憲法記念日は五月晴れ<本澤二郎の「日本の風景」(3303)

<破憲の安倍・自公内閣を駆逐せよ、が天地の声>

 平成最後の4月30日、令和の5月1日、2日と悪天候が続いたが、憲法記念日の5月3日は、文句なしの五月晴れ。鶯のさえずりも、一段とさえわたっている。天と地が平和憲法を祝ってくれている!2019年危機を撃破せよ、との声であろう。破憲の安倍・自公・日本会議を駆逐せよ、が2019年5月3日の、平和を希求するアジア諸国民へのメッセージでもあろう。

 戦前の国家神道・財閥・軍閥の完全復活阻止を誓い合う2019・5・3でありたい。天皇退位から新天皇・新元号へと、166億円の血税巨費を悪用しての、破憲の野望に対して、平和を希求する主権者は、断じて敗北するような事態を招いてはならない。


 平和軍縮へと舵を切り、帆船・日本丸の航海が、21世紀の地球号の姿である。その先頭に、日本は立つ。そのことを1947年のこの日に、全国民が誓って誕生させた世界の宝物が日本国憲法である。

<「あたらしい憲法のはなし」(文部省)を聞こう>

 手元に「あたらしい憲法のはなし」というすばらしい本がある。敗戦2年後の8月、文部省が発行、全国の中学1年生の教科書として学んだものである。

 まじめで、まともな教師と出会えた当時の生徒は、この教科書を読んでいるわけだから、破憲首相の国会での嘘答弁を即座に見抜いたろう。そこに軍靴の足音を聞いて、もう7年目である。


 「みなさん、あたらしい憲法ができました。そうして昭和22年5月3日から、私たち日本国民は、この憲法を守ってゆくことになりました」という冒頭の文字が、今読んでみても新鮮だ。この憲法教科書だと、家庭教師の平沢勝栄もできの悪い生徒を、モノサシを使わずに教えられたはずだ。


 この本は復刻版である。埼玉県越谷市の人権派弁護士・遠藤順子女史に「読むように」といただいたものである。国会議員の多くは、憲法を学んでいない。不思議なことだが、これは事実である。特に自民党議員は読んでいない。この本だと、みなさん読了できる。本を読まない首相から目を通してもらいたい。読めば暴政しなくなるかもしれない。


 憲法は最高法規、基本的人権について説明、この憲法が日本国民が作った最初のものだとも。

 「これまであった憲法は、明治22年にできたもので、これは明治天皇がつくって国民に与えられたもです。しかし、こんどのあたらしい憲法は、日本国民がじぶんでつくったもので、日本国民ぜんたいの意見で、自由につくられたものであります」

 「この国民ぜんたいの意見を知るために、昭和21年4月10日に総選挙が行われ、あたらしい国民の代表がえらばれて、その人々がこの憲法をつくったのです。あたらしい憲法は、国民ぜんたいで作ったということになるのです」


 ついで、日本国憲法が、国際平和主義・民主主義・主権在民主義で成り立っていることを教えている。非の打ちどころのない憲法であることを、強く指摘して、天皇は「政治に関係しない」「象徴である」、国を治めるのは国民がやってゆく、そして「天皇は神様でない。国民と同じ人間」と説明している。


 ということから、森喜朗が首相時代に吐いた「日本は天皇中心の神の国」発言は、憲法に違反する。

<戦争=人間と国を亡ぼす>

 戦争放棄については「戦争して、日本の国はどんな利益がありましたか。何もありません。ただおそろしい、かなしいことが、おこっただけではありませんか。戦争は人間をほろぼすことです」と教えている。


 破憲首相と国民の乖離は、この一点にある。「戦争は人間、国を亡ぼす」

それでいて武器弾薬の蓄積にまい進する安倍・自公内閣は、売国奴どころか日本人と日本国を亡ぼそうというのである。

 1947年の当時の霞が関の官僚は立派である。安倍とは真逆の立場・価値観であることが理解できるだろう。

<戦争放棄=武器弾薬の放棄=正しい道=一番強い手段>

 「そこでこんどの憲法では、日本の国が、決して二度と戦争をしないように、二つのことを決めました」

 「兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争するためのものは、いっさいもたない。これが戦力の放棄です。しかし、みなさんは、決して心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中の正しいことぐらい強いものはありません」

<死の商人=財閥NO

 江戸時代の商人は、明治維新を推進して、一躍士農工商の一番手に躍り出た。福沢諭吉の思想的立場で、彼はそのために慶應義塾大学を設立した。

 明治に政商から、戦争景気で財閥にのし上がり、相次ぐ侵略戦争を起こした。その芽をつぶした日本国憲法なのだ。破憲の黒幕は、戦後に復活した財閥である。まことにすごい先進的な憲法なのである。

2019年5月3日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

皇室の民主化を急げ!<本澤二郎の「日本の風景」(3302)

<元外交官・雅子皇后と秋篠宮に期待が集まる>

 4月30日に平成天皇が引退、5月1日に皇太子が新天皇になり、同時に令和が始まったが、ともに2019年で、あとはすべて同じ流れで、何も変わっていない。

 憲法の象徴天皇が、平和的に交代した、ただそれだけのことである。それに166億円の予算を投入した、このことに貧困社会の民衆が反発を強めて当然であろう。

 戦後最悪の極右政権の、皇室政治利用は極まっている。すでに令和と決めた過程で、憲法違反を指摘する専門家もいる。訴訟事になるかも。重大深刻なことは、主権者が油断すると、2019年危機が表面化、日本は戦争国家へと突き進む。その勝敗が、数か月後の衆参同時選挙で決まる。

 それはまず棚上げにして、皇室の新体制にまずは、国民を代表して、皇室の民主化を急げと、強く要望したい。幸い、元外交官として国際情勢にも明るい雅子皇后、憲法の政教分離原則を重視する秋篠宮に、皇室改革の期待が集まっている。宮内庁役人の時代認識・意識改革も不可欠である。

<宇都宮徳馬さんとの思い出の会話>

 昭和天皇の終わりごろか、平成の初めごろか、平和軍縮派で、反岸の急先鋒で知られた宇都宮徳馬さんと、天皇問題の在り方について、よく意見交換したものである。

 彼の実父、佐賀藩の陸軍大将・宇都宮太郎は、岸信介らが服従傾倒した長州の山形有朋に対抗した人物で知られる。有名な朝鮮半島の3・1独立運動では、現地の軍司令官として、東京からの「発砲命令」を封じ込めた、今でいう民主派・開明派のリーダー格でもあった。

 

 この場面で、参謀本部の指令に従っていたら、想像もできない悲惨な歴史が永遠に続くことになったろう。彼が軍事行動を阻止した最大の理由は、朝鮮民族の優秀さと文化の高さであって、それは明治以降の財閥政治をリードした福沢諭吉と正反対だったためだ。

 宇都宮さんは「うちの親父から、お前は大人になったら、朝鮮人の女性と結婚しなさいといわれてきた。ずっとそう思ってきたよ」と語っていた。

 宇都宮大将は、若いころの昭和天皇の養育係もしていた。父親から皇室の閉鎖性を教えられてきたものだから、戦前の天皇制を引きずる、戦後の皇室の民主化の必要性を強調するのが常だった。

<英王室レベルに開放的な皇室へ>

 大将はイギリス勤務の経験者だ。このころ、ロシアの革命派を支援していた明石大佐と連携していたことが、彼の遺産文書から明らかとなっている。また、中国革命のリーダーである孫文との交流も参謀時代の仕事だった。

 清朝にテコ入れする軍閥・山形とは、この面でも対立していた。世にいう開明派のリーダーでもあった。新天皇もイギリス留学経験者と記憶している。

 

 「せめてイギリスの王室レベルにならなければ話にならない。今のような檻に閉じ込められているような生活はかわそう過ぎる。精神がおかしくなる」と強く指摘していた。

 皇室の民主化は急務である。その点で、皇室の新体制は、これを実現するための布陣が確立した、と思いたい。

 閉じ込められた皇室から開かれた皇室に代わるべき好機でなければならない。議会の覚醒も必要である。極右・日本会議に振り回されてはならないだろう。

<憲法の国事行為に徹して、非公的な私的市民生活享受を>

 息苦しい生活などだれも欲しない。皇室も普通の人間である。普通の人間のような生活をする皇室を、主権者である国民も理解している。

 

 象徴天皇の役割は、非政治的なものである。その限りで、憲法は国事行為を具体的に列挙、それ以外は不要である。ここは厳格に守ることを、憲法は厳しく要求している。

 宮内庁の任務でもある。同庁の役人は、その点で、国民が厳しく監視をしていることを忘れてはならない。

<宗教行為は私的なもの、国家神道排除に徹せよ>

 166億円の使い道は、主に皇位継承に伴う宗教的行事のことであろう。憲法は20条で、これを厳しく戒めている。安倍の小僧をまねての神社参拝は、私的に行われねばならない。

 国民は、戦前の天皇家が莫大な蓄財をしていたことを知っている。宗教のための私的な行為は、血税使用は憲法に違反する。この点について、天皇皇后と秋篠宮三者の思いは、同じであろうから、戦前の国家神道を引きずることは禁じられている。宮内庁の意識改革を求めたい。

 

 今回の行事の中に、亀の甲羅を焼いたという占い行事に驚愕した国民は多い。そもそも「お祓い」という原始宗教そのものに、国際社会は違和感を抱いている。

 もちろん、当人がそれを私的に行うことを、憲法は禁じてはいない。

 ただし、戦前の侵略戦争は、国家神道と教育勅語による国民統制が、根本にあったという事実を考慮すると、ここは誤解を与えるような宗教行事は控えたほうがいい。この点で、開明派の雅子皇后の役割は大きい。彼女はもう、昔のひ弱な女性ではないはずだ。

 国民は彼女を強く支持するだろう。

<悪しき官邸の政治利用には声を上げよ>

 安倍晋三の声を、御用新聞が取り上げたらしい。反吐が出る思いをする国民は、これまた少なくない。田布施・極右の安倍にむかつく国民は、ぐんと増えている。

 嘘の名人に辟易している国民は多い。しかも、彼は皇室利用に長けた首相として、歴史に刻まれ、断罪されるだろう。「令和」元号を決めるという暴走に腹が立つ。

 

 役所に行っても「令和」と書けない、書かない国民が増えるかもしれない。国書からとったという大嘘、大宰府での大友旅人の悲壮な思いを無視していることも、本物の万葉学者が暴いている。

 皇室は、田布施の大陰謀に屈してはならない!平和憲法に違反する破憲内閣に屈してはならない。平和憲法は世界の宝物である!

2019年5月2日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

皇室

風景」(3301)

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大樹深根<本澤二郎の「日本の風景」(3301)

<平成最後の戦い=2019年4月30日を忖度すると>

 平成最後の日となった2019年4月30日の退位儀式を、官邸が大好きな忖度をして解説してみると、平成天皇と安倍晋三首相が、真正面から対峙した結果、国民にしっかりと根を張った前者に軍配が上がった。これを大樹深根という。

 我が家の居間に二枚の色紙が飾ってある。その一枚が宮澤喜一元首相の「大樹深根」である。偶然、ネットでの民放テレビの生放送で、宮中での儀式を目撃したものだ。緊張するシンゾウに対して、天皇はやや憮然とした表情を見せていたように感じ取った。清和会OBに言わせると「もうこれっきり小僧の顔を見ることもなくなった。やれやれ」という。「安倍長期政権でなければもっと長く務めたかもしれない」とも解説した。

<憲法順守の象徴天皇と憲法破壊の極右首相>

 この6年間の天皇は、平常心で国務を遂行したとは言えない。ハラハラドキドキの日々を過ごしてきたといっていい。

 第一次安倍内閣では、民主的な教育基本法を改悪した。第二次に入って、公明党創価学会を「下駄の歯」にして、戦争法制にのめりこんだ時点で、強い衝撃を受けた。それは2013年12月の「特定秘密保護法」の強行と、靖国神社参拝だった。

 憲法を尊重し、擁護する義務を果たしてきた「象徴天皇」に対して、これを真っ向から否定、国民を欺いて憲法破壊に突っ走る安倍・自公・日本会議の強権政治にがくぜんとしたろう。

 平成天皇と安倍晋三は、文字通りの水と油の関係にあった。「安倍からの内外政の説明を聞く時が、一番つらかったはずだ。退位は安倍小僧が押し付けたものだ」と清和会OBは断罪した。

<国民感謝に力点、内閣総理大臣感謝は官邸が押し付けた言葉>

 最後の天皇発言を、国民は国民の代表である国会議事堂において、あるいは憲政記念館で思いのたけをぶちまけてほしいと願ったが、天皇の国事行為は「内閣の助言」に従わねばならない。

 その文言も内閣の決めた文言を発しなければならない。官邸は、天皇の口から「内閣総理大臣感謝」を言わせて大満足であろうが、この場の様子を目にした国民は、天皇が心の底から愛した国民、主権者への感謝の言葉だった。

 憲法破壊の安倍の政治利用を突出させた一連の儀式にしても、古代の記録映画を見ているようで、ピンとこなかったが、これまた官邸の押し付けの成果だから、皇室も動きが取れなかったろう。

 この場面で「宗教儀式に公費を使うのは適当でない」との秋篠宮の正論、これまた憲法順守の立場で、天皇の思いでもあった。

 ことほど天皇家は、国民の身近な存在だった。象徴天皇を立派に成し遂げたものである。この立場は、今日からの新天皇も貫くだろう。とりわけ、神社神道を軽視する新皇后に拍手を送ってゆきたい。彼女は、国際常識を身に着けた国際人でもある。

 右翼のバッシングを跳ね返すだろう。国民が支援するだろう。国民は決して右翼ではない。

<皇室の政治利用極まれり>

 それにしても、安倍の、皇室政治利用は、度がひどすぎる。令和なる文字は、安倍の小僧が押し付けたもの、という見方は、世論になってきている。そして、これが国書ではなく、出典は漢籍であることも判明した。

 米トランプ大統領は有力紙のワシントン・ポストによると、もう1万回以上の嘘を発してきたと報じた。安倍はもっとかもしれない。日米トップの嘘競争というのも前代未聞であろう。

 166億円を乱費しての衆参同時選挙圧勝狙いには、世界的不人気のトランプを東京に呼び込むのも、その一つというのだが?

 

 不動産屋丸出しのトランプ人気は、アメリカでもそう高いものではない。国際的にみて評判は良くない。

 

 重大なことは、日本の新聞テレビの報道姿勢にある。NHKに問題がある。

<お茶の水女子大付属中学校の右翼騒動>

 ついでに、解説しておきたい事件がある。お茶の水女子大は聞いたことがあるが、付属の中学校もあるという。そこに皇室の子供が入学している。その机の上に凶器が置いてあった、という事件について、右翼問題に詳しい事情通が、その狙いを教えてくれた。

 「犯人の目的は、右翼として認知してもらうこと。そうなれば、いっぱしの右翼として飯を食っていける。そのためだ」と断定した。素人は、そこまでは理解できなかった。

 「犯人は足がつくように転々と証拠を残した。最後は、自ら警察に垂れ込んで御用。これで大成功」というのだそうな。

 

 我が家のことだが、昨年、自民党本部からもらった楠の大木(樹齢40年)とこれまた枯れてきた杉の大木二本を友人のI君とO君が伐採してくれた。数日前は、父親が将来の家の建築材として植えてくれたヒノキ二本を切り倒した。樹齢55年。大金かけての伐採となった。我が家の大樹深根は、悪政のために二束三文にもならなかった。

2019年5月1日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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