衆参同時選本決まり<本澤二郎の「日本の風景」(3323)

<自公圧勝・野党壊滅的敗北必至>

 「景気はいい」とずっと嘘の宣伝をしてきた政府も、ここにきて急変。10%消費税は延期へとカーブを切った。これを武器にして衆院も解散する。想定通りの衆参同時選挙へと突入した。

 2匹目のドジョウ狙いに国民は大歓迎、よって安倍与党は圧勝して、衆参ともに憲法改正のための3分の2議席を確保することになろうか。他方、野党は相変わらずバラバラで、壊滅的敗北を喫することになる。

 春秋の筆法をもってすれば、野党が自公にたくさんの塩を送っているためである。「枝野のおかげ」ということになるだろう。


 この国の民度は、列島すべてが「やくざの街・木更津」レベルといえる。例外は沖縄県のみだ。

<圧倒的な無党派層と異常な政治不信と小選挙区制が災い>

 有権者の5割前後、6割近い人たちが、政党を支持していない。支持できるような、民意を体現する政党が存在しない、そのためである。無党派層が眠りについて、目を覚まそうとしない。


 この6年間、嘘がまかり通ってきた永田町、そして平河町と信濃町だった。一つの共通点は、怪しげな宗教の存在である。永久に自己革新できない思考停止の支持者が、ただ盲目的に投票する政治・宗教団体が支持するためである。

 もう相当ガタついているものの、肝心の対抗する野党が、結束を放棄して、バラバラという事情がある。


 そして重大深刻な点は選挙制度である。A級戦犯の岸信介が必死で実現しようとした選挙制度が、いま存在している。小選挙区制である。このため2割程度の支持で、議席は3分の2議席を確保できる。魔術師もできないことを、政府与党は演じることができる。外国人には、到底理解できない選挙システムだ。


 多くの日本人でさえも理解していない、悪しき選挙制度で自公は快勝どころか、圧勝することができる。それを今回は衆院と参院で、同時に実現する可能性が高い。それでも無関心な有権者の日本なのだ。


 ごく一部の子供を持つ家庭では、息子を戦場にとられることに反発して、自公に投票しない。だが、野党は分断しているので、議席にあまり影響しない。第一、こうしたことさえも考慮しない若者ばかりの日本なのだ。

 異様とも思える政治不信から、大量の無党派層、そして小選挙区制によって、安倍の自公は、圧勝することになる。1%が莫大な資金も提供してくれる。それだけではない。血税資金や皇位継承に絡んでの166億円の有効活用も、すでに始動している。


 これほど有利・優雅なダブル選挙も珍しい。

<野党分断と新聞テレビの右翼化報道も>

 誰が仕掛けたものか、ことし野党第一党の党首が、安倍に追随して三重県の伊勢神宮を参拝した。文句なしの憲法に違反する行為である。

 その後の行動は、三本の矢を束ねる一本化にへそを曲げている。


 与党勝利の策略は、野党の一本化を阻止することで成功する。小学生でもわかる。過去に日本共産党は、与党に水を撒いて協力してきたが、最近は変わった。

 ところが、野党の一番手のリーダーが、靖国に相当する伊勢神宮参拝である。まさか存在もしない、神話のアマテラスなどというバカげた信仰にかぶれてしまったものか。これは敗北祈願もいいところであろう。


 そして本来であれば、憲法に順じて、与党・権力監視に徹する新聞テレビが、その逆を演じて、国民の目をふさいでしまっている。マスコミの右翼化はいかんともしがたい。

 新聞テレビのトップが、極右の首相と毎晩のように食事をして恥じない。これは世界でも例がない。深刻極まりない事態である。民主主義を新聞人が破壊している行為なのだ。

<秋には日本の宝・平和憲法解体・戦争国家へ>

 こうして3分の2議席を確保するであろう安倍・極右政権は、ワイマール体制を崩壊させたヒトラーをまねて、日本の平和国家を戦争国家へと切り替えることになる。


 戦争が好きという人間は、少数派・死の商人の一族ぐらいだろう。ただでさえ、安倍好みの防衛大学校の人気は大幅に落ち込んでいる。卒業しても人殺しの任務から逃げ出している。

 どうするか。徴兵制へと突き進む。誰もが鉄砲を持たされて、人殺しの世界に追い込まれるだろう。

 それでも自公は圧勝する?夢であってほしいと切に祈ろう!

2019年5月23日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

日本財閥の闇<本澤二郎の「日本の風景」(3322)

<戦後、朝鮮戦争で復活、今の安倍内閣は財閥傀儡政権>

 歴史は闇だらけだが、その重さはけた違いに大きい。人々は「無知は犯罪」であることに気づくべきだ。正しい歴史認識から新しい前進が始まるのだが、現在は大きく後退している。財閥の闇ゆえと断罪したい。

 戦前の侵略と植民地支配の主役が財閥であることを、善良な日本人はみな知っている。だから日本占領軍は真っ先に財閥を解体して、政治の中枢から排除したのだが、実際ははいい加減すぎた財閥解体だった。そのため朝鮮戦争で復活、現在は政権を自由自在に操っている。たとえば、消費税10%は財閥の意思によるものだ。


 政治は金で動く。安倍・自公内閣の黒幕は、財閥である。侵略・植民地支配の主体である財閥の歴史認識は、極めて不十分で、それがこの6年間の安倍外交の基本方針となって、従軍慰安婦や徴用工問題を表面化させている。

<歴史認識で隣国と対立、徴用工判決で墓穴>

 いまの韓国は、日本と比較にならないほど優れた民主主義の国である。大陸の文化をいち早く受け入れることができた朝鮮の文化は、戦前においても日本のそれを凌駕していた。


 愚かすぎる日本の極右政権は、隣国に対して歴史認識の修正を迫ったため、もはや抜きがたい不信の外交へと突入してしまった。

 言及するまでもない、日本の植民地支配が、今日の朝鮮半島分断の元凶である。それでも北朝鮮とはずっと対決、結果として6年もの間、拉致問題を棚上げ、脅威論を噴き上げてきた。


 韓国に誕生した現在の民主政権が、日本の極右政権による歴史の修正・捏造に屈することはない。政治も司法もまっすぐに判断する今の韓国である。従軍慰安婦問題から、ついに財閥の一大汚点である強制労働・徴用工問題にも、司法が堂々と判断を示して、日本財閥を驚愕させている。


 財閥の驚愕に、安倍傀儡政権もまた、ヒステリックに対抗措置を講じて、もはやにっちもさっちもいかなくなってしまった。財閥と財閥傀儡政権の自業自得といっていい。日本に財閥と一定の距離を保つリベラルな政権が誕生しないと、この歴史問題は解決しない。

 非は日本財閥と財閥傀儡政権にある!国際司法裁判所で公正な審判を下してもらったらいい。

<維新で田布施の大室寅之助(明治天皇)と岩崎弥太郎が日本郵船>

 ネットを少しばかりいじることができたジャーナリストの最近の成果は、明治維新と田布施(安倍家の出身地)の闇、田布施の大室寅之助なる若者が明治天皇の地位をつかんだこと、大室と提携した三菱の岩崎弥太郎が、日本郵船を立ち上げて、まっしぐら明治の政商から、財閥へとのし上がって、薩摩長州軍閥を率いて、半島と大陸へと駒を進めていった闇が薄々見えてきた。

 まさに明治維新の闇であるが、真の史家が現れる時代であろう。


 欧米列強の手口をまねた明治かもしれないが、やり方は悪辣で同情の余地がなかった。大陸侵略の場面で、連携してきた欧米列強と利害が衝突、結果、二発の原子爆弾を落とされて、両手を上げるしかなかった。

 この恐ろしいほどの天皇制を悪用した侵略と植民地支配の総括を、いまだに手を付けていない日本国民と議会・司法である。

 そこでの歴史の改ざんに対して、隣国も国際社会も震えがっているだろう。

<富国強兵は性奴隷貿易、今は消費税で大衆課税>

 最近になって知りえたネット情報は、まさかの連続である。

 財閥と明治維新の闇の一角に相違ないが、欧米列強の武器弾薬でもって、徳川幕府を打倒した維新政府の次なる富国強兵実現に向けた資金確保が、なんとなんと未婚の日本人女性を海外に売り飛ばすことだった。

 岩崎はそのために日本郵船を立ち上げて、いうところの性奴隷貿易で荒稼ぎをした。当初は度肝を抜かれたが、冷静になって思考すると、十分にありうる話であろう。

 明治の闇は、三菱の闇である。戦前どころか、戦後の三菱も武器弾薬に特化して、平和の文字が見えない。

 東京駅から皇居一帯の不動産が三菱というのも、なるほどと頷けてくるではないか。


 戦前の男尊女卑の神道・男尊女卑の天皇制・レイプ文化の日本は、21世紀においても継続している。

<財閥の400兆円を掃き出させる時>

 こうした日本の闇に気づいた政治家が一人現れたらしい。山本太郎である。

 1億円の浄財が集まったという。その点で、立憲民主党の枝野が依然として怪しい。国民も感じているのだろう。支持率が上がらない。民意に反しているせいだ。

 もう財閥の400兆円を吐き出させる時期だろう。消費税はゼロだ。国民も勇気が出てくるだろう。財閥の闇を解き明かす21世紀の日本ではないか。

2019年5月22日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

罷免権<本澤二郎の「日本の風景」(3321)

<安倍そっくりな丸山穂高?>

 元島民と北方領土を視察した、維新の丸山穂高という若手の衆院議員が「戦争で取り返しはどうか」と問いかける場面が発覚して、日本とロシアに衝撃を与えている。大阪都構想にマイナスと判断した維新は、即座に除名したのだが、本人は絶対やめない、と開き直っている。

 思うに、モリカケ事件発覚で追及された安倍晋三、改憲発言の安倍とそっくりではないのか。日本国憲法は、このような極右議員を想定して、狂ったような公務員を罷免せよ、と主権者に指示している。

<立憲主義が知らない、忘れたのか>

 立憲民主党という政党が存在しているが、立憲主義を学校では教えてこなかった。したがって、立憲を名乗る政党の存在価値を理解できない。支持が広がらない理由だが、そのはずで首相自身が、これを無視して、憲法を敵視して6年。


 憲法違反の極右首相を自民党どころか、公明党や、それに維新までが支持、支援を惜しまない。狂った議会を、さらに継続して、憲法を破壊するのに必死というのだから、この国の前途は、311の放射能で悪戦苦闘している福島と歩調を合わせている。

<議会が駄目なら有権者が罷免権行使義務>

 丸山も安倍同様に公務員である。公務員は憲法を尊重、擁護する義務がある。それを本人は知っている。知っていて、公然と違反したのだから、もはや救いようがない。開き直って議会を乗り切ったとしても、有権者が許さないだろう。

 過ちを認めて、出直すという再生の道を自ら断ってしまった。非公務員であれば、言論は自由である。

<松下政経塾に根源>

 念のため、ネットを開いて調べると、頷くほかなかった。

 彼は「教師の息子」だから、東大受験のための私立高校で学んで、ほぼ目的を達して、経済産業省にはいり、原子力関連のポストで働いていたが、すぐさま松下政経塾へと突っ込んでいく。


 野心と大望ゆえであろうが、官界は東大でも法学部が主流だ。挫折するのが早かった。しかし、彼の政治思想は松下政経塾で、極右思想を徹底的に教え込まれたのだろう。

 神道教育と改憲軍拡思想である。その先に維新が存在し、政界へと政治人間として歩んでいく。彼にはいい先輩がいなかったのだ。

 「人を見る目がない」といわれる筆者は、維新の橋下が日本記者クラブで講演したさい、すっかり誘惑されてしまった。都構想は大行革であるから、反対する理由などなかった。実は、彼は天才的詐欺師だった。野望はほかにある。同じことを、松下政経塾についても騙されてしまった。


 当初は、松下が戦前の軍需産業であることも、幸之助が典型的なナショナリストで、憲法敵視の経済人ということさえ知らなかったせいでもあった。

 何か大きな仕事をなそうとする人間は、当初は偽りの仮面で登場するものである。政治記者は、それさえも理解していなかったのだから、情けない。


 人間は正直でありたい。その結果、人に騙されても、他人を騙すよりもいい。

<心配な私生活?>

 修身斉家治国平天下とは、古来より、人の上に立つ者に課された政治信条で、多分、王道でもあろう。国民の代表には、この修身と斉家が不可欠である。


 悲しいかな、安倍晋三にはこれがない。

 丸山はどうか。ネット情報だと、彼はまだ独身で、かつ酒好き。「アルコール依存症」と維新の幹部は決めつけている。事実なら、治療が必要で、政治活動どころではない。結婚生活も無理だろう。

 国会の事務所は、どうなのか。


 まともな政党と政治家は、修身斉家の人であってほしい。天下人にとって、これは不可欠だ。


 日本国憲法は、護憲を天皇・首相・裁判官など公務員に対して命じている。

破憲とか加憲の政党政治家に期待することは、何もない。どうしてもやる、というのであれば、非公務員となって活動するほかない。


 この厳しい掟ともいえる立憲主義は、歴史の教訓からきている。これを破る人間・政党・政治家を、憲法は許容していない。


 日本国は、憲法を尊重し、擁護する日本人によって、安定した生活と平和が樹立できるだろう。船に例えると、それは帆船・日本丸である。これほど安全な航海と乗り物はない。

 今回の問題は、義務教育の大事さを、改めて教えている。小学校・中学校・高校で、日本国憲法をしっかりと教えることで、この国の平和と安全は確保される。貧困からも脱却できるだろう最高の憲法である。

2019年5月21日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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