遅い北京秋天!?<本澤二郎の「日本の風景」(3509)
<市内の工場移転の成果>
11月27日の北京は、久しぶりに見た真っ青な空に気分爽快である。狭い住宅の北西向きの窓から、北方と西側の連峰がくっきりと姿を見せていた。北京秋天が舞い戻ってきたように感じた。
前夜、空港から乗ったタクシー運転手の話では、北京市内の公害工場を全て追い出した成果だと。空港近くの路上で、乗用車が列を作って並んでいたが、これは地方ナンバー車の追い出しチェックというのである。
数年前から、農村など地方から上京してきた出稼ぎ者を、追い出していることは聞いていたが、地方の金持ちが運転する車も、というのであろうか。ということは、北京を国際都市として、公害のない美しい都市にするという当局の悲願なのであろう。
ただし、一部の市民は、出稼ぎ農民による、割安ビジネス市場が無くなってしまったことから、他方で、物価高が押し寄せる中で、相当な不満があるという。
日本でも、経済の深刻さもまた、構造的な不況下、なかなかインフレを呼び寄せようとしても、困難な状況にある。そこへと10%消費税だからたまらない。財閥の500兆円前後の莫大な資金は、新たな投資先もなく眠っている?国は税収60兆円に100兆円予算をずっと編成しているため、毎年40兆円の借金で首が回らない。やってることは、国民の資産である年金基金と、日本銀行の株買い占めで、株価を操作しているだけで、実体経済は沈下している。アベノミクスの正体は、財閥向けで、全体としての日本経済は、破滅への道をまっしぐらだ。
11月26日の羽田発日航25便B767は、珍しく空席が目立った。
空港国際線免税品店に賑わいは見られなかったし、ブランド店をのぞく人影さえなかったほどだ。質素倹約を当たり前のように実践している日本人の目にも、不況風を感じさせた。意外なことに、物価安の韓国便がにぎわっていた。
話題を変える。日航のサービスはいい。今回は機内食もおいしかったので、ワインを2本もいただいた。箸やフォーク類の、やや贅沢なセットを見ていて、田中角栄首相の東南アジア歴訪時の様子を思い出してしまった。当時は政府専用機などなかった。政府は、日航と全日空を交互に借り切って飛んでいた。その時の日航機内食のセットを思い出したのだが、その点で今の首相の、専用機を独占しての贅沢三昧と、中国封じ込めのための60兆円もの血税バラマキには、心の底から怒りが込み上げてくる。
専門家は、アベノミクスのバブルが、はじけたときのことを、すでに悲劇的に分析している。知らぬは国民ばかりだ。経済も外交も零点以下、加えて平和憲法をぶち壊して、戦争国家にすることだけしか考えていない国粋主義政権にお手上げ状態.のままでいいのだろうか。
<少なくなってきた中国訪問客はトランプの悪しき実績>
北京空港が大混雑しているため、北京行きの各便はかなり遅れて飛び立っていた。世界大不況下の中で頑張っている中国の強みは、14億人の巨大な消費市場のお陰であるが、空港の混雑ぶりはそのためであろう。
確かに北京空港周辺道路は、車で埋まっていた。不況を感じさせないほどであるが、最近は米トランプ政権の覇権を絡めた貿易戦争で、不況を口にする北京市民は少なくない。
一方、中国封じ込めに失敗した安倍・自公・日本会議の政権は、最近になって軌道を大修正した。安倍の改憲懐柔作戦がその理由だが、もう一つの理由は、アベノミクス失敗を埋め合わせるためのである。
ともあれ、日本経済もトランプの、常軌を逸した米中貿易戦争の影響を受けている。しかし、米国の言論界は健在である。野党民主党も健在だから、トランプ攻勢も強まっている。資金力ではトランプに屈しないブルームバーグが民主党の大統領候補に名乗りを上げた。サンダースのようなリベラル派を副大統領候補にすれば、1年後のワシントンはトランプを蹴散らしているだろう。
<95歳の義母が「今朝木の枝にカラスが」と再会喜ぶ>
しばらく留守にしていた関係で、狭すぎる留守宅は、水道が止まっていて閉口したが、何とか遅い一夜を過ごし、翌日義母のところへ行った。
料理自慢の義弟が餃子で歓迎、乾杯してくれた。建国70年に勲章をつけた95歳の功労者は、北京五輪公園で車いすを利用しながらも、矍鑠としている写真を日本に送ってきていたが、再会時、期待にたがわず、寝台に横になっていたが、明らかに元気だった。
「けさ窓の外にカラスが止まったので、今日来ると予感していた」と少女時代に覚えていた、たどたどしい日本語で、遠来の娘婿に黄金の笑顔を見せつけてくれた。
日本は果物が高い。こちらの懐を察しているらしく「リンゴを食べたか」と心配されてしまったのには閉口した。日中庶民格差である。彼女は、むろん、千葉県や関東東北の台風被害を、テレビで見ていてよく知っていた。
<12月1日にネット開設。不思議?送信作業中に2ページ分が消えてしまった。記録されている分だけブログ送信>
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