2・23の安倍首相<本澤二郎の「日本の風景」(3604)

<国際社会はいい加減な疫病対策に厳しい目>

 昨日の米CNNは、米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長の新型肺炎についての、専門家らしい厳しい予測をトップで報道した。彼は、インタビューに答え「日本、韓国をみると、これが多数になると、後の祭りになる」と衝撃的な見通しを述べた。


 世界的流行をパンデミックと呼んでいるが、現在はその瀬戸際というのだ。筆者は、昨日は「嵐の前」と表現したが、安倍のお気に入りの厚労省の責任者は、失態を繰り返して意気消沈としている。


 お気に入り・忠誠を尽くすような、変質した官僚体制では、適切な対応はとれない。ましてや「五輪を傷つけるな」という厳しい枠をはめているものだから、動きは鈍いし、ミクロ的な対策に終始、その間に列島に拡大してしまった。隠れている感染者はかなり多い。


<日本、韓国レベルの国が多数になると、もうお手上げ>

 深刻なデフレ経済下、財閥向けの株対策に専念してきたものの、いまや財閥が喜ぶ円安に落ち込んだいる。だが、これも恐怖だ。恐ろしい物価高が襲い掛かることになる。庶民いじめの10%消費税で窒息するほかない。


 韓国でもウオンが下がっている。日本は、そこに10%大増税だから、消費は致命的な打撃を受けることになる。


 日本経済は窒息寸前である。


<宮中では贅を尽くした宴会騒ぎ、北朝鮮は金正日誕生会中止>

 この日、心臓は21世紀の尊皇派の第一人者として、宮中での贅を尽くした宴会に出席した。映像でチラと様子を見たが、この時期の特権層の賑わいをだれが喜んでいるだろうか。


 神社本庁のごく一部の面々でしかない。しかし、こうした豪華な行事の背後には、無数の職員、労働者が働いている。新型肺炎ゼロと言い切れるのかどうか。感染力抜群で、潜伏期間が長いのだ。


 現に安倍番記者が感染、隔離されていると聞く。官邸内部にも感染者が出ている可能性が高い。

 北朝鮮では、金正日誕生会まで中止した。


<国民は660億円のつまびらかな開示を要求>


 下衆の勘繰りではないが、国民は昨年の660億円の天皇交代劇の巨額の費用のことと、その使い道についての関心が強い。


 この日に招かれた特権層に入れ墨やくざはいないか、詐欺師が紛れ込んでいないか。数百人の身体検査の詳細が知りたい。まさか安倍の仲間たちだけなのかどうか。議会で明らかにする義務がある。

 第一義的には、宮内庁の義務である。


<ようやく腰を上げたが、専門家の声が見えない厚労省>

 「せっかく宮中に来たついでに、何か用事はないかね」「コロナ対策をしてはどうですか」といったような気分だったのかもしれない。


 官邸日記によると、午後249分からおよそ30分、役人を集めた。324分に打ち切ると、約15分の休憩をしたあと、全閣僚を集合させた。

 「口うるさい麻生のいない間に」なのかどうか、この日は小泉、萩生田、森の欠格大臣も出たという。


 大事な感染症対策本部で激論が交わされた?などということは、この内閣では想定もできない。340分から、わずか17分でおしまい。かねて役人が用意した原稿を棒読み、その場面のみを、映像と録音をさせておしまい。本物の専門家の姿も声もなしだ。



 せめてマスクや医療用消毒剤を各家庭に配布するだけでもいい。金はない?そんなことはない、660億円を流用すればいい。それだけのことである。


 あとは人込みを作らないようにする。祭り騒ぎを止めさせる。それだけで、劇的な感染を防ぐことが出来るだろう。


 五輪返上はやむなし、自業自得なのだから。この国の前途は、なに一つとっても、宮中で浮かれている状況にはない。尊皇派が皇室を崩壊させている?違うだろうか。

2020年2月24日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)