2022年06月

自公圧勝して日本沈没<本澤二郎の「日本の風景」(4490)

<毎度ため息が出る参院候補者ポスター掲示板をじっと見つめる哀れ!>

 物価の番人のはずの黒田東彦・日銀アベノミクスのお陰で、日本の円は極端に下がり、その結果、食料から原油、原材料が大幅に値上げされた。円売りドル買いが定着した。働く職場もない庶民・母子家庭は、先の見えない厳しい生活を強いられている。反対に財閥はぼろ儲けして笑いが止まらない。原子力ムラの電気ガスは、公然と値上げ。それでも1%富裕者向けのアベノミクス経済政策下の参院選に、異変が起こらない。自公圧勝の声は止まらない。確かに弱すぎる野党はバラバラ、そこへとミニ政党が横やりを入れてくるため、浮上する材料がひとつもない。


 余裕の首相 は、バイデンの戦争支援のため海外飛び歩きを止めない。借金で首が回らないのにバラマキとバイデン超軍拡に貢献して、戦争志向で国民に恐怖を与えている。こんな選挙は前例がない。ゆでガエルの日本国民は、とうとう狂ってしまったらしい。


 初めてのことだが、散歩中に公設の掲示板と向き合った。8人か9人の見たこともないポスターをまじまじと眺めた。投票したい候補者はいるのだろうか。無論、いない。しかし、棄権するわけにもいかない。どうするか?少しでも自公に抵抗するかもしれない候補者を探すしかない。世論調査だと8割の有権者が投票すると回答しているが、この調査は全くアテにならない。8割投票が実現すれば、地殻変動が起きるのだが、まずは無理である。掲示板を見ながらため息が出てしまった。


 「これで自公圧勝だと、この国は極東の小さな島国になるしかない」と永田町

の中枢を歩いてきた友人は、怒りとため息をつきながら、毎日のように電話してくる。日本沈没は、とうの昔からだが、特に国粋主義者・安倍晋三内閣の時代から速度を上げた。さらに、その速度は早まるだろう。霞が関や永田町から理性が失われると、しかもそれに追随する言論ばかりだと、誰もが見たくない、信じたくない国滅ぶしかない。


<超借金大国首相はバイデンのために武器弾薬購入とバラマキに専念>

 「いやいやそんなことはない」と自信の持てる有権者がいればいいのだが、円の価値一つとっても誰もが先行き不透明だと判断している。それも地盤沈下する一方の日本という点で共通している。

 巨大地震による第二のフクシマも、間違いなく襲い掛かる。自民党は一度失敗した原始のお祓い宗教・神社神道による「神の国」で、再び対応しようとしているのも不気味この上ない。これも国際社会から採点すると、漫画であろう。改めて記述することにしたい。

 安倍は、カネがないのに60兆円の大金を世界にばら撒いた。それで人々は救われたのか?すべてひも付きだから、受注した日本企業から膨大なリベートが入る。その一部を選挙に使用しているのだろう。同じことを、負けじと岸田文雄がやっている。


 安倍の武器弾薬の倍増論をそっくり受け入れて、バイデンを喜ばせている。人殺しの兵器買いに狂奔する行為は、アジアのみならず世界を軍拡の嵐に巻き込む悪魔の所業であろう。


<超軍拡で福祉を破壊する戦争国家を支持する日本人の哀れ>

 プーチンも悪党だが、ゼレンスキーも人民の命を守る政治家ではない。バイデンの腕で踊っても恥じない。典型的な英雄気取りのナショナリストだ。なぜロシアとウクライナの人民は、平和のために決起しないのであろうか。

 ヨーロッパも狂っている。否、日本人も狂ってしまった。もうどうにでもなれ、の心境なのであろう。

 人類は第一次・第二次の世界大戦を終えると、目指す目標は人々の生活を保障する福祉国家を目指した。北欧三国が成功して、国際社会の優等生になった。いま同じ国が米国主体の軍事同盟に入って、新たな緊張を作り出した。日本も負けじと、戦前の軍国主義にのめりこんで、緊張政策を採用した。福祉破壊国家への道であるのに止めようとしない、誰もが?

 

<年金から介護と健保の保険を強奪する日本の福祉天国>

 孝行娘のお陰で毎月年金のほかに10万円もらって、我々からすると優雅な暮らしをする友人が、それでも昨今の物価高と、年金から強制的に差し引かれる介護保険と健保に、激しい怒りをぶちまけている。

 「老々介護の人間に対して、介護保険が毎月1万円、年間12万円も強奪する福祉国家があるだろうか。国会に殴り込みをかけたいくらいだ。連中は世界一の高給取りなんだから」と。


<消費税廃止で景気回復、ただしその財源を示さない無責任野党>

 経済を少しでも回転させるには、消費税廃止が最善である。野党は財源を示そうとしない。簡単に示せるのになぜ?野党も信頼できない。

 投票したい政党も候補者もいない参院選挙で、それでも棄権は罪である。

2022年6月30日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

安倍とCIAの攻防戦?<本澤二郎の「日本の風景」(4489)

<プーチン癒着の晋三に必死の網をかけたワシントンの謀略機関>

昨日「訃報 金田英行君」を書いたついでに、自民党総裁選に出馬して敗北した中川一郎が、その後に札幌市のホテルで自殺したことに触れた。すると、これを読んだ元自民党本部国際部に所属したこともある中原義正が「中川の死は米国がビザの発給をしなかった、それが原因」とわざわざ連絡してきた。

 資料を見ると、スタニラフ・レフチェンコ事件が登場する。KGB東京代表だった彼が、1979年に米国へと政治亡命し、3年後の1982年に米下院情報特別委員会の秘密聴聞会で対日工作を詳細に暴露した。この1か月後に中川は、自民党総裁選に敗北し、直後に亡くなっている。


 「反共の闘士」中川は、正確には親ソ反中親台の人だった。彼は、岸信介の別動隊である青嵐会を率いた。総裁選では「福田にも裏切られた」との思いが強かったろう。石原慎太郎も知っていた。おそらく岸の圧力に福田が押し切られたと見たい。娘婿の安倍晋太郎のことで頭が一杯だったのだから。

 中原情報によると、中川がワシントンに行こうとした理由が不明だが、米国政府がビザの発給を拒絶した理由はソ連のエージェントだった、とするレフチェンコ証言が原因だったという。この辺の事情を、中川のすべてを知っている鈴木宗男の証言が待たれるだろう。


 ソ連のスパイだった中川のすべてを知る鈴木が、その後に清和会の森喜朗そして安倍晋三をモスクワへと案内する。腹心・佐藤優も。安倍とプーチン会談27回の中身が、不可解な日露関係の真相を暴いてくれるだろう。むろん、このことに一番神経を使った役所が公安調査庁であり、東京のCIAということになる。北方4島を棚上げした安倍の対ロ工作は、この機会に明らかにせねばなるまい。


 いまはっきりしてることは、プーチンに感謝するアメリカの軍需産業とエネルギー産業だ。暴利に笑いが止まらない。しかし、水面下ではCIAと公安が安倍・プーチン会談の真相を掴んで、その都度ワシントンに報告しているだろう。それがいつ表面化するのか。


 首相の座を降りた安倍が、突如として異様すぎる軍事費2倍論をぶち上げた背景と関係があるだろう。「私を信じて」という米国諜報機関やジャパンハンドラーズ向けのアリバイ作りかもしれない。バイデンを喜ばせる岸田文雄とも関係しているのかも?必死でワシントンのジャパンハンドラーズと産軍体制に媚び・ゴマスリに徹する策略には、稲田朋美と交代した安倍一直線の高市も動員しているようで、なかなか騒々しすぎる。油断すると、国民が殺されかねない。


<プーチンの侵略に安倍は軍拡を叫んで軌道修正したが?>

 レフチェンコ証言では、キングメーカー・田中角栄が、中曽根康弘首相の監視役として、官房長官に起用したカミソリの後藤田(正晴)は、官邸に読売新聞の渡辺恒雄を呼びつけて尋問している。

 レフチェンコ証言に中川の名前は出ていない。やはり鈴木の証言が不可欠だ。鈴木の思惑は何だったのか。中川路線の継承に違いないが、それは何だったのか。鈴木も安倍も、プーチンに手玉に取られただけだったのか。それとも深い闇があってのモスクワ工作だったのか。


 ワシントンは、日本の核武装を拒絶している。そのための日米安保であるわけだから、そこをどうすり抜けて核武装をするのか。麻原彰晃を使っての恐ろしい策略は、地下鉄サリン事件で頓挫した。残る手段が、モスクワとの直接取引であったのか。安倍・プーチン会談の闇は深いままにしてはなるまい。


<27回会談秘録がモスクワとワシントンから飛び出す?>

 プーチンのウクライナへの軍事侵攻に衝撃を受けた人物は、安倍や鈴木だったのかもしれない。国際社会から悪役にされたプーチンにとって、深刻なロシア経済が、強いプーチンのロシアを望むことは困難であろう。政変も起こりうる。そうなると安倍・プーチン会談の中身が、ワシントンよりも先にモスクワからも露見する可能性が強い。

 

<中川一郎自殺にアメリカはビザ発給せず?心臓はどうか>

 安倍や森喜朗、鈴木に問いたい。即刻モスクワに飛んでプーチンを説得して戦争をやめさせることである。出来ないだろうが、それでも行動すべき価値があろう。プーチンと対話することのできる人物は、他にいないのだから。それはプーチンを生かすためでもある。同時に、軍事費2倍論を撤回する。いまも「安倍を獄につなげ」という市民の叫びは止むどころか、その逆である。人びとは「安倍時代の借金の山をどう始末つけるのか」と怒っている。その返済に耐えられる孫たちはいない。どうする考えか。国民は聞きたい。

 「心臓が動いている間に知りたい」とも。

2022年6月29日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員) 

夢と現実<本澤二郎の「日本の風景」(4488)

<「何か楽しいことが」に夢枕に小泉進次郎が立つ?>

 毎日悲しい記事を書くのも辛い。友人も「何か楽しいことがないものだろうか」

と本気で声をかけてくる。確かにそうだ、いいネタはないものかと考えながら横になった。驚いた、会ったこともない小泉純一郎の息子・政治後継者の進次郎が、枕元に立っているではないか。

 さっそく自己紹介を始めた。「君のお父さんの結婚式に出たよ。福田赳夫さんが仲人だった。その時の引き出物が時計だった。それが今も動いている」と事実を息子に伝えてあげた。

 進次郎のその時の驚きの様子が面白かった。


<「純ちゃんの結婚式に出た」「引き出物の時計が今も動いている>

 進次郎の歳を知らないが、彼は政治の世界に飛び込んでいる。確か関東学院というところで学んだと聞いている。安倍晋三と同じく勉強が嫌いなのだ。しかし、政治屋は務まる。自民党の物差しで測定すると、60点ということだろう。

 アメリカでの僅かな生活が、永田町では優位というお国柄だ。新聞テレビがはやし立てた途端に、彼は有名人になってしまった。

 彼の結婚式を知らないし、全く興味などなかったが、彼もまた父親の結婚式を知らない。そして母親が小泉家から飛び出してしまい、父子家庭で育ったという点では、彼の人間性について問題がないわけではない。

 子供の精神に圧倒的に影響を与えるのは、母親である。今からでも遅くない。母親がいるのだから、一緒に暮らすことも出来る。


<「両親を復縁させなさい」「わかりました」で目が覚めた>

 「進ちゃん、両親を復縁させなさい。それが息子の責任だよ」と諭すように声をかけると、夢の中の進次郎は素直に「分かりました」と。その場面で目が覚めた。進次郎に狭すぎる自宅玄関で正確な時を告げる、引き出物の時計を見せてあげたいものだ。

 一度電池を交換しただけで、今も正確な時間を刻んでくれている。人間は片親でも育つ。大きくなるが、精神はまっすぐかどうか。今からでも遅くない。父親も十分満足するような、自由な生き方をしてきた。隣国に多大な迷惑と日本の信頼を傷つけたが。進次郎には両親の愛情が必要であろう。そうでないと、ワシントンの操り人形として人生を終えることになる。


<母親は泰道家出身、宏池会に所属していた三八さんは今どうしてるか>

 泰道三八というと、確か薬屋のエスエス製薬のオーナーで知られた。小泉純一郎の妻は、泰道家の身内である。生活に困窮しているわけではない。


 敗戦後の三重県警の責任者だった渡辺一太郎は、当局の指示だと思われるが、伊勢神宮をくまなく調べ上げた。結論をいうと、戦前の国家神道は朝鮮半島からもたらされた原始宗教だった。そのことを筆者に遺言のように明かした。渡辺さんは、その後に千葉県警本部長・同副知事・参院議員となった。泰道・エスエス製薬との出会いはこのころだ。息子が政界入りすることに力を貸した。彼は大平正芳の宏池会に籍を置いた関係で、筆者とも仲良くなった。

 彼は口には出さなかったが、小泉家から追い出されたような身内のことで、心を痛めていたようだ。彼自身、事件に巻き込まれ、逮捕収監される。警察も検察も、安倍のように忖度してくれなかった。泰道三八いまいずこ?清和会の安倍に忖度して、捜査をしない日本の検察の不正は、今も問われている。


<訃報 秀才・金田英行君!日本の最北端でカニ刺身の思い出>

 秋田県の秀才・金田英行君が亡くなった。学生時代は明るく自信満々だった。色白の美男子だった。北海道開発庁のエリートから、書家でも有名な村上北海の後継者となって政界に飛び込んだ。村上の関係で清和会に入ったことが、その後の人生に暗い影を落としたかもしれない。

 清和会の後継者となった北海道出身の町村信孝は、総裁選で安倍の横やりに突き落とされてしまった。他方、安倍晋太郎嫌いの福田赳夫は、晋太郎の総裁選出馬に際して、大野伴睦の秘書から政界入りした北海道の実力者で知られた中川一郎も支援した。

 つまりA級戦犯の岸信介の後継者・福田は、岸の娘婿となった安倍を信用しなかった。嫌いだった。一口に清和会といっても、岸と福田の確執がすごい。北海道という選挙地盤には、魚の関係で旧ソ連、現在のロシアとの関係が深く、そこを日ごろから公安調査庁が目を光らせている。

 中川父子の自殺も記憶に新しい。中川一郎が「星影のワルツ」を歌った直後に首吊り自殺したが、直前の国会近くの事務所での彼の一言を忘れられない。「政界は政友ばかり、心友はいない」と。与野党に通じるだろう。モスクワを愛した宏池会の阿部文男は、岸の別動隊の青嵐会(森喜朗・石原慎太郎ら)を向こうに回して、大平擁護の急先鋒だった。だが、妙な事件で失脚させられた。余談だが、義母・廣岡キヨノの身内の福島出身の正木清は、北海道から社会党代議士となり、衆院副議長まで昇りつめた。現役時代は東京・大田区下丸子の廣岡宅2階に下宿した。妻の眞知子いわく「正木のおじさんは、よく朝日新聞を含めて日本に記者(汽車)はない。トロッコばかりだ、とよく口にしていた」と。ジャーナリスト不在は昔からだった。


 ところで、金田君に一度だけ講演を頼まれた。北海道最北端で、というので、喜んで応じた。うれしかったのは、初めてカニの刺身を腹いっぱい食べたことだった。いまロシア船から買えなくなってしまった。地元は大変だろう。戦争はいかなる事由も、理由にならない。27回もプーチンと宴会談義をした安倍晋三の正体が、モスクワから露見するだろう。


<白門研究会の曽我部浩君、出世頭・高野利雄君は名古屋高検検事長>

 中央大学法学部には、司法試験向けの研究会がいくつもある。お茶の水から八王子に移転して以来、成績は大きく落ち込んでいると聞く。苦学生がいなくなって、学生の質が低下したとの声も。

 金田英行君との出会いは、白門会だった。努力家の高野利雄君は、いつも研究室にもぐって六法全書と向き合っていた。他方、曽我部浩君はいつもニコニコしながら、ものしずかでのんびりしていたので、家庭教師で生活費を稼いでいた筆者と馬が合った。この白門会は、他の研究室と異なり、全寮制だった。

 施設は松戸市の江戸川沿いの遊郭を買収したもので、そこに学生を住まわせて、司法試験と公認会計士試験の勉強をしていた。うぶな人間は「遊郭」の意味が分からなかった。6畳か8畳の部屋に学生2人を同居させ、そこから廊下伝いに薄暗い研究室へと移動し、思い思い分厚い法律書とにらめっこするのである。

 今考えると、こうしたことは生まれつき性分に合わないし、それよりも松戸駅から電車に揺られて御茶ノ水の大学の机に向かったり、夕刻の家庭教師の方がお似合いだった。1日10時間も机にかじりついて、無意味?な法律用語を丸暗記する?そうして手にした資格ある人間の価値とはなにか。およそ人間性を育むことなど無縁に違いない。

 法律家に欠陥人間が多いという指摘は、本当であろう。いま年間1500人もの合格者を出していると聞いた。仕事がない弁護士は、勢い検事や判事になるのだが、その門はひどく狭い。失業する弁護士は少なくない。やくざに雇われる弁護士も生まれる。

 どうでもいいことではないが、いい法律家はいない、見つけるのが大変だ。

 金田英行君はまずまずの人生だったのかもしれないが、清和会ではどうだったろうか?離婚したと聞いたが、その後はどうか。喪主は弟の公認会計士の英成君。妻を亡くして一人ぼっちの人生だったのか。晩年は誰もが通る道なのか。

 曽我部君の結婚式に呼ばれた。彼の父親は神奈川県を代表する精神科医だった。息子は精神病院の理事長を長く務めたであろう。今どうしているか。結婚式では、同窓生代表として「大平さんのように銅像似のべーちゃん」と披露した。人生は多かれ少なかれ波乱万丈だ。筆者だけではあるまい。

2022年6月28日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

頭も手足も腐敗<本澤二郎の「日本の風景」(4487)

<元町長・渡邉修男が見た腐りきった地方自治=程遠い民主主義>

安倍晋三の腐敗はただ事ではない。頭が腐った日本の地方自治もひどい。元町長の渡邉修男さんの体験記を、安倍追及に人生をかけている市民活動家の仲村さんが、自宅に郵送してきた。彼は以前、旧動燃のもんじゅ西村謀殺事件関連資料を自宅に届けてくれ、その結果として日本最大の闇組織「原子力ムラ」の存在を暴くことに成功した。


 記録映画「チェルノブイリハート」をYoutubeで見れば、政府・原子力ムラが蓋をして、やり過ごしているフクシマ東電放射能問題を暴露できるだろう。渡邉元町長体験記を目にすると、地方自治の腐敗もひどい。54基もの原子力発電所にも圧倒されるが、札びらで自由自在に設置されてきた原発現場だけでなく、それ以外のすべての地方自治においても、市民のための首長もいなければ、地方議員も存在しない!


 わが故郷の房総半島も、フクシマの放射能汚染物を不法投棄されていても、その結果、将来は水も飲めない、農耕も出来なくなるという、人間が生きられないことが100%想定されるというのに、千葉県も袖ヶ浦市も警察も議会・議員もソッポを向いている。渡邉さんは理解できるだろう。


 埼玉県騎西町を初めて知った。ここで2年半、渡邉さんは町長を務めた。4年は続かなかった。細かい事実関係は、理解できないが、要は役場や議会に巣食う腐敗人に対する心遣いがなかった、そのために引きずり降ろされた。改革の旗がアダとなってしまった。

 地方での生々しい生きた教訓から「安倍の逮捕はない」と認識しているという。案の定、期待した林真琴検事総長も成果を出すどころか、安倍同様逃げ回って辞めてしまった。新任の甲斐という人物も同じことになろう。鍵を主権者が握っている。日本の民主主義は、いまだ確立していない。腐っているのである。


<1993年12月に埼玉県騎西町の政争を記録=犬の遠吠え?>

 埼玉県は首都圏に属する。田舎町とはいえ、情報が途絶えている場所ではない。役所の職員もいれば、町民を代表する議員もいる。体制は立派な民主の地方自治だ。

 公務員は公僕・全体の奉仕者だが、現実は違う。親分子分のような腐った組織が存在しているのだろう。それは議会もしかりだ。1期目の首長は、それらとの肩たたきに終始する。渡邉町長はそれを排除した。それが正義の町政と認識していたのだが、悪は行動を起こした。そしてその罠にはまってしまった。

 これこそが、日本の地方自治なのだ。役所は民主・公僕の観念などないに等しいのである。ないものねだりの町長は、内部からの偽りの証拠で自爆する。それにぶら下がる新聞記者だった。


<国政が乱れると列島全体が腐る=拙著「房総半島の闇」を連想>

 筆者は以前、行政ものを取材したことがある。「霞が関の犯罪」(リベルタ出版)は厚労省役人の不正を暴いたものだが、途中で右翼が登場してブレーキをかけてきた。官僚と右翼暴力団の人脈の存在に驚かされた。もう一つは「房総半島の闇」(データハウス)だ。

 ここにきて役所のデータ改ざんが厚労省から、国交省でも発生していたことが判明した。官僚が腐ると、政治はそれ以前からだ。特に安倍・清和会の腐敗は、途方もないものばかりだ。

 中央が腐ると、地方は待ってましたとばかり、何もしなくなる。利権に首を突っ込む。議員も役人も利権アサリに走る。国が破れてきている証拠で、隣国を笑える状態ではない。


<「地鎮祭」の文字も飛び出す神道国家主義文化の日本象徴>

 渡邉本を読んでいて、驚いたことは原始宗教行事のはずである「地鎮祭」という言葉が見つかった。太古の迷信に相当すると信じられている神社神道の行事を、公的機関が現在も行っているのである。

 日本を崩壊させた元凶は、ヒロヒトだけではない。日本人の心と精神を羽交い絞めにした国家神道の罪は、万死に値する。300万人の若者の命を奪った罪が、消えることはない。それが現在も、となると、中央も地方も原始のしがらみのなかで、蠢いていることになり、現代人は反吐が出る。

 安倍・田布施のしきたりが、今も地方で生きていることに驚愕するばかりだ。この世にいい宗教が存在するのであろうか。個々人が決めることであって、公的な組織・機関では許されない。日本国憲法の政教分離の立場であろう。


 憲法を敵視する今の自民党と公明党・維新などが先行する目下の参院選挙であることを考えると、日本の前途は悔しいが明るくない。渡邉本が犬の遠吠えに終わらないことを祈りたい。

2022年6月27日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・反骨の政治評論家・日本記者クラブ会員)



米最高裁・中絶禁止の大波紋<本澤二郎の「日本の風景」(4486)

<女性の人権を奪う政治判決=米国政治外交にも影響必至>

 トランプの置き土産か、保守派の判事で固めた米連邦最高裁判所が、こともあろうに人口妊娠中絶を覆すという判決をした。インフレで悲鳴を上げているアメリカ社会に、ちゃぶ台をひっくり返すような最終司法判断が、ワシントンの内外政を激しく揺さぶることになる。

 近くは秋の中間選挙に影響を与える。バイデンが保守共和党を叩く好材料となるのかどうか、早くも各州で女性の人権を奪う判決に怒りのデモが繰り広げられている。共和党知事と上下両院議員と女性有権者の激突の行方に注目が集まる。


 日本の神道文化に徹する右翼勢力にも、これが波及する可能性が高い。早ければ来月投開票の参院選においても、家庭と家計を預かる女性有権者らに多少の影響を与えるかもしれない。


<米中間選挙に巨大な地雷=トランプの置き土産にバイデンSOS?>

 人工妊娠中絶は、女性の人権の根幹を支えている!この点について日本人男性の理解はやや問題を抱えているが、覚醒剤による強姦が常態化している社会では、語弊があろうが、筆者は「木更津レイプ殺人事件」の取材体験から、声を上げない、自立していない女性の人権意識からみて、これが相当深刻化していると認識できる。アメリカ社会の分断は、日本社会にも波及するだろう。

 日米の家庭とも、娘を持つ両親の心配は尽きない。麻薬とレイプが氾濫して久しいアメリカ社会では、昔からだから、なおさらのことであろう。妊娠中絶は、女性の人権の根幹という理解は、決して的外れではない。最近知ったばかりの、外部放射能被ばくと放射能汚染の牛乳や野菜などから内部被ばくした妊婦のことも。この世に生まれてくる想像を絶する胎児を記録映画「チェルノブイリハート」(youtube)で確認したばかりなので、余計に感じるのかもしれないが、様々な事情から、女性の好まない出産もまたしかりだろう。311フクシマも気になって仕方ない。


 ともあれ、9人の判事のうち6人が保守派といういびつな米連邦最高裁判決によって、女性の多数が保守系キリスト教会の教えという「中絶は殺人」に抵抗することになる。選挙のことを考えると、共和党議員もおいそれと裁判所の判断に従うことも出来ない。中間選挙でまずアメリカ国民の大勢が決まる。投票率も上がるだろう。バイデンに有利ではないだろうか。インフレ退治に専念すれば、民主党に有利だろう。バイデン民主党が圧勝するかもしれない。


<夫婦別姓阻止の神道・神の国・国家主義の永田町にも影響必至か>

 日本社会にも影響を与えることになろう。

 多くの日本人は、理解してないことだが、カルト神道・日本会議の価値観が自民党から維新といった右翼政党に影響を与えている。このことの理解が、筆者も不十分だったため、最近は猛省しきりである。

 おそらく森喜朗ら神道政治議員連盟なる教団組織は、安倍の祖父・岸信介の時代から自民党本部の奥深くにこびりついていたのであろう。自民党保守傍流の中曽根派や福田・清和会の時代になって、正面に躍り出てくる。

 森の「日本は天皇中心の神の国」と公言した集会が、この神道議連の会場だった。国民は驚き、あっけにとられた。明治の日本帝国が忽然と鎌首をもたげたから。宏池会の保守本流指導者・加藤紘一が、森打倒に動いた。無念にも中曽根ら国家主義の抵抗に屈した。もしも、加藤の乱が成功していれば、護憲リベラルが現在も、自民党の主流であり続けていたであろう。


 森・小泉・安倍という清和会が主導権を握ったことで、自民党から護憲リベラルは放逐されてしまった。代わって神道の日本会議が台頭、護憲派の平成天皇も交代させられた。安倍の暴政は今も続いている。今日では当たり前の夫婦別姓さえも具体化しない。行政・立法・司法が硬直して久しい。隣国との緊張政策を本格化させ、それに服従する新聞テレビによる世論操作によって、現在の日本に戦前のナショナリズムが台頭してきている。おそらく、女性の人権抑圧が表面化するに違いない。


<護憲と改憲・カルト教団も亀裂?女性の自立を促す起爆剤にも>

 日本は電通という国策宣伝機関とNHKによって、平和憲法を解体する動きが本格化して久しい。小泉・安倍の暴政の実績といえる。政権維持に執着する岸田・妥協内閣が、安倍路線を踏襲し、同時にバイデン戦争にも追随していて危うい。そこに中絶NOという爆弾が投下される?

 人口減に悩む経済成長派の財閥が乗ると、新たな亀裂を生じさせるだろう。平和か戦争か、女性の人権抑圧か否か。反対に、これらのことが女性の自立を促すことも考えられるだろう。超円安で暴利をむさぼる財閥とアベノミクス。500兆円財閥内部資金に対する一部野党の課税論も飛び出してきた。

 カネに執着する言論界と財閥の結びつきの中で、強化される戦争国家体制と、奴隷化する労働組合のない孤立する労働者・母子家庭の貧困などが絡み合う日本社会を、真剣に考える有権者が出てくるのかどうか。ワシントンの爆弾は、東京にも予想外の影響を与えかねない。

2022年6月26日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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