日本の恥部また一つ<本澤二郎の「日本の風景」(3549)

<ゴーン会見で前近代司法制度が欧米で暴露>

 まるでハリウッド映画のような、元日産CEOのレバノンへの逃亡劇に、世界は驚いていたが、今度は本人が堂々の記者会見(18日)で、日本の前近代そのものの司法制度を、具体的に指摘、多くの人々の共感を得た。


 事件当初は、生活保護世帯レベルの年金生活者の目には、ゴーンの途方もない報酬額に驚愕、さもありなんと高見の見学に徹してきたが、130日という監獄での弁護士なしの取り調べと、妻とも接見させない悪辣な保釈条件、昨日の会見では「自白しないと家族をおいかける」という、文字通りの法務検察のやくざまがいの国策捜査に、世界の識者の多くが共感を覚えたようだ。


 特に善良な日本人は、安倍晋三の相次ぐ犯罪について、見向きもしない法務検察、逆に、事件の隠ぺいや不起訴にした役人が、出世するという現実を突きつけられた2019年だった。


 かくして戦後の一時期、世界経済大国ともてはやされていた日本の恥部の新たな露呈に対して、先月29日からの法務検察の狼狽ぶりが、いかにも漫画的で、テレビドラマを見ているよりも楽しい気分にさせられるというのも、極右の安倍・自公・日本会議政権ゆえでもあろう。 


<レイプ文化にプラス、日本先進国論は偽りだった>

 実際に生きてきて過去を振り返ると、孔子の言い分が大分ずれていることに気づく昨今である。日本の恥部となって久しいレイプ・強姦文化を知ったのは、つい最近のことである。

 それでいて当事者である女性が立ち上がろうとしない日本である。正しくは一人立った。TBS山口強姦魔に伊藤詩織さんが、槍で突いている。ドン・キホーテではない。強姦魔の人生を事実上、奪ってしまった。彼女こそが、21世紀の日本の女性指導者となろう。


 今回カルロス・ゴーン逃亡事件によって、日本の司法制度が欧米の基準から遠くにあることを証明してくれた。

 日本の法務検察と警察は、友人によると「税金泥棒」と断じている。同じような指摘を人権派の弁護士からも聞いた。悪党にも人権があるのだから、せめて弁護士の立ち合いは必要であろう。

 長時間の取り調べで、被疑者を眠らせない拷問捜査は、容認できるものではない。「家族を追いかける」という脅しは、まさにやくざ暴力団の手口である。


 要するに、日本は欧米先進国と肩を並べられる、先進国という政府の好きな言い分は嘘だったのだ。すぐさま司法制度改革に取り組む契機にしたらいい。

 日本は後進国なのだ。それは物つくりの分野でも。欧米の物まねでしかなかったのだから。


<法務検察に関与した日本人の常識>

 ゴーン会見の内容を日本の弁護士は直接体験していて、よく知っている。警察と検察の不当な取り調べを目撃しているからだ。


 筆者が気づいたのは、311の2011年ごろだった。東芝医療事故死が我が息子に襲い掛かったものの、東芝は反省も謝罪もしない。

 週刊新潮に東芝病院の不当な措置を大きく取り上げても、東芝は三井財閥をかさに着て一顧だにしなかった。やむなく警視庁に刑事告訴した。財閥病院に対する初めての告訴であるにもかかわらず、共同通信も時事通信も報道しなかった。TBSテレビのほか、朝日新聞と東京新聞が小さく記事にしただけだった。

 電通を動かした三井・東芝だった。命を軽視する法務検察と財閥なのだ。


 警視庁による書類送検も、東京地検の松本朗という悪党検事が不起訴にした。弱者の願いを踏み潰す法務検察だった。


<医療事故死の東芝病院告訴も検察不起訴>

 日本では強姦事件もそうだが、医療事故死事件もほとんどが泣き寝入りである。被害者はゴマンといるのだが、刑事告訴する事例は少ない。告訴しても警察が受理しない。


 筆者の場合は受理したが、理由はジャーナリストへの一応の敬意だったのかもしれない。しかし、その先は財閥病院のペースで進行した。

 患者急死の場合、病院は警察に通報、遺体の解剖をするのだが、これをしない病院が多い。検事の松本朗は「解剖していないので死因が特定できない」という屁理屈で不起訴にした。


 ここから見える日本の司法は、検察がすべて生殺与奪の権利を独占している。ここもおかしい。起訴する、しないの権限が検事の手に握られている。

 体験して初めて知ったことだが、日本の法曹界の後進性をも裏付けている。


<検察審査会は形だけで検察の言いなり>

 この検察独裁に対して、一つだけ救済機関を設けている。不服があれば「検察審査会」に申し立てができるというのだが、これも悪辣な組織でしかない。


 全くの素人を11人選任して、そこに担当検事が適当な資料と説明をするだけである。11人は検事の言い分を聞いて「はいそうですか」で幕が下りる。検察独占そのもので、形だけの制度となっている。


<伊藤詩織さんは体験したばかり>

 TBS山口強姦魔事件を告訴した伊藤詩織さんも、同じような体験をした。

 強姦魔逮捕直前に、警視庁刑事部長の中村格が止めてしまった。改めて捜査一課に再捜査、書類送検して検事が不起訴にした。


 強姦魔救済のお上の手口である。警察も検察も官邸の意向に逆らうことはできない。前近代の起訴制度である。中立・公正は、権力の不正によって崩壊しているのである。

 小沢一郎も同じような体験をしている。小沢内閣ができれば、真っ先に司法制度改革に取り組むだろう。

 犯罪捜査制度がこのレベルだから、捜査の公正を担保する現状にはない日本である。


<亀井静香の死刑廃止論>

 自民党リベラル派の志賀節は、三木武夫側近として活躍した人物で、死刑廃止議員連盟を立ち上げた。

 彼は議員連盟に、警察官僚OBの亀井静香も参加していることを教えてくれた。メンバーになった理由がすばらしい。

 「警察は男を女、女を男にする以外は何でもできる。無罪の人間を死刑にもできる。冤罪は日常茶飯事。冤罪を禁じるために死刑は廃止すべきだ」

 警察の内情から見た死刑廃止論である。正論であろう。いまの司法制度の下では、警察検察は何でもできるのだ。東芝を救った検事の松本朗は、ほかにもいる。強姦魔を救った警察と検察も露見したではないか。


<「木更津レイプ殺人事件」に注目>

 筆者は、ここ数年、戦争遺児が浜名というやくざに強姦、性奴隷の挙句に殺害された「木更津レイプ殺人事件」を徹底追及、正義のペンを振るってきた。

 千葉県警と木更津署がどう処理するのか、しないのか。そのカギを握っている警察でもある。ゴーン事件はプラス面も少なくない。

202019日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

三宅雪子元議員逝く!<本澤二郎の「日本の風景」(3548)

<小沢一郎に自責の念>

 2019年で自ら人生の幕を閉じた三宅雪子は、まだ若いのに哀れである。何が、誰が彼女を追い詰めたのか。彼女に家族はいたのか、いなかったのか。


 当初は何者なのか、全く知らなかった。ネット情報から徐々に分かってきた。父親は三宅和助というから、真っ当な外交官である。数回電話で話したことがある。祖父の石田博英は、ポスト鳩山の自民党総裁選で、A級戦犯の岸信介を23位連合で破り、石橋湛山を勝利させた大参謀だ。


 彼女はフジテレビ勤務、リベラル派の住めない職場だ。そこに小沢が政界へと引きずり込んだ。ただし、小沢本人には地盤看板カバンの三バンがそろっていたが、雪子には地盤もカバンもなかった。

 小沢の親分の田中角栄や竹下登は面倒見のいい政治家だったが、小沢にはそこが欠けていた。雪子自殺で一番責任を感じているのは小沢であろう。もはや三宅雪子はこの世にいない。彼女には、障害を持った弟がいるという。これからどうなるのか。心が痛い。


<なぜ福田康夫にぶつけたのか>

 彼女の政界での動向を見ると、実に不思議なことが分かった。靖国神社や日本会議、笹川陽平にも屈しない清和会の御曹司・福田康夫の選挙区に投げ込んでいる。

 清和会人間で、笹川の金にぶら下がろうとしないたった一人の福田である。靖国神社にも抵抗、いわんや極右の日本会議に接触しない福田は、まともな政治家である。彼は父親の悪いところに手を出していない。そこが素晴らしい。安倍や小泉や森とは、比べ物にならない。


 落選覚悟の捨て石として、群馬の選挙区に刺客として送り込まれた三宅である。どうせなら政界の悪党を相手に、四つ相撲をさせるべきだった。当時の小沢も、頭脳が狂ってしまっていたのだろうか。あるいは、何か特別な事情があったのだろうか。


<野田退治に徹底、比例名簿1位条件にすべきだった>

 彼女の2回目の選挙は、実にまともだった。この辺の様子も詳しくないのだが、千葉4区で松下政経塾の野田に体当たりした。ここはまともな対応であるが、彼女を比例名簿1位にしての出馬だったのか。

 たとえ敗れても比例上位で当選すれば、次の選挙で野田を叩き落せたかもしれなかった。野田は松下政経塾である。松下幸之助が晩年の遊び心で立ち上げた極右政治塾。改憲志向だから安倍と大差などない。

 しかも、野田は公約に違反して消費税を8%、ついで10%へと自公と歩調を合わせた悪党政治屋である。三宅雪子の相手に不足はなかった。


 この大事な選挙に小沢がどの程度、力こぶを入れることができたのか?事情が分かれば、選挙の応援演説を引き受けたかったといま思う。

 野田が巣食う民主党の前途は残念ながら暗い。予見できる。


<真冬の東京湾は冷たかったろう>

 もはやあれこれ言っても始まらない。雪子は二度とこの世に現れることはないのだから。自宅は港区の高級住宅地だとか。東京湾は確かに近い。


 だからといって、真冬の凍り付くような海に。殺害されたわけでもないとすると、そこへと足、腰、体全体を!想像するだけでも、ぞっとする場面である。酒や薬の世話になっていたとしても、凡人には到底そんな勇気などない。


 それでも入水自殺?


<死をもって訴えたかった事とは>

 彼女が死をもって訴えたかったこと、叫びたかった事とは?


 遺書を残しているという。不可解なのは、昨年暮れの自殺だと想定されるが、発見は12日。それでいて、報じられたのは16日。4日間の空白がある。知られたくない、不都合な秘密が隠されているのだろうか。遺族が姿を見せていない。


 最近の警察を信じない国民は増えている。筆者もその一人かもしれない。公正・中立の警察でなくなっている。

 捜査をしたりしなかったりする警察である。あるいは特定人物の犯罪を隠ぺいしたり、不起訴にする警視庁である。


 彼女はジャーナリストのはしくれとして、むざむざと死を選んではいない。何かのために人生を閉じたはずである。三宅雪子の死は、それが明らかになるまで、人々の脳裏に棲みついて離れない。

202018日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

安倍・笹川の強姦魔逃亡計画?<本澤二郎の「日本の風景」(3547)

<岸信介・笹川良一の長くて深い競艇賭博人脈>

 戦後第一回目の鳩山一郎の自由党が選挙で勝利した原因・原動力は、戦後右翼のドンとして恐れられた児玉誉士夫の、日本敗戦直前に中国大陸から略奪してきた、プラチナなどの貴金属類の一部を札束に替えて、大掛かりな買収選挙を行使したことによる。中国侵略の悪しき実績が、戦後保守を台頭させたものである。この闇の真実を教えてくれた人物は、小泉純一郎内閣のご意見番として知られた松野頼三、彼の父親は、戦後の経済復興を実現した吉田茂長期政権の御三家の一人、松野鶴平である。


 鳩山一郎内閣の黒幕となった児玉、そして幹事長として仕えた岸、この児玉の使い走り役となって児玉同様、闇の世界の実力者となった笹川良一。戦後保守政治の正統化できない、深すぎる恥部について、現在の政治屋とほとんどの国民は知らない。自民党右翼は、えらそうな顔など出来るものではない。


 この悪しき不正腐敗人脈が、TBS山口強姦魔の逃亡計画で浮上したことを、日本女性の一番勇気ある伊藤詩織さんが明らかにしたのだが、反省を知らない強姦魔は、悪しき権力を背景に控訴した、と昨日報じられた。


<保守戦前派政治屋とグルの右翼暴力団の不正腐敗人脈>

 児玉は岸と共に軍事利権、ついでナベツネと共に中曽根康弘と共闘したのだが、笹川は競艇ギャンブルに手を出し、事実上、それを独占した。背後の支援者が岸や佐藤栄作、ついで福田赳夫、岸の線で安倍晋太郎、晋三へとつながった。暴力を背景とした、恐ろしい闇人脈が、現在の自民党の心臓部に突き刺さったまま、時にそれが浮上する、自民党の大いなる特徴・恥部となっている。


 戦後の日本政治史は、正確に言うと、したがってまともな書物はない。嘘・偽りの政治史でしかない。その責任は日本国民、学者、文化人、ジャーナリストにある。

 ここでは、その責めを果たしながら、伊藤詩織さんが追及して止まない山口強姦魔の非を指摘することが、これまたジャーナリストの責務であろう。同時に山口を雇用したTBS責任についても、弾劾するものである。


 ずばりこの強姦魔もみ消し事件は、闇の悪しき権力犯罪である。対するは、女性が決して譲歩できない人格・人権問題でもある。全女性が直視しなければならない重大事件でもある。


 これの刑事事件は、警察と検察を操る悪しき官邸によって、事件は封じ込められてしまったが、民事では東京地裁の判事が、中立・公正に強姦を事実認定した。これで幕引きのはずだが、悪党はそれでも肩ひじをひけらかして、世論をひっくり返せるという思い上がりに執着しているが、高裁が政治的判断をすれば、それこそ全国民と世界の全女性が反撃に立ち上がる。予見できる。


<強姦魔の逃亡先は、笹川財団経由の米東西センター>

 詩織さんの元へと内部告発があった。「強姦魔がアメリカの研究機関のようなところに籍を置いた」という意外な情報である。

 彼女はさっそくアメリカに飛んだ。東西センターは、日本人にはあまりなじみのない研究施設だ。彼女はそこで、強姦魔が笹川財団の特別ルートを使って、研究員になったことを、調べ上げたのだ。


 官邸の闇人脈を承知している者であれば、即座に膝をたたく場面である。さすがは詩織ジャーナリストである。

 東西センターには、笹川資金が流れていたのだ。これなら直ちにOKが取れる。しかし、時期的にどうだったのか。筆者に資料がない。たとえ特別ルートだとしても、強姦魔を入会させるような研究センターは、アメリカ広いといえどもそんな機関・施設はない。


 結果的に強姦魔の研究員は実現しなかったのだが、問題は強姦魔のために「笹川が動いた」という事実は大きい。嘘の塊のような安倍は白状しないだろうが、野党は笹川側を徹底追及すれば、真実の一部が露見するだろう。

 安倍スポンサーのギャンブル財団は、古くは運輸省、現在は国交省管轄である。ここに来ると、カジノがそうだったが、久しく公明党創価学会の牙城でもあることが判明する。


 田中角栄内閣の時、競艇ギャンブルを独占する笹川良一に対して、田中がやめさせようと攻勢をかけたことがあった。しかし、笹川は福田の清和会に逃げて、危機を乗り切っている。

 ギャンブル利権に食らいつく清和会には、反吐が出る。自民党ナショナリスト軍団は、入れ墨やくざから死の商人まで、危ない人脈を囲い込んでいる。その一端が、はしなくも強姦魔の逃亡計画で発覚・露呈したことになろう。


<旧一色村のオウム基地が安倍・笹川家の別荘>

 オウム事件を社会部事件として、一般の報道記事でしか見てこなかったのが悔やまれる。安倍と親しい石原慎太郎が関係していることはわかっている。となると台湾派の森喜朗も登場するのだろうか。二人は反中派の青嵐会の同士だ。東京五輪に奔走、森はいま五輪利権の主役になっている。

 オウム事件の中核が、山梨県の旧一色村という。いまそこの広大な用地が笹川の別荘という。隣が安倍晋三がよく利用している安倍別荘という。このことをまず知りたい。

 オウムー笹川ー安倍という不可解な関係の有無が不明である。三者に関係する糸があったのかどうか。どなたかに教えを請いたい。臭い。


<オウム処刑前夜の安倍と上川法相らの乾杯>

 オウム死刑囚を一括して処刑した人物は、たしか上川という女性法務大臣だった。彼女を起用した理由は、この一点にあったことが、いまは理解できる。


 それというのも、上川がオウム処刑の決断をした前夜、安倍と飲んだくれていた写真が、ネットに流れた。まさかとは思いたくないが、やはり安倍とオウムの関係はどうなのか。「もう邪魔になったので、早く消えてほしい」といった思いがあったのかどうか。下衆の勘繰りかもしれないが、上川と安倍の処刑前夜祭の乾杯風景が、今も記憶に残っている。


<笹川別荘での安倍・森・小泉の清和会飲み食いとゴルフ三昧>

 競艇ギャンブルと財団を率いる笹川陽平は、いまや天下を取ったような気分に違いない。父親のギャンブル利益を足場にして、日本とか東京を冠にした財団まで組織化した息子の陽平は、1年に一度、清和会の現元の首相経験者を別荘に呼んで飲み食い、翌日はゴルフだ。

 それをこっそりとやるのではなく、公然と全国民にひけらかしているのである。それをネットにも流して、栄耀栄華を極めている笹川である。

 世間では「賭博のあんちゃんが、二代目になって、清和会首相らを手玉に取っている」と評判するのが、うれしくてたまらないのであろう。


 ただし、この仲間に福田赳夫の息子の康夫は入らない。拒絶している。「私は親父と違う」と政治家としての矜持を死守して、笹川の軍門に下ることを良しとしていない。康夫と安倍は、格が違う。韓国や中国との友好に棹差して揺るがない。鳩山由紀夫にもそれがいえる。まともである。


<岸信介を岸君と呼んだ千葉三郎が「笹川さん」>

 A級戦犯として巣鴨に拘束された岸と児玉、この岸を岸君と呼んでいた人物が、自民党最右翼反共勢力の素心会を率いた千葉三郎である。


 選挙区が同じだった関係で、よく千葉事務所をのぞいた。そこに統一教会・勝共連合の若者が押しかけてきて、運転手をしていた。茂原出身の寺部女史が、事務所の一切を取り仕切っていた。

 佐藤栄作が首相を辞めた後、初めて佐藤との単独会見に成功したが、確か千葉の声かけの成果だった。

 彼は一度労働大臣になったが、二度と入閣しなかった。「金を出さないと大臣になれないと分かったので」とあっさりと白状した。永田町では清廉の士で知られたが、それゆえか岸の盟友・児玉が話題になることはなかった。


 ただし、笹川良一について「笹川さん」と呼んだ。笹川の金と関係したのであろうか。岸と笹川の人脈は、孫と息子へと続いている。持ちつもたれつだ。ジャパンライフの山口とは35年の歴史がある安倍家であるが、笹川とは60年前からなのだ。


<福田・清和会集金パーティーに登壇した笹川良一>

 70年代か80年代の初めだったと思う。福田赳夫の清和会の集金パーティーが、都内のホテルで開催された。

 そこでハプニングが起きた。壇上に白い髪をした老人が、威勢よく駆け足で駆け上がった。おそらく80代のころの笹川だった。競艇ギャンブルがどういうものか、全く知らないが、よほど暴利を手にしてたのであろう。

 大金の闇献金者は、自民党派閥内で遠慮するところがなかった。好きな時、好きな場所でなんでも出来たのだ。他の派閥で笹川の名前は聞かなかった。笹川は腹違いの息子を政界に送り込んでもいた。

 右翼暴力団を背景にしたギャンブル利権の人物が、運輸省を抑え込み、公然と派閥の世界に躍り出た瞬間だった。

 いま二代目は船舶振興会から財団を擁立して、大きく羽を伸ばしている。安倍晋三は、その人脈を利用して強姦魔をかくまおうとした疑惑が浮上したことになろう。詩織さんの成果だ。


 岸は60年前の60年安保を強行するためにやくざ暴力団を動員した。今回の詩織さん事件で、家族などに大掛かりないじめ・嫌がらせがあったと聞く。まさか、これに笹川が関与していないのか、大いに気になってきた。


 安倍・笹川・山口に大義も正義もない。国民は知ってしまった。

202017日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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