山尾志桜里は政治家<本澤二郎の「日本の風景」(3623)

<信念を貫いた見事な議会人らしい政治行動>

 ご存知、新型インフルエンザ等特別措置法が存在している。必要であれば、コロナウイルスにも適用ができる。そのための「等」である。死に体の安倍・自公は、それを拒絶して、わざわざコロナを付け加えての安倍・緊急事態宣言騒動は、本日3月13日の参院で、そそくさと成立すると報じられている。


 問題の本質は、欧米ジャーナリストが指摘するストロング・ナショナリスト(国粋主義者)の下での強権発動法に対して、国権の最高機関である議会の関与がないに等しい点である。ヒトラーまがいの手口を許すわけにはいかない、というのが国民の立場である。(本文敬称略)


 この流れに抗して、立憲民主党の山尾志桜里は、威風堂々、衆院本会議場で反対した。立派である。見直した。彼女は文句なしの政治家である。政治家とは、信念を貫く議会人のことである。

 政治屋が跋扈して久しいこの7年間だった。しかし、一人現れてくれた。



<女性の特性を100%生かした正義と勇気に感銘>

 男性の議会人の多くは、政治屋である。金と票で簡単に動く。悪党がこの世から消えない理由である。

 きれいごとを並べ立てて国民を欺いてきた公明党は、とっくの昔に「毒饅頭党」という新たな冠をつけた、と世上ささやかれている。戦争三法、カジノ法と今回の安倍の一存での強権発動法案に賛成、推進役を担っていて、薄気味悪い政党を内外に知らしめている。


 女性は、その点で生まれつき健全である。むろん、与党の女性議員に評価できる者は一人もいないが、昨日の安倍・強権発動法案において、立憲の山尾が、政治家としての信念を貫いた。


 正義と勇気を立派に行動で示してくれた。恩師・宇都宮徳馬はよく「信念のない議会人ばかりだ」とこぼしていた。今回の山尾を、彼も喜んでいるはずだ。


<伊藤詩織との交流を期待したい、21世紀の女性指導者>

 少しばかり横道に入るが、正義と勇気の人というと、近年ではTBS山口強姦魔にレイプされた伊藤詩織であろう。彼女の勇気は、タダごとではなかった。

 筆者が追及して止まない「木更津レイプ殺人事件」の被害者のKT子は、やくざ浜名によるドーカツ殺人の数日前になって、初めて「浜名はやくざ」と明かしたが、殺害されるまで強姦・性奴隷の事実を、警察に打ち明けようとはしなかった。誰にも公表せず、自ら秘密にしてしまった。勇気がなかったのだ。殺害されるまで110番通報をしなかったという、まさに悲劇の女として人生を終えた。


 これの徹底取材で判明したことは、強姦事件を公開する勇気ある女性は、ほとんどいないということが判明して、またまた衝撃を受けてしまった。

 確か弁護士に強姦された女性の夫が、犯人の性器を切り取った事件があったが、当然の報いであろう。強姦は、女性の人権・人格すべてを奪うことである。

刑法と刑訴法の大改正が急務である。


 伊藤と山尾の出会いを進言したい。21世紀に自立する女性、レイプ文化返上の日本にする使命を帯びていると信じたい。山尾の存在は、とてつもなく大きいのである。



<枝野ー福山ー安住ラインの臭いが鼻につく>

 対して今の立憲民主党の執行部は、党名にはるかに劣る。日本国憲法を本気で守ろうとしているのか、はなはだ疑わしい。山尾の強い抗議にも耳を傾けなかった。


 枝野は胡散臭い人物との風評は聞いていたが、今回のことで納得できた。枝野はまともな政治家ではない。政治屋に堕してしまっている。福山もそろって安住レベルである。

 「安住は、自民党の森山の毒気に当てられている」という分析は正しい。「3人からの悪臭が強い」というのである。


 ともあれ、野党第一党のトップら3役がそろって、死に体政権に塩を送るという無様な国会運営は、これまで見たことも聞いたこともない。失格だ。安倍独裁を救済するような政党はいらない。


 国民民主党も右ナラエというものだから、国民の期待は太郎と共産党だけである。消費税O%国家にしないと、国民生活は破綻するだけだ。山尾の健闘を祈りたい!

2020年3月13日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)