本澤二郎の「日本の風景」(4881)
<野党大攻勢の好機到来=木原事件とマイナンバー首輪43兆円>
もの凄い熱波に地球が焼け焦げている。地球が悲鳴を上げているというのに北半球の一角で陣地争奪戦争を起こし、超大国同士が角突き合わせている。北極も南極の氷も溶けて人の住み家を沈没させているというのに、特権層・死の商人の野望は尽きない。
目を日本界に転じると、野党は久しく縁がなかった「真夏の夜の夢」が現実化する好機を迎えている。岸田首相の参謀・改憲軍拡の作戦本部長の木原誠二の、身内がらみの殺人もみ消し事件が発覚した。Youtube動画やネットで大炎上している。うろたえる木原もみじめったらしいが、銀座豪遊の自業自得か、岸田内閣崩壊の兆しもみえる。
炎は国会での国政調査権行使で、燎原の火のように列島を覆いつくすだろう。それだけではない。43兆円戦争準備に合わせたマイナンバーという、全国民に首輪をかける自民党防衛族の赤紙作戦。国民の自由を拘束する、露骨すぎる人権侵害に人びとは怯えている。おまけが「産めよ増やせよ」作戦に女性もイラついている。
野党攻勢如何で、国民の9割近くが反自公になるだろう。自民党は最悪の政治環境だ。野党一本化で政権交代も可能だろう。無党派層が目を覚ます政治材料でもある。
<小沢一郎の党利排除した野党一本化で自公維撃破>
いち早く行動を起こした小沢一郎の最後の戦いとなる。組織の共産党と立憲民主党有志を束ね、社民と山本太郎の破壊力でもって、木原事件・マイナ首輪人権侵害問題・43兆円戦争準備作戦を撃破するのである。
野党一本化作戦を、各戸チラシ配布や関係全議員の駅頭その他の街頭演説会を、全国津々浦々で連日、執拗に実施することで、無党派層を掘り起こしてゆく。無党派層を投票所に向かわせることが出来れば、ほぼ100%近い確率で自公体制、ないしは自公維体制を押しつぶせるだろう。
夢ではない!立て、立て!毒の熱気を吹き飛ばせ!
<二階・菅どうした!木原事件の真相明かせ>
昨日、初めて木原事件関連で、捜査を担当した佐藤誠元警部補の記者会見を、途中まで見た。彼は現場の捜査官としての意地を見せてくれた。露木という警察庁長官の「自殺」という大嘘発言に怒りの記者会見をしたのである。その勇気に乾杯したい。
「自殺の証拠はない」と断言して、露木に反論した。「内部告発は公務員の義務であって責任は問われない」との意気込みを感じさせた。
世上、警察員の違法行為は、やくざと癒着する日本警察、特に千葉県警・木更津署に目立っていることに辟易していた矢先だったので、元刑事の勇気ある真相発言に感動してしまった。「佐藤誠を国会に出してはどうか」との声が聞こえてきそうである。
佐藤発言の中で、彼が捜査中「上司から木原誠二の任意の取り調べについて、幹事長の二階がやれと言ってくれている」という事実も打ち明けた。これはすごい発言内容である。
木原スキャンダルが、自民党幹事長の耳に入っていたのだ。しかも、二階は「取り調べに応じろ」とおそらく警視庁捜査1課長側に伝えていた。ということは、官房長官の菅義偉も、当時の首相・安倍晋三も承知していたことになろう。当然、この事件は派閥の大将である岸田文雄の耳にも届いていた。
岸田はその危険人物を内閣の要に据えた!「人のうわさも75日」と考えていたのか。軽率すぎる人事だ。
<取り調べにランク付けは法の精神から許されない=木原事件の謎>
佐藤証言に「やくざのような人物は即座に逮捕できるが、天皇など地位のあるものはそうもいかない」というような趣旨もあった。ここは問題だ。首相だろうが、最高裁判事であろうが、国会議長であろうが、事件性のある疑惑捜査に差別は許されない。そのおかげで木原は免れたものか。
警察教育に問題がある。法は何人に対しても平等でなければならない。結局のところ、木原は取り調べを受けなかった。ロッキード事件では、元首相の田中角栄が逮捕された。五輪疑惑で元首相の森喜朗も取り調べを受けている。なぜ木原は取り調べを受けなかったのか。
まだ、この事件には謎がある。この文春の事件報道は、他の特ダネ記事に比べて抜きんでている。国政調査権の出番だ。政権交代の可能性が間違いなく生まれてきている。
2023年7月31日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)