それが破裂したことになる。

 どうなるのか、どうすべきなのか、誰もわからない。いつもながらの嘘八百を並べ立てるエコノミストも、浮足立っている。


 うろたえたトランプは、昨日、安倍に電話をしてきた。金集めに狂奔してきたわけだから、予想するに「心臓、武器弾薬の支払いは大丈夫か」ではなかったか。くしくもトランプの生き残り作戦の金は、5兆円ほどで、日本の安倍・超軍拡予算分に相当する。

 国民の老後人生を奪ってしまった、安倍のツケは天文学的であろう。


<入りを測りて出を制す、の上杉鷹山はいるか>


 来年は、間違いなくGDPは大幅なマイナス成長である。プラス成長を前提にしてきた103兆円予算は、大きく組み替えるしかない。麻生の財務省にまともな財政家はいないだろうが、このことも考えるだけで、泣けてくる。


 「入りを測りて出を制す」という上杉鷹山は、どこかにいるだろうか。日本国破綻に追い込んだかもしれない、安倍と麻生の政治責任もまた大きい。

 「無知無恥無能」の政権の恐怖を、今ほど経験したことはないだろう。

 改憲の2019年危機を乗り越えて、安堵したのもつかぬ間に過ぎなかった。今後の5年、10年先、いわんや100年先の日本人の老後がどうなるのか。安倍と黒田らを擁した自公政権が、再び100年安全の年金政策をほざいても、もはや国民を騙せるはずがない。


<1000兆円借金大国に打つ手なし>

 日本の借金は、先進国の中で、とびぬけて多く、それは天文学的である。1000兆円どころではない。

 一部の専門家は、日本の資産はしっかりしている、と宣伝して恥じない。政府を援護して、パニックに陥らないようにしているが、もう誰も信用していない。


 目下、中東のオイルマネーが、持ち株を売り切ろうと懸命だ。投げ売り状態だ。売った円をドルに替えるため、ドルが高くなって円は安くなってしまう。


 国家破綻寸前か、破綻しているような日本では、もはや打ち出の小槌はない。軍事費をゼロにしても、追いつかない年金基金の大損失である。日本株式の60%も保有している黒田・日銀の、博打の金融政策も、完全に破綻してしまった。日銀の破綻でもある。


<「安倍・黒田を公開処刑に」の叫びも>

 ネット情報の中には、すさまじい怒りの叫びが届いてきている。

 いわく「安倍と黒田を公開処刑にしろ」と。冗談ではなく、本気で訴えている。


 毎夜、官房機密費で飲み食いしてきた晋三の懐は、相当膨らんでいるだろうが、それでも1兆円は届かないだろう。黒田はどうか。

 二人だけではない。仮に革命騒ぎが起こることはないが、起きれば自公維全員の資産を吐き出させることになるかもしれないが、それでも数十兆円に届かないだろう。


 警鐘乱打に聞く耳を持たない安倍・自公政権も、ついに行くところまで来たしまったようだ。せめて、せめて稲田検察の正義の快刀乱麻を見物したい。

2020年3月14日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)