本澤二郎の「日本の風景」(5541)
<恐ろしい日航の暴利航空券=怒りの告発>
日航は日本を代表する航空機会社。一度はバブル経済に浮かれて失墜、全日空と交代したのだが、コロナ禍を経て再び世界一の値段の高い航空機になっていた。知らないで、日航の羽田ー北京チケットを依頼され、軽い気持ちで引き受けて大失敗。二度と日本航空に乗るまいと誓った。
日航は民間の航空会社のはずだ。それでも乗客に対する親切さ・サービスが欠落している。倒産前の殿様商法に戻って、京セラの稲森方式は、すっかり影を潜めていた。
<庶民・高齢者に縁がない高額運賃>
一度倒産して再建を果たす過程では、無理すれば庶民も利用できる航空会社になって、わが知り合いは日航を利用するようになった。「中国機より安全」という神話が独り歩きしていたのだろう。
筆者も何度か利用した。お上のような傲慢無礼な態度も、高額運賃も姿を消した。よかったとの思いがあったのだが、武漢コロナの騒動の場面で、急遽、滞在していた北京を離れたのだが、日程変更した途端、料金が急変した。武漢からの帰国者はタダだったが、その分を北京やその他で横取りしていたのだろう。
昨年知り合いが日航を利用した時の様子を聞くと、4万円程度だった料金が7万円近く跳ね上がっていた。中国経済の転落に比例して下がると感じていた友人は、大いに困惑したという。
今回はその倍額である。
<会員カードも使用不能=村上総務相秘書も仰天>
昨今の航空会社は利用客にあの手この手で、他の航空会社に逃げられないように会員カードを作らせて、繰り返し利用するように仕向けている。日航はマイレージ会員カードで、いわば羽交い絞めにする。したがって航空券予約も、会員カードに従って進行するのだが、ここに大きな溝を作る。
ネットを知らない老人は分からないが、このカードを使用して航空券を購入する際、会員番号とパスワードを記入するのだが、これが必ずはじかれるようになっている。ログインできないのだ。何度試しても駄目。やむなく日航の問い合わせセンターに電話すると「現在使われていない」というNTTの録音。これも何度試してもつながらない。このことで2日ほど時間を取られた。
しびれを切らして、自民党唯一の善良な国会議員である村上誠一郎の国会事務所に電話した。よく知るH秘書に事情を説明して、なんとしても日航関係者をつかまえて、事情を訴えてほしいと依頼する。H秘書は村上事務所の全てを知る有能な実力秘書。現在は知らないが、大臣秘書官を務めた実力者でもある。
大臣秘書なら日航社員はすぐにつかまえるだろうと思っていたが、これも外れた。結局、旅行専門のHISから日航のチケットを取るしかなかった。結果はどうか、5,6万円と信じていたのだが、なんと13万3000円である。
<目の玉が飛び出る羽田ー北京が詐欺値段の13万3000円>
庶民には、目の玉が飛び出るくらいの高額運賃だ。貧乏人はうろたえてしまった。その後に村上事務所のH 秘書から「ようやく連絡が取れた」という電話が鳴った。
「マイレージ会員カード利用について、特別にこっそりとお知らせしたい、という返事が来た」という。思わせぶりな日航の対応である。既に5月31日出発の航空券を購入したと返事して、その値段を伝えると「エッ」と声を上げた。「そんなに高いんですか」「もう二度と日航には乗らない」と口走ってしまった。
<アベノミクス円安で飛行機に乗れない日本人>
貧乏人は2000円のコメが4000円になったと怒り狂っている。世界一高給取りの国会議員を代表して、不倫党の党首が「家畜の餌だ」と非難したが、彼は日本国民が家畜レベルに転落したことに気付いていなかった。日本の政治屋はタダ券で日航を乗り回している。羽田ー北京の14万円弱についても理解不能に違いない。それにしても日航の、新たな暴利体質で、この不況下を乗り切れるのであろうか。年金生活者には無縁だ。
日航のハワイ旅行10月1日出発便は20万9000円から42万7000円。庶民にははるかに、はるかに遠い値段だ。
2025年5月31日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)