2023年05月

本澤二郎の「日本の風景」(4816)

<安倍回顧録に元家庭教師の平沢勝栄が公正さに疑問>

 もう過去の話になった「安倍回顧録」?安倍晋三の頭のてっぺんから足底まで知る家庭教師の平沢勝栄が、月刊タイムス(2023年6月号)のインタビューで表向きは持ち上げながらも、バッサリと酷評している。多くの国民は史上最低の首相として評価していない。岸田文雄の国葬強行に対して統一教会や日本会議を除くと大反対だったことが、まだ記憶に新しい。筆者は回顧録取材の面々が安倍の仲間であるという事実や、本人が政界きっての嘘つきだという事情、はたまた大事な森友・加計事件やプーチン会談の真相を回避している点などから「読むに値しない」と認識している。女性記者との関係も父親に似ていて「品性」がない。


 安倍内閣が誕生したころ、自民党の名門派閥・宏池会の事務局長を長く歴任した木村貢が「政治家の品性」(徳間書店)を出版した。安倍に対する警鐘だったが、いまや「ミイラ取りがミイラになった岸田文雄」に国民の多くが嘆きながら批判している。


 父親が認めるほど「不出来な晋三」の頭部を、遠慮せずに叩きながら家庭教師として頑張った平沢が、教え子をどう採点するか、興味深い会見記事に目を通すとよいかもしれない。家庭教師として「納得しない」の連発からすると、例によって真実を捻じ曲げた、およそ歴史に耐えられるような代物ではないと断罪している。筆者の家庭教師発言の理解である。


<言外に「ナベツネ一家のヨイショ本では歴史に耐えられない」とも指摘>

 言論人・反骨のジャーナリストの視点では「なにゆえの長期政権だったのか」を理解できない日本人は多くいる。結果的に判断を誤る。言論界が真っ当であれば、すなわち民主主義が確立していれば、安倍の長期政権はなかった。ありえなかったと結論できる。

 小選挙区制も災いの元だった。自民党に言論の自由がなくなってしまったことが大きい。しかも公共放送NHKが、政府の広報に徹した。国民もまた言論の自由・知る権利を奪われてしまった。犯人はナベツネ一家だと断罪したい。朝日・毎日さえも、ナベツネ化新聞に堕して、あたかも歌を忘れたカナリアになってしまった。すなわち国民も国会も、日本国憲法が政府に求めた「知る権利」を奪われてしまい、ただ浮き草のような状態に追い込まれてしまった。

 インターネットでさえも言論の自由を奪われてしまっている。それが現在も継続している。非戦の憲法にもかかわらず、安倍の改憲軍拡路線は強行され、それにまともな批判さえもできない言論界であった。

 電通とナベツネ言論がいまも続いている。そして「安倍回顧録」もまたナベツネ一家によって実現した作品である。平沢が「物足りない」と柔らかいがズバリ本質を突いた評価をしたことを評価したい。


<父親・晋太郎から「厳しく」の注文に三角定規などで頭部をぴしゃり>

 安倍家の長男を非難する関係者はいない。しかし、晋太郎に食らいついた記者は、晋三の出来の悪さに嘆く父親を記憶している。

 平沢は口にしないが、晋太郎は「厳しく頼む」と家庭教師に再三頼んだはずだ。そうでなければ、三角定規などを使って頭部を叩くことなど考えられない。よほどのことが想像される。

 筆者も家庭教師の経験がある。「ボロは着てても心は錦」の貧乏学生だったため、夕刻に出た食事が有難かった。品川区の幼稚園の次男坊は良くできる真面目な子供だったが、母親の配慮であろう、生まれて初めてマグロの刺身を食べた。というわけではないが、教え子の頭を叩くことなど想定も出来なかった。

 大田区の町工場経営の長男は、やんちゃな子供だったが、それでも日大工学部を卒業し、会社を大きくしたと老いた母親が感謝しながら語っていた。

 二人とも晋三のような子供ではなかった。


晋太郎は「東大無試験入学よ」と盟友の竹下登が明かした!>

 会社の先輩に田中角栄秘書の早坂茂三がいたお陰なのか、田中派では自由に取材することが出来た。在京政治部長会の料亭での竹下派の宴会で、首相を辞めた直後の竹下登と隣り合わせた。

 「海部俊樹を後継者に選んだ理由」を尋ねると、彼は「海部の演説は(早稲田の)雄弁会と違う。(中央大学の)辞達学会だから本物だよ」と。関連して「安倍ちゃんは東大に無試験で入ったのさ」とも軽口をたたいた。


 東大に無試験?とは驚いた。敗戦の混乱期でも一部の恵まれた子弟には、恵まれた秘密の窓口が存在していたのだろうか。


<ライバル田中龍夫事務所では「晋ちゃんはアメリカで麻薬を学んだ」と>

 晋三は短期間、アメリカに留学しているが、その時に韓国のKCIAの世話になったとされる。晋太郎のライバルだった田中龍夫は、福田赳夫の側近中の側近で知られた人物。田中事務所の金庫番は「晋ちゃんはアメリカで麻薬を覚えて帰国した」と明かした。平沢勝栄のぴしゃりは効果がなかったのだ。清和会秘書会の幹部が以前、晋三を「小僧」と呼んでいたことも納得できる。もうこれだけで回顧録の値打ちはないだろう。

 加計孝太郎事件発覚で、二人が一緒に留学していた当時の写真がネットに流れた。「加計は岸の息子」との指摘も浮上した。

 100%修身の人ではなかったし、いわんや斉家に程遠かった。「治国平天下」とは無縁だった。日本丸の船底に大きな穴をあけて逝った。昭恵も女として苦労したはずだ。彼女の「回顧録」評価も聞いてみたい。平和と民主主義を愛する日本国民の敵という評価を下したい。

2023年5月26日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)


本澤二郎の「日本の風景」(4815)

<上総の国望陀郡茅野村から隣接・林村庄屋を襲った放射能!>

 ここ数日、暇を見ては桃の実に袋をかぶせている。風で大分落下したが、それでもまだ残っているので、奇跡を信じての作業だ。運よく数個でも大きくなれば、最高の気分に浸れるだろう。そんな時、電話が鳴った。「自宅のツツジが見事な花を咲かせている。見てはどうか」という御園邸からの誘いに二つ返事で応じた。せっかくの機会なので数人連れて出かけた。

 場所は、問題の放射能汚染現場近くの袖ヶ浦市林地区。9年ほど前から汚染廃棄物や放射能汚染ゴミなど50万、60万㎥を埋め込んで、その上に太陽光で蓋をかけるという恐ろしい、なんとも恐ろしい悪魔の産廃業者と、加えて日高金属という埼玉県に本社のある中国人経営の悪辣な企業から垂れ流される有毒汚染水で、水源地の河川や地下水も汚染してしまった。それを放置してきた千葉県と袖ヶ浦市の責任は万死に値する。


 渓流の松川もカニや魚が生きられなくなって久しい。深山幽谷から命名した正に桃源郷のような幽谷地区も、人が安全に生きるための心臓部を破壊してしまった。地区の住民がここ2,3年の間にがん患者が次々と出て、住民は恐れおののき、初めて事態の深刻さに目を覚ました。だが、ウグイスなどの小鳥は今も気付いていない。色も臭いもしない放射能の危険を察知できないのだ。

 しかし、天命なのか?林地区の住民の一人が市役所の放射能測定機を借りて、問題の盛土でも測定してみると、高い放射能を発見した!有毒汚染水を水質検査すると、こちらも厳しい結果が出た。人びとは驚愕し、うろたえて袖ケ浦市役所に駆け込んだのだが。人殺しさえもいとわないやくざ企業は、既に自治体を巻き込んでいた!


 思うに木更津市茅野は、江戸時代は上総の国望陀郡茅野村、何度も紹介しているが、非戦論を初めてこの世に提唱した松本英子の生まれ故郷だ。林地区は同林村。隣り合っている温暖な幕府直轄地域・天領である。後者は一帯の水田を潤す水源地。そこが崩壊するような事態に追い込まれていた。


 現在は、君津郡市を流れる小櫃川にも注ぐ水道水の水源の一つである。30万人の水道水が危険な事態に追い込まれている。飲み水厳禁であろう。既に森田健作というタレント知事の時代に、君津市の水源地にもフクシマの放射能ゴミ1万トン以上が投棄され、法廷闘争にもなっている。林地区の放射能ゴミも森田時代である。「タレントとやくざ」は昔から。やくざが跋扈する房総半島の産廃・土建業者が、東北の膨大すぎる復興利権にまとわりついた悪魔のビジネスの実績だったのか。その可能性が大きい。


 御園邸の見事なツツジも、小鳥と同じく放射能知らずに美しく咲き誇っていた。ここが初めて林村の庄屋であることを教えられ、なるほどと頷いてしまった。庭園だけでなく、昔風の資産家の二つの棟の中は、まるで博物館のようだ。その部屋の一角には、元文相の砂田重民が国会近くのTBR事務所で使用していた黒檀の机も。夫人が若いころ秘書として仕えていた関係である。侵略戦争時の興味深い話もここには眠っている。


 この問題が発覚して以降、御園家の防犯システムは完璧。アリ一匹も逃さないほどで、まるで要塞化?している。やくざなど寄りつけない。そういえば、筆者が勤務していた東京タイムズ鴨川通信部の吉田正司さんは、二人の息子を千葉県警の警察官にした。地元のやくざ代議士とのトラブルに備えていたのだ。筆者のハマコー批判記事に彼は感動したものだが、御園家の次男も警視庁で出世、最後は関東管区の責任者になっている。危機に備えた教えも興味深い。


 房総半島で生き延びるには、やくざとの対決に備えなければ、安全を確保できないのだ。インターネット掲示板には「千葉県に住むな」という投稿も見られるほどだ。政治に手を突っ込んだ人物の多くは、やくざと仲良しになるか、常に逃げ回るか。「木更津レイプ殺人事件」で学んだばかりの筆者である。


<木更津市の産廃業者・ワコーは君津市県議にも大金献金が発覚!>

 朝日新聞のT記者が、御園邸にお土産を持参していた。それは新たに浮かび上がっている問題のある県議の政治資金収支報告書。社会部記者にとって、政治資金の収支報告書は事件の山を意味するものだが、政治記者はピンとこないのが悔しい。初めて見たのだが、政党の支部などは選挙管理委員会に報告義務を負っているため、それらは現在ネットで自由に見ることが出来る。


 そこに件のワコーエコテックの石井俊也名義で大金(令和元年50万円、同2年200万円)を高額献金していた。ワコーの暴走と政治献金に因果関係が見て取れる。このほかにもあろう。産廃業者と政治屋の怪しい関係の全てではないが、一部を掴むことが出来た。


<仰天!フクシマ利権で御殿を建てた元丸暴刑事Kはいま娘の旦那の芸人細川にも御殿建設中=巨額脱税を指摘する声も>

 元千葉県警の丸暴担当だったKが、その後にやくざと連携しながら暴利をむさぼっていく様子の一部を既に明らかにした。警察とやくざ暴力団は身内同士だということを「木更津レイプ殺人事件」の取材でもしっかりと理解していたものだから、驚きながらも頷いてしまった。

 やくざの金儲けは女性を強姦し、性奴隷にしたあと性ビジネスを強要する。それだけではない。彼らはカネが動く世界を政治屋を通して察知し、莫大な金儲けの手段にしてしまう。警察回りの社会部記者を出し抜いて、日々奮戦して暴利を懐に入れている。

 「Kはフクシマ利権を活用して地元君津市にフクシマ御殿を建てた。娘の市議が芸人の細川にぶら下がるや、彼にも豪邸を建てている」(君津市の住民)ことは、今や誰もが知っている。

 「Kは家の管理に4、5人の外国人を雇っている。外の管理を男に、家の中を女にさせている。民間人が家の管理にこれほどの外国人を雇っている日本人がほかにいるだろうか。異例ではないか」(同)と、驚きというよりもあきれ返っているという。

 一介の丸暴担当刑事の羽振りの良さは、今では日本でも随一と見られている。国税庁の調査を求める市民は少なくない。


<水田三喜男・池田淳・水野清の下で政治を学んだ御園豊の悲壮な決意>

 悪辣な政治屋・やくざ業者・腐敗役人と対決して、一歩もひるまない御園豊元国会議員公設第一秘書。本人から詳しく聞いてみると、元大蔵大臣を長く務めた水田三喜男、ついで後継者の千葉県出納長だった池田淳、さらに水野清に仕えて政治の勉強をしてきた。水田は平和軍縮派の宇都宮徳馬の盟友で、旧制水戸校時代は恵まれた体力から、陸軍大将の息子である宇都宮の護衛をしていた。宇都宮は京都帝国大学時代に天皇制批判をして豚箱に入った勇者だ。

 水田の後継者の池田も、続く水野も護憲リベラルの宏池会所属の代議士だった。御園本人も県議選に挑戦したことがあるが、いかんせん幽谷の人口が少なくて失敗したが、元庄屋の子孫として目の前の放射能や松川の汚染に沈黙するわけにはいかない。「原状回復して元の桃源郷にする」と固い決意を披歴している。30万市民と東京湾汚染阻止も実現すると意気軒高である。

2023年5月25日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

(毎日)松野博一官房長官は24日の記者会見で、日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(茨城県)が原子力規制委員会の審査を事実上通過したことについて、「早期の運転再開が期待される。運転を通じた技術、人材の維持・強化を図っていくことが重要だ」と述べた。

韓国のフクシマ放射能猛毒トリチウム海洋投棄問題視察団

日本政府と東電は、ALPS処理水について今春から夏頃の海洋放出を目指している。岸田文雄首相は今月7日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との首脳会談で、「韓国国内で懸念の声が大きいことをよく理解しており、理解を深める観点から視察団を受け入れる」と伝え、異例といえる視察団受け入れに合意していた。

本澤二郎の「日本の風景」(4814)

<日韓の右翼財閥政権の軍事連携よそに民衆は「平和の少女像」建立へ>

 隣人と仲良くすることはいいことであるが、ある目的で、たとえば反共軍事同盟的野心実現のためのものだと、状況がわ変化すると壊れる、元の木阿弥に戻ってしまう。ここ数か月の日韓右翼政権の反共軍事連携の危うさが見て取れる。その証拠は、日韓社会の分断が証明している。

 民衆レベルの本物の「和解」ではない。純粋に民衆レベルの「和解」というと、平和のシンボル「平和の少女像」の建立の動きに注目したい。

 日韓の喉に突き刺さったトゲの最たるものは、従軍慰安婦問題と強制労働問題である。ここをすっきりとさせない限り、両国の36年間の植民地支配から抜け出すことはほぼ不可能である。東アジアの安定は危うい。

 日本の植民地支配は、あれこれ口実を作っては強行し、日韓併合の植民地支配は、言葉にならないほど悪辣なものだった。「気の毒」で済む話ではない。アメリカの後押しで実現した戦後の日韓基本条約も、かなりいい加減すぎた政治外交的な、ためにする決着だった。ボタンの掛け違いもあったが、村山富市内閣の決断で事態は解消したかに見えたが、極右の安倍晋三内閣が振り出しに戻してしまった。

 田中―大平連合で歴史的決着を見た日中正常化もまた、安倍内閣がぶち壊してしまった。右翼片肺内閣では、過去の悲劇過ぎる負の遺産を処理できないことが分かる。今回の韓国政府の大きな譲歩は、資本の判断さえも突き崩すという途方もない政治的手口である。日本財閥の反省と謝罪を抜きに強行したため、政権が中道左派に移行すると、再び元に戻る可能性がある。


 そこには、二匹の「ワシントンのポチ」を仲良くさせて、アジアの反共基地の再構築を測ろうとする、米国バイデン政権の東アジア軍事戦略が存在する不条理なもので、永続性は低い。


<注目の像建設に福沢研究の安川寿之輔、在日歌人の朴貞花ら決起>

 こうした背景のもとで、民衆レベルの真の日韓の和解に向けた計画が動き出した。「平和の少女像」の建立である。従軍慰安婦という身の毛もよだつようなヒロヒト日本侵略軍の慰安として、まるで動物のように狩り出された無数の悲劇の少女たちを象徴する「平和の少女像」は、まさに歴史の真実として真っ先に加害国に設置されるべきだと考える日本人が少なくない。日本人を覚醒させる和解のシンボルである。


 思うに外国を侵略し、植民地にすることに貢献した人物というと、その象徴的な言論人は福沢諭吉。福沢研究の第一人者である名古屋大学名誉教授の安川寿之助さんや、「無窮花の園」を出版した在日歌人・朴貞花さんら四人が声を上げた。すでに建立準備会も開催した。


<均衡欠く財閥の反省謝罪抜きの米日韓のアジア分断に危うさ>

 侵略と植民地支配による恩恵を受ける輩は、いうまでもなく血も涙もない財閥である。財閥が政府や軍を動かす元凶であることを不問にしてはならない。その悪辣さは今も変わらない。現在を「新しい戦前」と指摘する向きもあるが、実際は「古い戦前」に回帰しているといえよう。

 戦争には宗教がからむ。戦前の国家神道は今の神社本庁。そして教育も。戦前の教育勅語に取り付いていた安倍晋三夫妻が森友事件の主犯だということを、事件発覚で国民は気付いた。

 国家神道も財閥も過ちを反省しない。謝罪もしない。あらゆる手段でやり過ごす。それに貢献したのが韓国の尹政権である。従軍慰安婦問題に絡む事件や裁判は、財閥と神社本庁靖国派日本会議が連携して、真実を報道する言論人を追い詰める。電通を使って言論の自由を奪い去っている。


 それにしても韓国司法の最高裁判決さえも反故にする日本財閥が、今後とも日本の政治外交を危険な航海に狩り出していく。その防波堤の一つが「平和の少女像」の建立計画と理解できる。


<慰安婦・徴用工問題の解消は「心からの反省謝罪」が不可欠>

 日韓のトゲは、財閥や国家神道の本気の反省と謝罪を抜きにして、抜くことは出来ない。筆者は次男を東芝経営の東芝病院で失ったが、10年経っても反省も謝罪もない。

 同じことが慰安婦問題と強制労働・徴用工問題である。改めて財閥研究さえも存在しない日本に驚愕するばかりである。したがって、財閥の不条理を追及し、反省と謝罪をさせることが問題解決の鍵を握っている。財閥製品に対する不買運動や軍事費削減が決め手の一つだろうことを、この機会に指摘しておきたい。


<東京のど真ん中に建立することが和解の第一歩>

 建立する場所についての参考意見を披露したい。ヒロヒトの牙城である皇居がいい。霞が関の日比谷公園や国会議事堂や、それにヒロシマやナガサキにも。G7サミット報道でも判明したが、原爆投下の原因について誰も口にしない。


 上総の国望陀郡茅野村(現在の千葉県木更津市茅野)にも。ここは初めての女性ジャーナリストとして足尾鉱毒事件の真実を報道し、政府の弾圧を受けるやアメリカの地で、史上初めて非戦論を提唱した松本英子女史の故郷だ。今も彼女の実家には、小さな墓地が存在する。


 戦後の憲法9条が誕生する20年前に、彼女はよく思考して非戦論をアメリカの教会や邦字新聞で展開していた日本最高の言論人、平和主義者だった。漢学とキリスト学を体得した聡明な平和主義者である。松本英子研究が不可欠だということも指摘しておきたい。歴史を忘れることに長けている日本人ゆえに、像はいくつも市民の募金などで設置してほしいものである。

2023年5月24日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

本澤二郎の「日本の風景」(4813)

<平和(原爆資料館)を呑み込んだ「神の国」靖国派(厳島神社)>

 借金して大金をかけたG7ヒロシマ首脳会議は、誰が誰のために仕組んだ国際会議だったのか。一人浮かれていた岸田文雄は、非戦の国の宰相としてどうだったのか。新聞テレビは「原爆資料館を公開もしないで案内した」ことを大宣伝していたが、何か具体的ないい成果はあったのか。


 結局のところ、本心から喜びを隠そうとしなかった人物は、ウクライナのゼレンスキー大統領だった。どうしてか?最新式の高価な武器弾薬を各国から無償提供するとの約束を取り付けただけではなく、地球規模でロシアの侵略戦争を宣伝した。ゼレンスキーを秘かに平和の地に呼び寄せた岸田を、ロシア叩きのワシントンの主を喜ばせていた。


 ロシア・ウクライナ戦争を、今後さらに悪化させる材料をNATO諸国が提供したこと、それにアメリカのポチが狂奔し、悪しき成果を収めた。日本はロシアが瓦解しない限り、核兵器大国に公然と敵対したことになる。中国もまた、岸田・日本会議の手口に怒り狂った。在北京の日本大使をぼろくそに非難した。また政経分離のフランスやドイツとの格差を印象付け、世界最大の消費国との関係悪化をつくり上げてしまった。


 誰も指摘しないが、日本の隠れた勝者は、岸信介や笹川良一が育んだ「神の国」清和会だ。日本会議は狂喜している。沈黙は金を口にした御仁は、清和会生みの親の福田赳夫である。「神の国」を公言した森喜朗ら神道政治連盟の原始カルト教信者。作戦は全て日本会議・靖国派。戦争神社の一翼を担った、宮島の厳島神社を舞台に繰り広げられた。安倍晋三の伊勢神宮サミットの二番煎じだ。新しい戦前ではなく、古い戦前がヒロシマで平和を駆逐して、戦争が抑え込んだ一番となった。歴史を知らないG7各国の首脳の愚かさが背景にあった。


<さらなる軍拡競争に警鐘を鳴らした国連事務総長>

 一人警鐘を鳴らした人物がいた。国連事務総長のグティエレスだった。「軍拡競争を許せない」と会見で精一杯、警鐘を鳴らして抵抗した。彼の正論をNHKは報道しなかった。

 プーチンを追い詰め過ぎると、必ず核のボタンを押すことになる。その原因を岸田とG7サミットは、世界に証拠を見せた。それが1年後か2年後なのか。その前にロシア内での内戦が勃発してプーチンを殺害するのか。それとも?風雲急を告げる分断した世界を、G7が生み出した厳島サミットである。

 後世の歴史家は、政教分離を破って実施されたヒロシマ・厳島サミットについて厳しい評価をするだろう。


<狂喜した武器弾薬交渉成立にこぎつけたゼレンスキー大統領>

 米国が誇る最新鋭爆撃機F16を、ヒロシマの平和の地を袖にしたバイデンが提供すると明らかにした。電子機器の塊であるF16の操縦は容易ではない。自衛隊のベテラン操縦士でも海中に突っ込んでいる。

 ウクライナ兵士とって容易なことではない。訓練期間はいつまでか。これがロシアの上空を飛来すれば、当事国の死闘は勝者のいない「生か死か」で繰り広げられるだろう。劣勢になれば、プーチンは「窮鼠猫を嚙む」ことになる。最初は戦術核から始まる。これにNATOも応戦すれば、地球は死の灰で覆われて、生き物は生きられない。

 目前のフクシマの猛毒トリチウム汚染水が垂れ流されるだけでも、魚もSOSだ。人間は魚貝類を食べることが出来なくなる。隣国では「日本が安全というのであれば水道水として日本人が飲め」と反発している。それでも海洋投棄をするのであろうか。人類も地球も死の一歩手前にいることが理解できるだろう。

 それとも原始のカルト教「神の国」は放射能を消し去るのであろうか。


 ゼレンスキーはただひたすら西側諸国に武器弾薬を求めた、そのためのG7サミットだった。非公開の原爆資料館見学に意味などないに等しい。彼は既にチェルノブイリを直接肌で感じている。沢山の奇形児の存在を承知している。山林火災でも、放射能が人と生き物を殺していることを熟知している。そこからもフクシマの現状と厳しい将来を予見できる。日本の為政者すべてが、フクシマから逃げて真実を知らない。医療・科学者らもそうである。住んではならない地に日本政府は、住まわせ食糧生産をさせて、恐ろしい内部被ばくを日本人に強いている。


 プーチンもゼレンスキーも共に精神が崩壊している。正常な人間ではない。悪魔が乗り移っているとしか思えない。そこに武器弾薬と資金の提供で、プーチンのいないロシアへと解体できるか。第二のプーチンが誕生するのではないか。泥沼の戦争へと駆り立てたG7、それを主導した岸田と背後の日本会議・国家神道派に、日本国民は、そっくり運命を委ねてしまうのか。


<隠れた勝者は自民党清和会・神社本庁(戦争神社)・日本会議>

 人は変身するのであろうが、それが極端だと、相手を見放して立場を変える。平和政党だった公明党創価学会が「戦争三法」を安倍と共に強行した。戦争党に変身した。もはや信用するに値しない。

 岸田は護憲リベラルの宏池会を率いてきた。しかし、その人物が改憲を口走って安倍路線を走りだした。その先に43兆円の超軍拡・軍事大国政策を打ち出した。極右も仰天する変身である。岸田は危険な政治屋に変身した。到底彼を容認することは出来ない。 

 岸田・自民党と公明党創価学会を操っている危険極まりない黒幕がいる。国民は気付くべきだが、新聞テレビのお陰でいまだゆでガエルを決め込んで、G7サミットを評価する者も現れている。しかし、専門家には通用しない。

 神社本庁・日本会議の原始カルト天皇教である。古い戦前の再来・ゾンビ勢力だ。その背後の黒幕は財閥である。国民のカネを懐に入れる吸血鬼であろう。戦争屋とも死の商人とも呼んでいる。その根っこはアメリカの産軍複合体。それさえも牛耳るとてつもない巨大な財閥、世界の富の大半を保有・操作する1%。正体を誰も分析できない。


 日本を操縦する、極右の天皇狂カルトの日本会議・靖国派と財閥の連携が見て取れる今回のG7サミット。森喜朗の「神の国」といういかがわしい国家神道そのものだ。彼らの広告塔の桜井某も沈黙している。岸田に大満足しているはずである。


NHK含めた新聞テレビ報道に失望した海外メディアや識者>

 歴史を紐解くまでもない。政治と宗教は、即戦争と宗教である。独裁者でもカルト宗教を活用しない限り、若者を戦場に狩り出すことは出来ない。

 筆者は自衛隊基地を見学するうちに、司令官の部屋に神棚があることを知った。基地内に神社も存在した。なんのことはない、戦前の日本軍が、そっくりそのまま自衛隊になっている。

 神風どころか米軍の二発の原爆に対して「国家神道の必勝祈願」は無力だった。当たり前であろう。神道に何がしかの威力などない。今回の厳島神社に威力などないが、それでも岸田とG7首脳は「必勝祈願」した。ロシアを駆逐できるのであろうか。

 それよりも多くの人の命を失うだけである。都市も農村も森も破壊しつくすことになろう。これほど愚かな人間もいない。岸田はその場を提供し、事態を悪化させることに狂奔した。「神の国」は喜んだのだろうが、外国人記者は首をひねっていた。戦争を止めるための相談は全くなかった。その反対だった。これが「神の国」の消すことのできない史実となって閉幕した。

 日本国憲法を理解してる法律家は政教分離違反の厳島サミットに眉をひそめただろうが、声を上げたのは筆者一人。中央大学で法律を少しだけかじった成果である。


<ボンクラ野党は憲法の政教分離さえ認識していない!繰り返す戦争>

 日本会議主導の厳島サミットに不勉強な野党は、異論をさしはさまなかった。日本会議・神の国主導のG7サミットをただ眺めているだけだった。歴史の教訓は、日本国憲法の二つの条文に集約される。非戦の9条と政教分離の20条である。

 自公維民各党は、このもっとも大事な規定を破壊している。戦争国家へと驀進している!歴史を学ばない国民と政府は、未来に対して盲目、したがって再び過ちを繰り返すことになろう。財閥は肥えて民衆は命までも失うことになる。強く警鐘を鳴らしておきたい。

2023年5月23日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

I can G7に失望

https://www.jiji.com/sp/article?k=2023052000364&g=int

G7デモ

https://twitter.com/BBCWorld/status/1660302220041043969?s=20

pic.twitter.com/UYRKnaf3ri

⁦‪@masirito22⁩ 数字を見ると、日本は厳しいものがありますね。 pic.twitter.com/4azETZwFAD

 

2023/05/22 23:50







本澤二郎の「日本の風景」(4812)

<ゼレンスキー電撃訪問は嘘、バイデン・岸田の極秘工作招待だった!>

 「ウクライナのゼレンスキー大統領はオンライン参加」と吹聴して嘘を垂れ流してきたG7議長国の岸田文雄。実際は岸田の当初からの招待だった。昨日の5月21日に閉幕した夜、会見したゼレンスキー大統領が明かした。政府の嘘を報道してきた記者が「電撃訪問」について尋ねると、ゼレンスキーは怪訝な表情で否定し「招待されたのだ」と暴露した。


 人類初の原爆投下の地・ヒロシマが、プーチンのロシアを壊滅させるためのG7の作戦会議の舞台となったことに驚く国民もいるだろう。「神風が吹かない」宮島の原始カルト教の厳島神社での必勝祈願祭だった可能性も高い。神社本庁・日本会議の作戦が、見事に功を奏したのだが!このことに誰も気付こうとはしなかった。神がかりのロシア撃滅作戦の行く手には、ヒロシマを崩壊させた核が、新たな核の第三次世界大戦が黒雲の向こうから近付いてきている。勘ぐりすぎだろうか!


 それにしても人間の欲の皮は厚い鋼鉄のようだ。トランプを評価できないが、彼が「自分なら戦争させなかった」と発言している。嘘ではないかもしれない。バイデン家とCIAが、プーチンの戦争を誘引したものだ。これにワシントンの死の商人・産軍複合体が喜んで飛び込んだ。最新鋭機F16がいずれロシアを攻撃する。戦争はさらに激化する。人間は地球に住めなくなるかもしれないのだ。何ということか。


<激化させる長期戦争、ロシアのバフムト制圧は第一歩か>

 ロシアの敵国の地位をつかんだ日本政府、ついで韓国政府。後者は地雷除去の支援をすることも決まった。ロシアが崩壊しない限り、日本の北方領土返還交渉さえもなくなった。北方海域の漁業も出来なくなるだろう。

 

 非戦の憲法を手にする日本が、戦争当事国の片棒を担ぐことが、どういうことか、国家神道完全復活を目論んでいるカルト勢力の日本会議・神社本庁は理解の外である。

 日本は岸信介が強行した茨城県東海村にミサイルが撃ち込まれると、もうそれだけで首都圏は壊滅する。「ありえない」ともう誰も否定できなくなった。日本会議という悪魔に乗った岸田文雄は、むろん生きられないだろう。


 ゼレンスキー大会となったG7首脳会議に合わせて、ロシアはバフムトを制圧した。ウクライナ大統領は、当初は否定していたが、事実は否定できなかった。広島の原爆資料館を見学したあとの記者会見で「ヒロシマと今のバフムトは同じ」とコメントした。

 ヒロシマの人たちは納得しただろうか。バフムト崩壊はすごいだろうが、皮膚が被爆で垂れ下がった童子の姿に人は一瞬で目を伏せる。しかし、G7やその他の首脳から、この世の地獄の資料を見ても、せいぜいフランスのマクロンが「衝撃的」とコメントするのが精いっぱいだった。


 為政者の精神は狂ってしまっているのである。民主主義・自由と人権を口にする資格などない。ロシア・ウクライナの人びとは、新たに死人の山をいくつも数えきれないほど築くのだろう。


<平和のヒロシマで飛び交う武器弾薬・被ばく者の叫び=分断した地球>

 一見して紳士と思われる男をよく知る女性は「動物」「狼」と表現する。昨日も来訪した高齢の夫人が口にした。

 動物・狼を何とか人間にするために教育が人の道を説く。古来、哲学者は知恵を出し合って人々を納得させると、偉人と称せられた。為政者たる者は「修身の人」「斉家の人」にならないと、治国の人になれない。「平天下の人」になれない。今の地球には一人もいない。安倍もひどかったが、岸田もひどすぎる。新聞テレビは、そんな「動物」を礼賛しながら報道して、国民の判断を狂わせている。言論の狂いは恐ろしい。


 宗教家でさえも、隠れると道を踏み外す。事件は至る所にはびこっている。高齢になって気付くのだが、高齢者でも道を踏み外している。薬物が友達らしい。覚醒剤がなくならない。「木更津レイプ殺人事件」取材で手にした教訓である。「禍福は糾える縄の如し」か。人間は多かれ少なかれ、相応の波乱万丈の人生を生きるという運命のレールを走っているが、それでも為政者たるものは武器弾薬を否定しなければならない。日本国憲法の命令である。

 国家の人殺しは、いかなる事由があろうとも正当化出来ない。しかしながら、厳島神社に集った面々は、ありえない「必勝祈願」を祈った。茶番劇もいいところであろう。バイデンは80歳だというのに、最新鋭の爆撃機F16の使用を許可した。戦争激化のためのG7サミットそのものだった。


<国連事務総長は岸田の大軍拡に警告したのだが馬耳東風>

 国連事務総長のグティエレスは「軍拡競争」を非難した。43兆円の超軍拡大国を推進する岸田だが、それに意を介した様子はなかった。岸田もまた精神異常者と見ていいだろう。21世紀の東条英機と評論したが、訂正する気持ちはない。ますます現実味を帯びてきた。

 43兆円の戦争準備に対してヒロシマに集った各国の為政者の中から警告を発したのは、国連事務総長ただ一人だった。

 カナダからやってきたヒロシマ被爆者・サーロー節子さんは「体温が全く感じられなかった」と怒った。核兵器禁止条約の文言さえもヒロシマ宣言に記述されなかった。ヒロシマ・厳島神社に集った輩たちは「戦争の話ばかり、武器の話ばかりだった」という被爆者が慨嘆する声を各国首脳たちは、完全に無視した。


<原爆のヒロシマ投下の原因は国家神道の一翼を担った侵略軍港守護神・厳島神社=G7+αの必勝祈願=神社本庁・日本会議の策略>

 被爆者を含めていいたい。なぜ原爆投下だったのか。理由を理解しているのであろうか。歴史を知っているのであろうか。原因は日本の侵略と植民地支配にある。だが、戦争責任者のA級戦犯が政権を握った途端、日本国憲法を破壊している、まずは吉田内閣を打倒して、その政治潮流は「戦前」に戻った。満洲で暴れまくった輩たちが、いまの日本政府を乗っ取って、進軍ラッパを吹き鳴らしている。おわかりか、元凶は日本の侵略戦争にある。被爆者はそのツケを払わされている悲劇の人たちである。


 侵略は好戦派のヒロヒトが元凶である。可能にした犯人は国家神道と教育勅語。後者が森友事件となった。安倍昭恵は知っている。日本会議も。そしておぞましい財閥である。財閥に屈した韓国の尹政権は、そうして岸田と手を握った。韓国民の半数以上がこれからも反発を続けるだろう。反省も謝罪もしない財閥が、日本政治の黒幕である。


<ヒロヒト・国家神道・財閥と自公維の祭政一致体制=お陀仏か>

 戦前の侵略勢力の代表が岸田内閣、その前の安倍内閣、はたまた小泉・森内閣である。自民党清和会派閥が制圧した日本政府の下で、靖国・伊勢神宮・厳島神社が国家神道に向けて浮上した。戦前そっくりの天皇制国家主義の現在であることに、日本国民は目を開いて直視しなければならない。


 改憲軍拡の先導役はカルト宗教である。神社神道と生長の家や統一教会。統一教会は岸が宗教法人にしたイカサマの反共教団である。自民党も維新も同じ貉、そこに創価学会公明党も組み込まれた祭政一致の政権与党なのである。


 いつの時代も宗教が戦争の先導役である。人々を戦場に狩り立てる役目が宗教で、日本は国家神道である。そして暴利をむさぼる死の商人・財閥。

 いま霞が関も国会も司法も眠っている。学界も目を覚まさない。日本は今まさにお陀仏の時を迎えている!あえて天下の正論を披露した。

2023年5月22日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)


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