2021年02月

蛇の生殺し?<本澤二郎の「日本の風景」(4004)

<菅打倒寸前で追及止める?=野党の高等戦術>

野党の信頼できる筋からの情報によると、今なら菅内閣を打倒することが出来る??が、今はしない。選挙は菅でやった方が、勝てる確率が高い。いじめ抜くが倒さない、という蛇の生殺し戦術ということらしい。


 「菅のスキャンダルは、次々と出てくるが、野党は猫がじゃれる程度にいたぶるだけ」と自信を見せているようだが、果たしてどんなものか。「痩せ我慢ではないのか」との反発も聞こえてきそうである。


<長男を暴くと義偉ギブアップは本当か>

 確かに内閣支持率は低い。コロナにしても、イギリスと比較すると日本の方がましなようだが、これには日本はPCR検査数を極端に少なくして、感染者数を低く抑えている。

 たとえば、中国と比べる、比較できないほどの大甘対応であることが分かる。安倍と菅が五輪優先策を、もう1年以上続けてきている。中国では、感染者が見つかると、その人の住んでる地区全体を封じ込め、全員をチェックする。そこがゼロになるまで、人々の動きを止めて、コロナを抑え込んでいる。人命よりも五輪優先の日本政府に、コロナ退治は不可能なのだ。戦前の大本営のような、虚偽の精神論をまくしたてても、科学で証明はできない。


 専門家の指摘では、変異するコロナウイルスを、飛行機という羽で地球を飛び交っている人類は、絶滅が出来ない。共存の道を選択するほかない。そのための戦略と戦術が必要だが、日本にはそれがない。空飛ぶ新型コロナウイルス対策は、ことほど容易ではない。五輪どころではないのだ。五輪組織委員会の看板を替えたところで、五輪は不可能だ。

 アメリカの死者は50万人を超えた。二つの大戦とベトナム戦争の死者を上回った、とバイデンは衝撃を受けている。


 野党の菅追及の決め手となる材料は、コロナよりも、溺愛した長男による電波利権「波盗り」工作だ。「菅は第一次安倍内閣で、電波利権を握る総務相に就任した時点で、引きこもりなどの障害?を持つ長男(25歳)を、急遽、大臣秘書官に据えたことに起因する」というのだ。


 それまでの秘書官最年少記録は、小泉純一郎の姉である信子だろう。彼女は27才か28歳で、父親の純也防衛庁長官秘書官になった。菅の長男は、その記録を破ったことになる。


 安倍晋三も父親の晋太郎が外相を歴任したころ、途中から公設秘書の先輩Kが問題を起こして首になった、その後釜に就任した。Kはそれ以来、恨みを抱いて、女性問題で晋太郎をつついたという。晋三は秘書官になる前は、事務所の私設秘書として、親父のカバン持ちをしていた。したがって実績の全くない息子長男を、いきなり内閣任命の秘書官に起用した前例はない。しかも、その後に役所の電波利権行政と深く関連する東北新社役員に天下りさせたという。菅の電波利権は、第二次安倍内閣官房長官時代にも継続。この時点から公共放送のNHK始め、テレビ界は安倍の広報宣伝へと変身していく。


 恐ろしい言論弾圧・懐柔工作が確立させることによって、安倍長期政権が具体化したものだ。NHKには、安倍のゴマスリ記者が結集した。TBS強姦魔もその一人という。安倍時代の総括は、現在もまだ一歩も進んでいない。


 注目の検察は、依然として官邸のポチに甘んじている。検事総長の検察官適格審査会の成り行きに、法務検察は注目している。宏池会の上川陽子が指揮できるのか、自民党内の潜在化した護憲リベラルの期待に応えられるのか。

 横道に反れてしまったが、要は菅の電波利権をとことん暴くと、もはや自爆するほかないのだ。「野党は長男の正体をほぼ完ぺきに暴いたが、今は追及しない」というが、国民はそんなにのんびり構えて居られない。

 日銀の株買い操作一つ見ていても、気が狂いそうなのだから。


<菅解散・任期満了選挙が野党にはプラス!>

 「菅の下での解散総選挙か、菅の任期満了選挙が最善」という野党の高等選挙戦術を裏付けるような、予算委員会の集中審議ではある。


 自社2大政党時代とは、無縁のスイスイ国会の下で、1日5億円の国会経費が消えて行っている。菅や閣僚・官僚の嘘の連発が、国権の最高機関で毎日のように繰り返されている。こんな民主主義でいいのか。


<五輪中止か、強行してコロナ感染で総辞職必死か>

 五輪中止による菅退陣を期待する空気が、自民党内に蔓延してきたことも事実のようだ。万が一、一部の国の参加で強行したとしても、安全五輪は不可能である。事件事故発生による責任を取らされての菅退陣も、今から想定される政局展開であろう。安倍・菅の清和会政治の自滅を予感させている。

2021年2月24日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

政治の大変調と憲法軌道<本澤二郎の「日本の風景」(4003)

<2000年から20年の清和会・日本会議政治で墜落寸前>

 2月22日松江市の小松電機産業主催のZOOMによる平和シンポジウムで、10分間「日本の平和戦略」と題しておしゃべりする機会を提供された。聞き手がいるわけではない。一方的に話すだけで、映像には自身の顔だけが映る不思議な体験をした。


 この20年余の保守傍流・清和会政治は、保守本流のそれと大きく異なる。その点を少し理解してもらおうと考えたが、10分スピーチでは不可能である。いいっぱなし・聞きっぱなしで終わった。


 かつて日本軍国主義が侵略した隣国から嫌われている日本は、また隣国を嫌う日本人である。東アジアにナショナリズムがぶつかり合っている、危険極まりない国際環境にある。そのことすら気づかない日本人というのも、まことに困ったものである。


 この日も1日5億円を費やしながらの国権の最高機関・国会議事堂では、首相以下、大臣も官僚も大嘘をついて、まともな審議は行われなかった。これもひどい日本である。


 福田康夫は例外といえるが、森喜朗から始まった「神の国」という、神社神道カルト・日本会議によって翻弄された日本は、主権者が覚醒しないと、落下するばかりである。


<森喜朗の「天皇中心の神の国」=国家神道・天皇制国家主義>

 A級戦犯の岸信介を源流とする清和会は、ワシントンに服従することで

政権を担当、反共国家の日本へと舵を切った。それを正当化する日米安保・軍事同盟の強化だった。


 いったんは保守本流の吉田茂を源流とする、池田勇人・大平正芳・鈴木善幸・宮澤喜一らの護憲リベラル「宏池会」が逆転、佐藤派の田中角栄を巻き込んで、中国との国交を正常化したものの、森の国家神道派・日本会議が主導権を握るや、日本政治は大きく右カーブを切ってしまった。


 岸の傀儡政権である。背後で復活した財閥と、連立を組む公明党創価学会が選挙マシーンとなって、右翼政治が定着してゆく。天皇制国家主義への回帰ともなった。


<安倍晋三の森友学園支援=教育勅語復活に狂奔>

 森の天皇中心主義にならって、安倍晋三は教育勅語復活にかけた。第一次安倍内閣の悪しき成果は、教育基本法に戦前の教育勅語の根幹を押し込むことだった。これに公明党創価学会が賛成して成立させた。


 この延長線上で、教育勅語を教える極右・森友学園に対して、国有地を払い下げる、しかもタダ同然で強行した。安倍の指令に、財務省の麻生太郎が全面的に協力したのだが、3分の2を握る安倍の大嘘発言の連発で押し切ってしまった。

 しかし、公文書の捏造に耐えられず、正直な職員が自殺した。これの事件裁判は、これから本番を迎える。


 国家神道と教育勅語は、戦前の日本軍を侵略戦争に狩り立てた要素そのものである。その先に小泉純一郎の靖国参拝が続く。政教分離違反である。


<小泉純一郎の靖国参拝で戦前回帰実現>

 自民党政治を1972年から取材してきて、まさか国家神道(神社本庁)・教育勅語・靖国参拝が表面化することなど、全く思いもよらないことだった。


 戦前の天皇制国家主義の復活である。しかも、本来は戦争反対派のはずだった公明党創価学会が、公約を放棄して、あろうことかこれらを強く支持したことも、まさに驚天動地そのものだった。安倍内閣が強行した戦争三法(特定秘密保護法・自衛隊参戦法・共謀罪)は、信濃町の強力なアクセルの下で成立して、東アジアに衝撃を与えた。


A級戦犯・岸信介=国家主義・国家神道・教育勅語・靖国参拝>

 総括すると、これらの悪しき政治路線は、A級戦犯の岸信介が仲間や孫に遺言したものばかりである。


 侵略戦争に向き合ってこなかった戦前派は、歴史を正当化して恥じない。それが日韓関係で爆発した。36年間の植民地支配の怨念が、表面化して当然のことだった。


 安倍の半島蔑視は、自身の出自と関係しているのかもしれない。


<日米軍事同盟の強化=沖縄米軍基地強化=中国との対決>

 岸は米CIAのテコ入れで政権を手にしたものだが、それは必然的に亀井静香らのいう「アメリカのポチ」を意味する。


 実にみっともない話だが、小泉は初訪米で、ブッシュ・ジュニアの前で、プレスリーの真似をしてまでして、相手の歓心を買った。アメリカの日本属国化は、日米軍事同盟の強化に比例する。ワシントンから武器弾薬を、法外な値段で買い取ることだった。


 そのための消費税増税など、日本はアメリカのポケットを当たり前のように受け入れた。自立できない日本政府の下で、ワシントンの対中国戦略の要石・沖縄の基地強化もその一つだ。目下、米空母艦載機の訓練基地建設にも力を入れている。鹿児島県の無人島・馬毛島に血税を投入、そこに官房長官の加藤勝信らが暗躍して、暴利を手にしているとの疑惑が持ち上がっている。


<隣国から警戒される危うい日本=軍事同盟の解消の時来る!>

 日本の国際的な信頼度はないに等しい。東アジアで孤立する日本である。この20年の日本のすべての指標が、著しく落下している。幸福度でさえも。


 安倍は27回もプーチンと会談しながら、北方四島の返還に一歩も近づけなかった。返還すれば、そこに米軍基地が実現するためだ。沖縄が存在する限り、中国は安心できない。


 日米軍事同盟を解消しないと、東アジアの安定は確保できない。わかりきっている。軍事同盟を解消する、そのための自立した政府を打ち立てる、その時を迎えている。


<言論と議会の健全化=帆船日本丸による安全航海>

 東アジア5か国による平和友好条約を締結する。むろん、アメリカとも。「覇権放棄」が条約の根幹である。これこそが9条憲法の立場である。70年前にアジアと世界に約束した日本の公約である。今こそ憲法を定着させる時であって、改憲軍拡は愚の骨頂である。

 帆船日本丸による航海が、安全と安心を約束する。超自然エネルギー大国が、世界に貢献する日本だ。清和会政治をドブに捨てる時なのだ。


 衰退した言論の再生もまた、重要な課題といっていい。健全な言論と健全な議会が、民主主義の要諦なのである。主権者の覚醒が、今ほど求められる時はないだろう。

2021年2月23日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

福島原発が心配<本澤二郎の「日本の風景」(4002)

<全く信用できない真実を伝えない東電情報!?

最大震度6強を記録した福島県沖を震源とする巨大地震発生直後、国民の多くは、道路や住宅の被害よりも、手が付けられない(NOアンダーコントロール)の東電福島原発の重大被害を想定して、本気で震え上がった。上空を旋回する報道ヘリの映像に注目したが、それは全くなかった。その後に「何も起きなかった」という1秒程度のコメントで、新聞もテレビもやり過ごした。


 本当に何も起きなかったのか。ありえない。そんなはずはないと身構え・警戒する国民は、今も少なくない。案の定、6日後の2月19日になって東電が口を開いた。といっても、深刻な被害はない、という前提での情報発信である。余計に不安をかき立てている。

 今朝ほどの事情通が「今朝のテレビで、すごい揺れる原発を流していて震え上がった」と連絡してきた。映像を流布しないように、報道規制をかけているのである。


 福島東電について「アンダーコントロールしている」という首相が、国際社会に大嘘をついた。さらに、国際オリンピック委員会関係者を買収した。フランス検察の捜査は、現在も継続している。不条理極まりない利権五輪を獲得した、電通・東京都・JOCを率いる日本政府である。したがって、一度ついた嘘は、安倍事件でも露呈したように、次々と嘘つく必要がある。五輪利権ぶら下がる新聞テレビは、かりそめにも「福島が心配」という情報発信は出来ない。


 以上の経緯から、余計に福島原発1号機から2号機、3号機について、東北の人たちのみならず、日本国民と世界各国の選手1万人は、今回の地震の本当の被害を知ろうと、躍起になっている!1万人以上の奉仕団も。


<1、3号機水位低下で超高濃度の放射能漏れが危惧!>

 友人は「セクハラ女王の橋本は森の配下でないという証に、真っ先に原発現場を視察することが先決である。まずは安倍も菅も寄り付こうとしなかったフクシマを視察するしかない」と叫んでいる。


 「電通五輪の強行には、コロナを封じ、アンダーコントロールされていない東電原発放射能封じという、不可能な二つの、高くて乗り越えられない恐怖の壁を、乗り越えなくては不可能である」とも強く指摘している。


 バイデンではないが「科学で証明されなければ、アメリカは決断できない」と事実上の不参加を表明している。

 東電が重い腰を上げて、19日になって公表した1,3号機の水位の低下についての科学的根拠を示すしかない。示せないのだ。


<事実を科学的根拠に基づいて明かせ!五輪開催は不可能>

 科学が暴走して、地球と人類を危機に陥れてしまったことに、人々は気付き始めている。コロナにしても、科学の暴走と無関係ではあるまい。


 科学の暴走が、地球を温暖化させて、本来の地球を変異させて、破局へと向かっている、そんな中で東アジアでは、小さな人間の住めない岩の分捕り合戦を、本日も韓国と争っている。おかしい、狂っている人間社会は、政治が変調をきたしているからである。狂った為政者を、狂った大衆が支えている!それが日本で盛んだから、利権亡者が権力を掌握して、そこで利権ビジネス・利権イベントを強行しようとしている。


 科学は、人類を暴走させる元凶である。ゆえに科学を科学する科学能力を有している。「コロナも放射能も心配ない」という科学的証拠があれば、それを人類に証拠として示す必要がある。むろん、ない。


 放射能とコロナを阻止した、という証拠はない。大嘘で人類を騙すしかない。騙せないと、電通利権五輪は、バイデンの言い分に屈するほかないだろう。五輪開催はゼロ、不可能である。


<いまだに東芝製3号機核爆発をひた隠し=国民を欺く東電と東芝>

 筆者は何度でも、繰り返し発信する。フクシマ3号機のことである。東芝製であることを、いち早く知って驚いた。どうしてか。東芝病院の看護放棄で、信じられないような医療事故で、窒息死させられた次男の無念に、東芝は反省も謝罪もしない。刑事告訴しても検察を抑え込んで、不起訴にさせられた。

http://www.youtube.com/watch?v=pVp2NnY16g0

 犯人は東芝と電通である。次男の怒りの死が、東芝の3号機を見つけ出してくれたのだ。日本でたった一人、次男の死を乗り越えて、東芝製3号機の核爆発を突き止めた。毎日、次男に感謝している。


 東芝3号機核爆発は、国際社会の常識である。プルトニウム燃料棒の核爆発を、東芝も東電、日本政府もひた隠しして無駄なことである。許せるはずがない!かくして息子にせき立てられて、東芝ビジネスの悪徳を暴くという、厳しい運命に追い込まれてしまった。「原発廃炉運動の先頭に立て」と次男は、泉下で叫んでいる。後追いして逝った妻も、である。真の社会貢献であろう。


 プルトニウムを放出させた3号機、そこでの水位低下である。どこに漏れたのか、接触すれば人間は即死するだろう。核問題の専門家の、さらなる追求と追及が求められている。


 本日、島根県では「竹島の日」という政治的イベントに狂奔するというが、本当の脅威は、県都・松江市内に建設された原発であろう。54基原発廃炉に数百年を要するはずだ。プルトニウムは?


 清和会政治による政治の変調が、この国の将来を絶望視させている。

2021年2月22日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)


東京電力は19日、福島第1原発1号機と3号機で格納容器内の水位が数十センチ低下したと発表した。水位低下は1日数センチ程度のペースで続いている。原子炉への注水や、溶け落ちた核燃料(デブリ)の冷却は維持されており、東電は外部への放射能の影響はないとしている。13日には福島県沖を震源とする最大震度6強を記録した地震が発生。東電は「以前から配管などに損傷が見られ、損傷箇所が拡大した可能性もある」との見方を示した。同原発では、格納容器底部にあるデブリを冷却するため、毎時3トンの注水が継続されている。格納容器の損傷箇所から原子炉建屋に水が漏れているが、地震前は1号機では底部から約1.9メートル、3号機では約6.3メート (時事)

(追記)

昨日は風もやんで春の陽気、我が家の梅の白い花が満開。グミも小さなピンクの花を、ボケの蕾も膨らんでいる。それこそ、昨夜は数年ぶりに、熱燗の日本酒を流し込んだ。つまみは好物の納豆と、友人がくれたキムチ。のみ始めてると、突然予告なしに弟が、揚げたての天ぷらを持参した。中に、今朝とった薄緑色のフキノトウも。春本番の絶品だ。花咲く3月がすぐ近い。永田町では、看板を替えただけの、いわくつきの電通五輪狂騒曲の蠢動・余震がやまない。

安倍―200点外交<本澤二郎の「日本の風景」(4001)

<トランプのポチ=膨大な武器弾薬を買わされマイナス200点>

 「NHKが支えた安倍晋三内閣」の成果というと、幸福度だけでなく、内外政で日本を沈没させてしまったことであろう。日本会議という右翼・宗教カルトが災いをもたらしたものであろうが、亀井静香などは「アメリカのポチ」と分析した。「日本はアメリカの属国」と指摘する向きも少なくない。


 ポチは、ひたすら武器弾薬を買いこんで、ワシントンの死の商人に誉められた。国が疲弊した時は、真っ先に武器弾薬を放棄するしかないのだが、安倍・自公の宗教カルト政治は、その逆を貫いて、日本を地獄へ真っ逆さまに突き落とした。


 採点すると、マイナス200点が相当であろう。


<100歩後退したプーチンとのロシア外交もマイナス200点>

 安倍とプーチンとの会談は、27回にも及んだが、其の結果、一歩も前進しなかった。猫がじゃれついた姿を見せつけられた、北海道の元島民も泣くに泣けないだろう。それどころか200歩も後退してしまった。

 「さすがは安倍の小僧だ。プーチンに手玉に取られただけだった」となる。


 北方領土返還されるはずの島に、ロシア軍は軍事基地を建設した。日米軍を監視する任務を始めたし、ロシア憲法で領土の割譲禁止を明文化した。プーチン体制が続く限り、その後継者が政権を担当する限り、平和条約交渉は実現しない。共犯者は鈴木宗男や佐藤優か。


 これまたマイナス200点であろう。


<中国包囲網構築に60兆円の血税ばらまき=マイナス200点>

 安倍は、台湾の元総統・李登輝の弟子である。日本会議とも一体だ。安倍の実弟・岸信夫は、今の蔡英文と親しい。


 それかあらぬか、安倍の対中封じ込め外交は、中国の周辺国に金をバラまくという金銭外交を、かなり徹底的に敢行した。その額は総額60兆円である。社民党の福島瑞穂が、国会追及で明らかにさせた。


 いうなれば、それまでの自民党リベラルの、日中友好外交を封じ込めたことになる。ワシントンの反共勢力に、恭しく塩を贈ったものである。過去の冷戦構造下の手段を、大胆に貫徹したものだ。

 憲法の国際協調主義に反するもので、これまたマイナス200点だろう。お話にならない。追随した公明党創価学会も、北京の信頼を裏切ってしまった。


 安倍・国家主義のなれの果てか。ルーツはA級戦犯の岸信介である。戦前の価値観を、21世紀日本の政治に悪用したもので、到底納得することができない。これまた採点すると、マイナス200点であろう。 


<拉致・北朝鮮外交は改憲目当ての緊張づくりでマイナス200点>

 もういい加減にしてもらいたい。拉致被害者の会の無能無策ぶりについてだ。


 安倍・自公外交の拉致問題対策は、拉致被害者を日本に連れ戻すためと装いながら、実際はその反対だった。北朝鮮脅威論を内外に発信することで、東アジアに緊張をまき散らすことによる、無知な国民をナショナリズムの渦に巻き込むことだった。


 国内に改憲軍拡派を生み出すことだった。外交というよりも、謀略陰謀の類である。それに唯々諾々と従った家族会にも、責任が課されるだろう。マイナス200点である。


<歴史認識で寝た子を起こした日韓外交はマイナス200点>

 日韓関係は、村山・河野談話で決着を見ていたのだが、それを破壊して寝た子を起こした安倍・ナショナリスト外交だった。右翼の新聞やテレビ・雑誌を 

動員して、いまも攻勢をかけている。


 半島の人たちを傷つかせた深い傷口に塩を強く摺りこませてもので、戦後最悪の状態に追い込んでしまった。A級戦犯の孫の真骨頂であろう。半島におけるルーツの怨念闘争なのか。


 このことで匙を投げてしまったワシントンである。東アジアの同盟関係崩壊に怯えているが、元凶は安倍・日本会議の悪しき成果である。朝鮮半島に打ち込んだ深い毒矢を引き抜けるか?ほぼ絶望的である。

 本格的な護憲リベラル政権が誕生するまで、隣国との関係は正常化することはない。安倍は万死に値しよう。マイナス200点外交の極め付きだろう。

 


<台湾防衛でトランプと密約したインド太平洋戦略はマイナス500点>

 トランプを敗北させた元凶は、コロナである。バイデンはかろうじて勝利した。ワシントンの右翼とリベラルの戦いの熾烈化は、あたかも日本の戦前右翼と護憲リベラルの闘争に似ている。ただし、ワシントンの救いは、言論界にリベラルの風土が存在している。日本よりはましであろう。


 選挙敗北で、トランプは安倍との恐ろしい密約を暴露した。彼は武器弾薬を購入する安倍の、言いなりのアジア外交にのめり込んでいたのだ。安倍・トランプ密約は、軍事的に台湾防衛をするという、途方もない恐ろしい危険極まりない密約だった。


 安倍が、ことほど台湾にのめり込んでいたか、衝撃を受けるばかりだが、この危険極まりない密約について、議会も司法も沈黙している。トランプ失脚で救われたようなものだが、改めて安倍の国粋主義外交の、想定もできない危険度を証明したものである。国家主義政権は百害あって一利なしだ。


 なぜか野党まで及び腰だ。安倍の国会喚問は不可欠である。主権者である国民がまったく知らない、外交上の密約がいとも簡単に実現する!これほど恐ろしい外交が、21世紀の平和憲法下で行われたことに、日本の新聞テレビは全く報道していない。


 マイナス500点だ。安倍を島流しにすべきだ、との声もささやかれてきている。


<国家主義・日本会議の外交は世界の物笑い>

 ざっと安倍・日本会議・自公の外交を俯瞰すると、零点どころかマイナスである。成果は一つもない。


 日本に外交といえるものは、何一つないことが分かる。恐ろしい日本を露呈していることに、主権者は身構えなければなるまい。世界の物笑いで済ませる話ではない。


 安倍・日本会議を徹底分析する必要があろう。二度と繰り返さないために。日本の外務省を清和会OBなどは「御殿女中」と揶揄している。友人が秋葉事務次官をどやしつけた話も入ってきたが、彼は抗議に沈黙するだけだった。外務省に外交はない。高給で、酒浸りの日々を送っているだけなのだろうか。

2021年2月21日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

内務官僚の終焉<本澤二郎の「日本の風景」(4000)

<渡辺一太郎氏に人生をかけた石井正子さん逝く!>

 最近になって、ようやく携帯電話のSMSで連絡を取ることが出来るようになった。つながった相手の一人から「石井さんが亡くなった」という意外な知らせに愕然。彼女はまだ若い。場所が千葉県船橋市だ。コロナか?と不安が頭をよぎる。彼女は、戦前の内務官僚・渡辺一太郎さんの秘書になって、結婚もしないで、人生のすべてをかけた。灘尾広吉を筆頭に中曽根康弘や町村金吾・後藤田正晴・秦野章・奥野誠亮・古井喜美らがよく知られている内務官僚出身政治家だ。戦後政治においても、保守党内で特異な戦前派の世界を死守していた。


 国民の人権に対して、猛然と襲い掛かった治安の内務省ゆえに、敗戦後に廃止されたが、それでも戦前のエリート官僚たちは、不死鳥のごとく戦後も官界の元王者として結束、その多くが政界入りした。石井さんを通しての会話から、内務官僚が与党を中心に集結、戦後も結束を図り、定期的に会合をもって、水面下で大きな政治力を行使していたことを知った。国民は全く知りようがなかったが、彼らが靖国の国家護持(国家神道)や教育勅語、はたまた元号や日の丸・国旗や改憲軍拡に主導的な役割を果たしてきた。

 彼らの政治後輩たちが、森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三らだ。

 右翼の牙城といってもいい。


 灘尾を中心に台湾との関係も深く、政権与党の右翼勢力をまとめ上げてもいた。奥野もその方面のリーダー格だった。いわゆる戦前の国家主義下、その実行部隊として国民生活にも関与、特に自由主義者や共産主義者の監視や拘束に異常な力を発揮、人々に恐れられていた。


<ハマコー逮捕に情熱を傾けた気骨のある内務官僚>

 渡辺さんとの交流は、彼が参院議員時代に、問題の元号法の制定について、特別委員会の委員長をしていたことからである。そこで秘書の石井さんとも。


 彼の千葉県警本部長時代は、やくざ県議のハマコー逮捕に情熱を傾けた、と本人から聞かされて、俄然親しくなった。「田中さんに近づいてきた時は、危ないから接触するな、と本人に注意した」というやくざ追放の正義心に感心させられたものだ。昨今、やくざとつるんでいる政治屋が多いと聞く。第一、ハマコーの倅でさえも、公明党創価学会の支援を受けてバッジをつけている。清和会OBは「ハマコーの運転手も今、千葉県選出の参院議員だ」と指摘、ことほど千葉県はやくざ跋扈の風土なのだ。


 やくざ強姦魔に殺害された美人栄養士は、木更津市の住人である。千葉県警・木更津署は、この殺人事件に対して捜査をする気配を見せない。「公明党創価学会の圧力」との疑惑も浮上している。さらには「菅義偉の子分のような創価学会副会長が60歳定年を理由に更迭されたが、この殺人事件でも、背後で彼が糸を引いていた可能性を否定できない」とする見方も浮上している。


<日中友好の古井・護憲リベラルの後藤田>

 内務官僚もそれぞれ個性がある。中国嫌いの台湾派が大方の相場だが、古井喜美は違った。日中国交正常化の立て役者・大平正芳の手足となって汗をかいた人物は、鳥取県の古井喜美だ。


 中国外交部きっての日本通の肖向前さんは、古井から大平の知られざる苦闘の歴史を知った。以来、彼は「大平さんが日本を代表する国際政治家」と筆者に何度も語った。大平の活躍を、中国外交部の日本通から学んだというのも情けない。


 後藤田正晴は、田中の指示を受けて中曽根内閣の官房長官に就任したが、筆者もメンバーだった在京政治部長会が、中曽根後藤田の二人を向島の料亭に招いたとき、後者に「首相を目指してはどうか」と水を向けてみた。「もう年齢が許さんよ」といって手を左右に振った。彼の真骨頂は「わしの目が黒い間、決して中曽根改憲は許さない」と内務省先輩として中曽根にドスを突き付けて、けん制したものだ。彼は平和軍縮派・宇都宮徳馬さんの旧制水戸高の後輩である。


<中曽根の金庫番について教えてくれた渡辺秘書>

 金庫番というと、決まって女性である。理由は「裏切らない」ためであるという。永田町の有名人は佐藤昭さんだ。田中角栄の金庫番で知られた。


 中曽根にも金庫番がいた。むろん、女性である。普通の中曽根取材をしていると、彼女に出くわすことはない。普段は男性の上和田が秘書連の総大将だったが、一枚めくらないと、彼女の存在は見えなかった。


 だが、石井さんは内務官僚政治家の関係で、彼女の友達だった。国会議員が元内務官僚同士だったからだ。「私も昭さんのようになって見せる」と豪語していたという。石井伝聞である。政治家と金庫番は、体も心も一体なのである。


 佐藤昭さんとは、高鳥修代議士の紹介で一度会ったことがある。確かにやり手の金庫番だ。残念ながら中曽根の金庫番に会う機会はなかった。今どうしているだろうか。元気なら石井正子葬儀に顔を出したはずである。一昨年亡くなった中曽根は、金庫番に何を相続したものか。多少は興味がある。


<渡辺氏の一大成果「天皇は朝鮮族」の遺言!>

 日本敗戦の大混乱の時期、渡辺さんは天皇が参詣する伊勢神宮のある、三重県の警察本部長に就任した。そこで、彼は重大な事実を見つけた。彼の人生最大の成果であろう。しかし、それを誰にも言い出すことが出来なかった。


 彼は歴史の証言者として、親しいジャーナリストの筆者に託した。いわば遺言である。

 「天皇は朝鮮族である」と当時は驚愕するような証言した。さすがの新聞記者も度肝を抜かれてしまった。


 いまでこそ岸信介や安倍晋太郎、晋三や小泉純一郎など清和会には、朝鮮半島をルーツにする政界関係者は、少なくないことが分かってきている。彼らは、密かに政界への階段を用意している?そうだとしても「天皇家も」となると、心穏やかではない右翼は少なくない。が記者が記事にしようとしても、会社が許すはずもない。戦前の雰囲気が今も継承されているような天皇報道である。


 渡辺の説明では、毎日のように伊勢神宮の内部に分け入って、多くの資料その他を調べつくした結論である、といって胸を張った。当分の間は、伊勢神宮の秘密をつかんだ最初で最後の人物なのだ。

 歴史家が証明する時が、必ず来るだろうが、それがいつなのか? 


<「ツウサンを帰化させて」に前田勲男法相に直訴=彼女への返礼>

 内務官僚政治家秘書から、一度重い陳情を引き受けさせられてしまった。彼女の知り合いの中国人留学生・ツウサンを「帰化させてほしい」という途方もない用件である。だいたい帰化などということも理解できない政治記者だったのだから。


 しかし、渡辺さんの秘書からである。幸運なことに、当時の法相はよく知る前田勲男さんだ。ともあれ直訴してみた。まるで奇跡が起こったかのように、スイスイと帰化できた。


<「日中平和交流21」の南京盧溝橋平和行脚実現に貢献>

 もう20年以上前のことである。そのころ日中友好活動を活発化させていた。日中平和友好21なる形だけの組織を立ち上げ、ここを基盤に中国への友好訪問を始めようとしていた。

 ツウサンの中国大使館や旅行社の人脈を、存分に利用させてもらった。1995年の戦後50年、南京と盧溝橋へと50人を引率、平和行脚を敢行した。ツウサン夫妻が事務局を引き受けてくれた。


 朝日新聞千葉版の記者が取材、大きく記事にしてくれた。おかげで大学教授・高校歴史教師らのほか、宇都宮徳馬秘書(現在太田区長)・亀田病院事務長・農協職員・JR職員・家庭の主婦なども。

 実は、この時にやくざ強姦魔に殺害された戦争遺児もいた。彼女は次女とその恋人も同行させた。戦後50年記念の南京・盧溝橋の旅は見事成功した。


<新疆ウイグル自治区への観光実現=千葉県警幹部夫人同行>

 ツウサンには、もう人肌脱いでもらった。石井秘書が、旅先としては安全とは言えなかった中国西方のシルクロード方面の新疆ウイグル地区の旅を計画したのだ。


 この度には、渡辺さんの配下のような千葉県警幹部の夫人連が多く参加した。水口・唐鎌両氏夫人が、石井さんに従った。旅先でバスを止めて、山のようなおいしいハミグワを食べたことが忘れられない。


 その後、何度も北京で新疆のウリを食べたが、旅行先の熟れた味を見つけることはない。

 その後、ほぼ20年ほど石井さんとは、音信不通が続いた。 「石井死去」を知らせてくれたのは、いくつか千葉県警の署長を歴任して、第二の人生を歩んでいる唐鎌さんだった。


 書き終わってみると、途中から夢を見ているような、内務省のことと、渡辺さんの天皇朝鮮族証言、石井さんとの日中交流話になった。とはいえ人生は無情なり!

2021年2月20日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

↑このページのトップヘ