狂宴と恐慌<本澤二郎の「日本の風景」(3331B

<美食三昧の首相と166億円の皇室祭祀>

 5・28川崎殺傷事件は、犯人の世の中への怒りの告発であろう。上層部の狂宴と奴隷経済への怒りではないのか。こうした視点が欠落していると、第二第三の川崎事件が繰り返される、と今朝の電話の主が叫んできた。株安に外資は売り一方だが、日本銀行はもう買い増しする力がない。「1万8000円になると、それこそ年金の損失が数十兆円に膨らんでパンクする。それでも毎夜、美食とアルコールに酔いしれる首相と、皇室の166億円を乱費する狂った原始の祭祀に対して、研ぎ澄まされた頭脳の社会の落後者による氾濫と反乱は増えていくしかない」とも予告する厳しい内容だった。

<池田勇人内閣の大平正芳官房長官を思い出した5・28>

 筆者が永田町に首を突っ込んだ時期は、1972年のことだった。沖縄返還を花道に退陣する佐藤栄作の後継人事が、実質、田中角栄と福田赳夫で繰り広げられる場面だった。

 後者に安倍の祖父・岸信介と佐藤の長州勢が支援した。前者は護憲リベラルの大平正芳がついた。大平の参謀役が、麻生太郎の岳父・鈴木善幸で、彼が采配を振った。世論は日中友好派の田中に味方して、政権は田中内閣へと移行した。大平が外交を担当して、日中国交が実現した。


 日中友好は、最初は石橋湛山内閣が手を上げた。宇都宮徳馬は石橋を応援して、政権を手にしたが、健康が彼らの目的を閉じた。代わって池田内閣の官房長官の大平が、周到な準備をして、これの実現を図るのだが、そのための田中支援だった。


 その大平の官房長官だが、現在の菅などは足元にも及ばない。大平は池田に対して「料亭宴会まかりならぬ。ゴルフは禁止」を約束させて、政権を運営した。

 いま中曽根バブル経済が崩壊して、日本は経済大国の座から滑り落ちた。その後は借金の山を築くのだが、特にアベを擁立した小泉純一郎内閣から、その山は大きく膨らんだ。労働者の地位も落下した。

 アベ内閣で、それがさらに大きく、大きく膨らんで、国民一人あたり赤子を含めて800万円以上の借金を抱え、返済の目途は全くたっていない。

<1%財閥のための暴政に怒り狂う民>

 毎夜、御用新聞と美食に酔いしれるシンゾウは、財閥のための政策を推進する経済産業省の路線に特化してきた。おかげで財閥の懐は、いまや500兆円前後である。それでも税金を安くしているアベ内閣だから、お話にならない。

 財閥のために日銀も年金も、危険性の高すぎる株の購入に特化、株高を意図的に操作してきた。他方、働く労働者への見返りは少ない。1%の周辺のみが潤っている、ゆがみ過ぎた日本株式会社である。

 貧富の格差は、落ちこぼれた病んだ社会を象徴している。明らかに貧困社会の日本である。外国人観光客で膨れる日本は、途上国レベルに落ち込んでしまった証拠なのだ。


 アベ暴政に人々は苦しみ嘆いている。21世紀の貧乏物語は年金生活者に限らない。若者にも襲い掛かっている。


 暴政は、それでも戦争準備に必死だ。財閥の懐は、それこそ軍国主義の日本に狂喜している。

<議会も司法も腐敗堕落、政権死守の法務検察>

 ホームレスは、原始宗教神社の賽銭箱から10円玉を見つけると、それを理由に逮捕されて、監獄で衣食住を確保するというのだが、これがこの6年の間に急増している。


 日本を代表する霞が関の役人は、覚せい剤という麻薬に取りつかれて、やくざまがいの性犯罪に特化している?やくざと政治屋の関係は、いまではやくざと官僚へと拡大、日本のレイプ文化を高度化させているらしい。

 「木更津レイプ殺人事件」で、美人栄養士は、やくざ浜名の罠にはまって殺害されたものであるが、警察はやくざ事件に手を出さない。


 天皇の認証官という特命全権大使も、海外でろくろく仕事もしないで、性犯罪にうつつを抜かしていた事件が、被害者の勇気で発覚したと、今朝の電話の主が明かした。「外務省は不要だ。ビザの関係で、領事部で十分だ。役人は半減できる。もはや手書きの時代は終わっている。役人増やせの山本太郎もおかしい」とも指摘した。頷ける指摘である。

 議会は高給を手にして満足する国民の代表と、政府護衛に徹した法務検察裁判所の公証人利権アサリと、三権の腐敗堕落も底なしではないか。


 川崎殺傷事件の被害者は、確かに哀れだ。安倍晋三に直訴するしかないのか?

 それでも野党壊滅の同時選挙がまもなくやってくる。これが自滅する暴政日本の現実なのであろうか。このような記事を書く反骨ジャーナリストも情けない。「右も左も真っ暗闇」という歌の歌詞を思い出した。

2019年6月1日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

5・28川崎殺傷事件<本澤二郎の「日本の風景」(3331A)

<2019年危機=病んだ社会の政治テロ?>

 2019年は戦後最大の政治危機であろう。平和憲法が破憲内閣によって、風前の灯という厳しい立場に追いやられているためである。この現実を直視しながら、5・28川崎殺傷事件を分析してゆくと、この悲惨な事件を単なる偶然と受け止めるのは、危険ではないだろうか。日本型の政治テロではないのか。アメリカでは銃の乱射だが、日本では台所で、主婦が日常的に使っている包丁である。病んでしまった日本社会の危機は、したがってまた起きるのだろうか。

<一本の糸>

 5・28児童殺傷事件には、大きな政治的出来事が、一本の糸で太く連なっていることがわかる。

 政府自民党の、破憲を目的とした、徹底した皇室政治利用である。色眼鏡をはずして冷静に眺めてみると、それは明らかである。51歳の犯人が、そのことを意識していたのかどうか。現時点ではわからないが、全く無関係と言い切れるのかどうか。

 何かが引っかかる。国際社会もまた、ワシントンに突如現れた不動産王の政府が、地球の隅々までかき回している。米中貿易摩擦・覇権争いに限らない。欧州もロシアも混乱している。


 絶望が人類の頭上に降り注いでいる2019年である。99%の人々が右往左往しながら、精神を病みながら、かろうじて生存している危うい世界に、日本も埋没している。

<皇位継承=新元号+新天皇+新国賓>

 貧困化する中で、福沢諭吉を大量に印刷、それを使って日本銀行は1%のための株式を爆買いして、日本経済を混迷の淵に追い込んでいる。

 国民のなけなしの金・資産である年金を、これまた株式に投入して恥じないアベ自公内閣である。背後で、怪しげな極右団体がうごめいている不透明強権政治だ。そのもとで1%は、450兆円、500兆円の資金を懐深くため込んでいる日本株式会社だ。

 暴政破憲内閣は、皇位継承でもって平和憲法を破壊しようとしている2019年である。お分かりだろうか。平和を希求してやまない国民の、希望が奪われる2019年になるかもしれない。


 天文学的借金と貧困化の中での日本政治の暴政は、166億円の巨費を使っての、新元号ー新天皇と新国賓の、贅を尽くしたお祭り騒ぎという一本の糸が浮き彫りになる。

 犯人はなんらメッセージを発していない。たった一人の、暴政に対する自爆テロ?だったのか。

 新国賓を前にして日本首相は、欠陥機とされる1機100億円以上もする米機105機を爆買いした。そのことを死の商人の新国賓が、5月28日に明らかにしたのだが、犯人はその直前に恐ろしい事件を引き起こし、国民の目をくぎ付けにして、直後に自害した。

 日本版の自爆テロなのか。

<アベ+トランプ=新空母(かが乗艦)=最新鋭戦闘機F35爆買い>

 犯行現場は、偶然だったのかどうか。

 この日、安倍とトランプは、川崎市を経由して横須賀の海軍基地に向かっていたのだが、犯人の犯行時間は、それに警鐘を鳴らすかのような時間帯だった。

 悲劇の被害者を強いられた児童の通う学校は、ミッションスクールだった。トランプは、そのことに気づいたらしく哀悼の言葉を述べている。場所は二隻目の空母「かが」の艦上だった。

 「日本はF35を105機買ってくれる。同盟国で最大だ」といって安倍を絶賛したのだが、それは悲惨な事件直後だった。


 安倍は拉致被害者の大会に出ても、すぐに自宅に引きこもってしまうが、この日も悲劇の現場に立ち寄った形跡がない。

<犯人の30代、40代の足跡を洗うべし>

 日本が平和憲法を放棄するようでは、もう先はないだろう。それでも、この恐怖の戦略に、平和主義を放棄、加担する太田ショウコウ・山口那津男の公明党に恐怖を抱く国民は多い。信濃町の支持なくして、安倍の恐怖の戦略が成功することなどないのだから。

 病んだ暴政社会では、第二の川崎事件が起きないとも限らないだろうことを恐れる。

 犯人は引きこもり人間と決めつけているようだが、そう簡単に割り切っていいのかどうか。30代、40代をどう過ごしてきたのか。徹底的に洗えば、必ず自爆・暴走した理由がわかるだろう。


 この事件が、もしも日本型の政治テロだとしたら?いい加減に放置はできないはずである。

2019年5月31日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

病んでしまった鬱の日本<本澤二郎の「日本の風景」(3330)

<初めて聞いた天皇制廃止論>

 川崎殺傷事件報道に驚愕した友人が、日本は政治も経済も社会もすべてが病んでしまっている。その根源は、無責任をはびこばせる天皇制にある。廃止するほかない、と断じた。初めて聞いた天皇制廃止論である。「風が吹けば桶屋が儲かる」という因果の法則があるが、確かに民主主義に天皇制を結び付けた法体系には、大きな矛盾がある。21世紀に原始の祭祀など論外だろう。

 廉恥の政治家・勤勉な労働者と経営者の日本は、当の昔に消えてしまっている。上から下まで病んでしまった社会の日本である。他方で、極右首相は、徹底した天皇政治利用に奮戦、これに同意する国民までがいるという。

<川崎殺傷事件に限らない精神の荒廃>

 川崎殺傷事件の犯人像は、まだはっきりしていない。社会の隅にたくさんいる、希望を失っている庶民の一人であろう。突然、刃物を隠し持って、児童の隊列に向かって、それを振り回した後、自らものどに突き刺して死んでしまった。

 犯人の動機は?あるのかないのか?

 はっきりしてることは、犯人の精神がほぼ完ぺきに壊れてしまっていたことである。社会全体が壊れている鬱(うつ)の社会ということであろう。本来、最も保守的な人生を歩んできた友人は、戦後の過ちにあると断定したのである。


 極右首相は、日本を武器弾薬国家にするための手段として、とことん天皇制を悪用しているが、友人はその反対で、天皇制を廃止することで、正常な倫理と道義の日本に改造しないと、日本は崩壊する、と決めつけた。安倍・日本会議政治に危機感を抱く、福田康夫並みである。

 ことは川崎殺傷事件にとどまらない。根源にさかのぼれ、本末を見究めよ、と叫んでいるのだ。

<霞が関の覚せい剤汚染>

 日本の一番のエリート世界で知られる官界・霞が関が、いま荒れ切っていることが判明した。経済産業省や文科省のエリートが、犯罪である覚せい剤を、役所内で使っていたことが発覚した。

 「木更津レイプ殺人事件」の取材で、覚せい剤は強姦レイプの重罪に用いられる麻薬であることを知ったのだが、これを独占しているのが、日本のやくざである。

 魅力的な女性をレイプ・性奴隷にして、左うちわの暴力団が跋扈する日本は、レイプ文化が付着して久しい。このことを、事実上、受け入れてしまっている日本人女性と警察である。これ一つ取り上げても、日本は犯罪国家そのものである最悪の国である。

 このやくざの人脈が、日本の頂点につながってしまっている現在なのだ。悪質な老人いじめの詐欺事件も、やくざの犯罪である。やくざと官界の結びつきは、それ以前はやくざと政治屋の深い仲を意味した。やくざは、日大など学界や文化、スポーツ芸能の世界に及んで久しい。


 やくざ強姦社会の頂点に、自公という怪しげな宗教人脈が君臨して権力を行使していると考えると、もう夢も希望も無くなってしまうだろう。

<抵抗力を喪失した野党とマスコミ>

 野党はというと、議席が少ないため、比例して政権への抵抗力を喪失してしまって、国民の期待に応えようとしない。党利党略に埋没して、それを由としているのだから、大半の国民は無党派へと沈殿することになるしかない。


 結果、史上最低の危険な内閣に対して、4割前後の支持をしている。暴政の原因だ。「議会とマスコミが健全にならないと、民主主義は正常に機能しない」(宇都宮徳馬)のだが、この二つとも壊れてしまっている現在の日本である。

<平和主義を放棄した信濃町>

 昨夜、友人宅で食事会をしてくれたおり、一人の熱心な学会員に対して信濃町の現状を聞いてみた。悲しいかな、聞く耳を持たないのだ。信仰の強さなのか、宗教の恐怖なのか。


 極右政治を補完している信濃町の平和主義放棄は、日本国民とアジア諸国民の、安全と安定に対して、大きすぎるマイナス効果を生んでいる。そのため、少しでも真実を伝える努力を惜しんではならないだろう。

 そう考えての説得だったが、成果はゼロだった。病んでいるのは信仰者も、である。

<空母「出雲」「かが」の艦載機(F35B)105機購入を感動したトランプ>

 史上最低の首相は、借金を山のようにしながら、毎夜国費で美食三昧、それでも死の商人大統領に「F35を105機買う」と約束した。そのことを、軍事同盟の深化だとほめられて喜んでいた。偶然か、その日の早朝に川崎事件が起きた。これにそっぽを向く首相に対して、米国大統領は外交辞令で哀悼の意を口にした。


 F35は欠陥機である。それでも、値段は一機100億円でも買えない戦闘機だ。しかも、アジアの緊張向けである。二隻の空母艦載機だ。「出雲」は不沈空母ということらしい。改憲軍拡の証拠武器である。

 これは軍事力による平和を、日本も米と共有したことになる。戦前回帰の日本である。歴史認識で隣国と対立するのも当然であろう。隣国の経済重視に便乗した極右路線でもある。

 まともな国民にとって、むなしい悲しい出来事である。

<皇室の嫁入りに1億5000万円の皇室典範>

 皇位継承費用166億円に反発する国民は多い。

 同様に皇室の女性の嫁入りに1億5000万円が血税から拠出される。国民は驚く。皇室典範という特例法で決まっているというのだ。


 したがって、自由な結婚に文句がつくことになるのだろう。

 女性天皇を禁じていることも、現代にそぐわない。男尊女卑は神道という原始の宗教と関係している。どうでもいいことだが、相撲のルールもそうだから、女性相撲は存在しない。

<年収3000万円の公証人の山分けする法務検察と最高裁>

 友人は、年収3000万円の公証人の人事について、怒りをみなぎらせる。

 法治も、法も下の平等もいい加減な日本である。筆者も息子の医療事故死で体験したので、検察の違法行為について承知している。

 その法務検察が公証人という途方もない利権に関与していたことが、一部の報道で発覚した。それだけではなかった。最高裁も、この利権の山分けに関与していた。

 世の中は真っ暗闇である。

 まともな人間は生きられない社会である。夢も希望もない日本ということになろうか。ごく普通の日本人が、予想外の事件に巻き込まれてゆくのだとすれば、川崎事件はうなずくほかない。

<赤紙一枚で数百万の若者を殺した天皇責任を棚上げした戦後>

 極右首相の犯罪はいっぱいだが、法務検察は頬かむりを決め込んでしまう司法である。政教分離違反は当たり前の国民の代表と皇室である。

 いとも簡単に立憲主義の日本国憲法が破壊されている。それが許されるいかがわしい日本の原点は、敗戦後の日本の議会いい加減さにある。

 友人はいう。「赤紙一枚で命を奪われた若者は数百万人もいた。その最高責任者である天皇が問われない。それを国民も司法・立法・行政も問わなかった。東京裁判で終わらせてしまった日本人が、問題の元凶である」と。


 「政治家も軍人も財閥も戦争犯罪者をよみがえらせた元凶は天皇制にある。廃止するしかない。みな知っているが誰も口にしない。それは間違いだと、最近、気づいてきた」と彼は現在の心境を吐露した。

 日本社会すべてが病んでしまっている。うつ状態の日本である。冷静・公正な天皇制研究が望まれる時代であろう。

2019年5月30日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)

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