本澤二郎の「日本の風景」(5391)
<法の観念を破壊する憲法敵視=独裁的政府与党と右翼言論>
「貧乏人は麦飯を」と国会答弁した蔵相の池田勇人は、首相に就任すると、毎朝庭に出て太陽に向かって両手を合わせた。秘書の木村貢の話である。統治することへの怖れか、真摯に国民に向き合った政治家だった。首相就任初日、官房長官の大平正芳は「今日から料亭・ゴルフは厳禁」と先輩を諭した。
およそ「国際情勢がどうのこうの」と屁理屈を並べ立てて「改憲軍拡」で財閥の跋扈を許す舵取りなど無縁だった。国民の所得倍増計画は見事に達成した。1945年以降の日本政治は、今考えてみても100点に近いものだった。
1972年に池田の後継者となった大平は、田中角栄内閣を誕生させて、悲願の日中国交正常化を実現した。当時、大平ブレーンの安田正治(京都新聞OB)は、新米の政治記者に向かって「うちには児玉や笹川のような右翼暴力団はいない」と胸を張った。その意味することを現在、房総半島で仙人暮らしをしていて理解できる。
やくざ暴力団が跋扈する千葉県に反吐が出る。中国語の「無法無天」の日本をくっきりと見せてくれる。
法の観念を否定し、改憲軍拡の銅鑼を当たり前のように叩き、それを当然のように活字や映像で報道する言論!これこそが危険すぎる戦前回帰なのである。
<右翼暴力で国体護持(天皇制国家主義)の異様な日本>
国家権力は国民が存在して初めて成り立つもので、その根源は国民にある。主権在民は近代法の大原則だ。したがって独裁はありえない。独裁志向の右翼は、周辺に暴力装置を用意する。戦前の満州国支配を経験したA級戦犯内閣は、右翼のドンを侍らせて靖国や天皇制国家主義の継承に努力した。
足らざる部分をワシントンの産軍体制との癒着(日米安保)に賭けた。これにメスを入れようとした鳩山由紀夫内閣は、普天間問題に絡めて悪しき言論につぶされる。
外国の軍事基地に委ねる国は、北朝鮮でも考えられない愚挙であろうが、このことに日本共産党まで主張をやめて国民の支持を失った。二本足で歩こうとしないいびつな国家の法治の観念は、ズタズタにされている。それでもゆでガエル国民は認識さえしない。
改革や革新を嫌う国民性は、戦後の保守的な教育に決定的な影響を受けてきている。政治を知らない若者の選挙権を18歳にした理由である。なるようにしかならない自暴自棄の日本丸!法を踏み潰すやくざ暴力団が跋扈する日本列島の縮図が、房総半島なのだ。
善良な日本人が、家宝の日本刀を金庫から出して、それを枕にして休むという千葉県君津郡市の現実に衝撃を受けてしまう。
<日本国憲法は世界最高峰の基本法>
ベトナム戦争に韓国兵は引きずり出され、大問題を抱えてしまったが、日本の自衛隊員は安穏なもので災害出動のみで過ごしてきた。したがって能登半島地震においては、20万余の隊員が現地入りし、スコップやブルを使えば1か月もかからないで復興できたが、そうしなかった。
「戦争準備で忙しかった」「いや米軍の許可をもらえなかった」などと防衛省は、屁理屈を並べ立てているのだろうか。「安倍自民党と太田・山口公明党創価学会が、戦争法制を強行したせいだ」との言い分には説得力がある。
宗教は怖い。本当に怖い。理屈抜きに怖い。神道カルトと創価カルトに、自衛隊が翻弄されてしまったのか。能登の被害に深く関与している。戦争の根っこには、宗教カルトが存在している。ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルのパレスチナ残虐にも。日本国憲法はそれを排除するために、政教分離の大原則を明文化している。
日本国憲法が国民の安心安全の根源なのだ。
<自衛隊も米軍の戦場に狩り出される違憲違法な法律廃止へ>
防衛大学校をご存知か。国から金をもらいながら、卒業すると自衛隊の幹部職員になれる。これほど恵まれた学校も珍しい。しかも、安倍と太田らが戦争法制を強行するまでは、戦争することもない安全な職場だった。自公のお陰で、自衛隊も戦場に狩り出され、戦前のヒロヒトに代わって米軍の指揮を受ける。
ありがたいことに、山梨県の勇気ある有志が違憲裁判を始めてくれた。良心的な最高裁判事によって違憲判断がなされる?夢かもしれないが、この非常時に目を覚ます判事が誕生するかもしれない?
国際刑事裁判所の赤羽智子所長が「法は人間生活において最後の安全網」と語っている。彼女を参考人にしてみてはどうか。
2024年12月31日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)
国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン主任検察官は5月20日、イスラエルとハマスの衝突(特集を参照)を巡り、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアフ・ギャラント国防相、ガザ地区のハマス指導者のヤヒヤ・シンワル氏、ハマス軍事部門のムハンマド・ディアブ氏、ハマス最高指導者のイスマイル・ハニヤ氏の計5人に対して逮捕状を請求すると発表した。
国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)(www.icc-cpi.int)は独立した、常設の裁判所で、国際社会全体の関心事であるもっとも重大な犯罪、すなわち集団殺害犯罪、人道に対する罪、戦争犯罪に問われる個人を訴追する。また、2017年に締約国が行う決定によっては、侵略犯罪に対しても管轄権を持つことになる。刑事裁判所は、1998年7月17日、ローマで開かれた全権大使会議で採択された「国際刑事裁判所ローマ規程」(https://www.icc-cpi.int/)によって設立された。ローマ規程は2002年7月1日に発効した。2016年11月現在、締約国は124カ国である。
国際刑事裁判所(ICC)赤根智子 所長(TBS)「“法”っていうのは人間生活の中で最後のセーフティーネットみたいなもの。法律家が陥りやすい間違いっていうのは法律家が何でも仕切っていると思い込むことです。そうではなくて一番底辺の、一番弱い人たちを最後に救うものが“法”であるべき出し、そうなっているべき…。ICCはそのためにあるんだ、と…」
ツネを排してカーター100歳に学ぼう!ノーベル平和賞の受賞者で、アメリカの大統領経験者として史上最高齢だったジミー・カーター元大統領が、南部ジョージア州の自宅で亡くなりました。100歳でした。非政府組織のカーター・センターの発表によりますと、カーター氏は29日、ジョージア州の自宅で、家族に見守られながら亡くなりました。死因は明らかにされていません。第39代大統領のカーター氏は、在任中、エジプトとイスラエルの和平合意「キャンプデービッド合意」を仲介したほか中国との国交正常化を実現させました。大統領退任後の1984年には大統領経験者としては初めて被爆地・広島を訪問し、2002年には国際紛争の平和的解決が評価されノーベル平和賞を受賞しました。