本澤二郎の「日本の風景」(5691)
<医療費暴騰で家計深刻>
10月30日の韓国でのトランプ・習近平の米中首脳会談は、想定された以上に両者は歩み寄り、しっかりと成果を収めた。経済的に追い込まれている両雄は、傷をなめあって握手したものか。帰国につく機内でトランプは「すばらしかった」「10点満点中12点だ」と成果を強調したほどである。米中対立を願うような日本の極右政府と右傾化した言論界が期待した「台湾問題」は、議題にもならなかった。
さてと中国人の家庭の悩みに触れる。それは、ずばり大病の治療費・薬代。
もう10数年前に聞いたことだが、家庭の中にがん患者が出ると、家庭が崩壊するというものだった。日本でもそうだった。55歳の時、次男が風邪で入院した際、東大医学部OB医師が「ガン」と診断した。それを聞いた筆者は「家計破綻」を覚悟して青くなった。
結果は医師の重大な誤診。命拾いしたが、誤診は患者を不治の植物人間にした。しかも、帝京大学病院(市原市)は医療事故を認めようとしなかった。同じ病院の善良な医師が真相を明かしてくれたので、なんとかケリをつけることが出来た。
病院での医療事故死は、いたるところで起きている。問題は関係医師や病院が事実を認めない点にある。次男は2010年4月7日に誤嚥性肺炎診断で、東京・品川区の東芝経営の病院に緊急入院したが、数時間後に命を奪われた。明白な窒息死。担当看護師が100分も個室に放置していて、タンがのどに詰まっての明白な事故死だったが、いま現在も反省も謝罪もしない。
東芝は原子炉や武器弾薬を製造する悪徳財閥企業である。どうしてそうなのか!東芝製品は311フクシマ東電原発3号機の製造メーカーだ。核爆発し、多くの市民の命を奪っているが、いまだに真実を隠している。当時の首相の菅直人と官房長官の枝野幸男は怪しい。彼らと東芝の関係が知りたい。恐ろしい反社会的悪徳企業で知られる東芝はいらない。
我が家から東芝製品が消えて当然である。刑事告訴したが、東芝の政治力によって排除された。正義が反映されない交通事故が、いま木更津市の法廷で繰り広げられていることが、新たに発覚している。日本も問題山積だ。
<増加する保険適用なしの漢方薬>
今回の北京散見で、中国の重大深刻な問題が、医療に集約されていることを再確認することが出来た。物価高の食料は節約して、なんとかやり過ごすことが出来るが、病気はそうもいかない。
日本に比べると不十分な保険では対応できないのだ。「保険のきかない高額すぎる薬と診察費」に人民は泣かされている。
日本の西洋医学もアテにならないが、一部で期待されている漢方薬・漢方治療についても最近は、中国でも懸念されている。中国革命で伝統文化の漢方も軽視され、いうところの名医も排除されたという。結果、数千年の伝統と治療技術がすたれてしまった。
大学では漢方と西洋医学双方を教えていると聞くが、名医がいるのかどうか。さらに問題は、薬草生産である。農薬を使用しているらしい。
そして「名医」が推奨する多くの漢方薬は「保険がきかない」という、患者殺しの風潮が、昨今問題になっている。「暴騰する漢方薬」によって、数万円から数十万円を毎月支払うと、たちまち預金は底をつく。家計・家庭破綻が待ち受けている。
<国も地方も財政危機>
国が衰退する、経済が落ち込む場面の為政者の対応は、真っ先に武器弾薬を捨てる。これが為政者の当然すぎる手段だが、現実は逆だ。経済危機において武器弾薬に特化すると、事態はますます悪化する。愚かな高市や小泉は、大軍拡の前倒しをすると公言して、武器弾薬株を高騰させ、その株式に手を出す政治屋・官僚・言論界の「今だけカネだけ自分だけ」の腐敗勢力は、聞く耳をもたない。
物価の番人の日本銀行が、率先して物価を高騰させて10数年になるが、いまの植田という悪党も円安路線を改めようとはしない。
不動産バブルで経済を動かしてきた中国の財政は悪化している。国も地方も銀行も金がない。貧すれば鈍する。医療の分野も腐敗して、保険のきかない薬と高額治療で人民の生活を苦境に貶めている。
中国で大病になる外国人は、直ちに帰国を余儀なくされるという。
腐敗は官僚・軍・医療にも及んで、人民を苦境に貶めている。そのことを今回は身近に見てきた。
<がん患者は一家破綻>
要するに現在の中国でがんなど大病になると、それで家族の人生は破壊される。
なんとしても武器弾薬から軍縮へと移行させないと、国滅ぶことになる。これは今の日本もアメリカもそうである。米国の財政危機もドルの時代の終わりの始まりを象徴している。
トランプは「米国の武器弾薬を買え」と今回のアジア訪問で叫び、日本と韓国が応じた。日韓とも亡国へと突っ込んだのだが、おろかな日本国民と国会は認識していないから驚く。
ガンなど大病の治療費で家庭が崩壊する中国を、筆者は10数年前から聞いているが、いまはさらにそれが深刻になってきている。
<病気にならない環境・食事に大金賭ける人々>
中国人は一時、南の海南島に押し掛けた。自然と海の幸にあこがれた。その後に雲南省など僻地に移転するものも。北京を離れる風潮は今も続く。海外ではシンガポールに金持ちが。いま空白地の香港にも、そして一部の金持ちは、東京の高層ビルから北海道にも足を延ばしている。大金持ちはじっとしていない。
居残り組は病気にかからない環境の良い場所や、健康にいい食事、運動も心掛ける。
マンション内の小さな運動器具の設置や庭内の樹木化は、日本を超えている。
6年ぶりの北京の変化の一つは、大型犬のペットが姿を消していたことだ。
日本では見られない誰でも乗れる小型の電動バイクが、駒鼠のように音もなく走り回って、中国経済を支えていたことも変化の一つだった。
2025年10月31日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)