本澤二郎の「日本の風景」(5549)
<レイ・ダリオの米帝国衰退分析に納得>
「いくらでも借金できる国家は存在しない」。この当たり前の常識を、米国のトランプ政権は理解したはずだった。そうしてトランプはテスラのイーロンマスクを起用したが、トランプはあきらめて、両者は決裂。トランプ政権の終わりの始まりを迎えている。
イーロンマスクは、レイ・ダリオの「帝国の崩壊」を受け入れて、米国に巣食う官僚の無駄に切り込んだ。しかし、日本もそうだが、米国の言論界も半死の状態で、財閥に取り込まれ、トランプ改革を批判し続けて、政権の支持率は落下し、改革を中途であきらめさせてしまった。
改革は痛みを伴う。よほど賢い国民でないと実現しない。数年後のアメリカを見たくない。ダリオは「アメリカは巨大債務(借金)サイクル」にはまってしまった。「国家崩壊のメカニズム」そのものだと、見事な分析をしている。脱帽である。日本の安倍晋三のアベノミクスもまた、同じ愚を繰り返している。日銀の黒田と植田は真っ当な日本人ではない。
<アメリカの心臓発作=信用を失い市場メカニズム崩壊>
日本でも「借金地獄」という言葉がある。破綻を意味する。一家離散だ。乞食になるしかない。
ダリオは「ドルの信用が失われ、市場メカニズムが機能しない。それでも中央銀行は「紙切れの紙幣を刷りまくる」しかない。健全な頭脳の持ち主であれば、小学生でも理解できるだろう。
賢い投資家は米国のドルや米国債、さらには日本の円をすっかり売り払って、金や銀にしているというが、これは本当である。むろん、何もない凡人ジャーナリストはあれよあれよと見守るだけだ。
<借金不能=動脈硬化=30兆ドルで呼吸困難>
日本もそうだが、借金して借金を返すという異様な財政をしている。国債という借金の紙を、円という紙切れを刷りまくって、超大型の予算を編成し、その紙切れの中抜きに利権屋の政治屋と官僚、財界が食らいついている。大衆は超物価高で乞食化している。
円激安で、飛行機にも乗れない。むろん、客船での世界一周の旅は、夢のまた夢である。学校の先生夫妻の世界旅行話に満足するしかない。庭先のキュウリ1本に一喜一憂している。次はいつできるかな?昨日は10個ほどブルーベリーを口に押し込んだ。小さなラッキョウを引き抜いて、麺食を作りながらビールのつまみにした。これぞ初めての贅沢な夕食となった。
ダリオは米国の借金は30兆ドルから、今は36兆ドルと毎年跳ね上がり、人間なら動脈硬化状態だと断じる。トランプの健康も心配だ。軍拡派の石破茂は、のんきなお爺さんを演じている。
<基軸通貨ドル暴落で帝国崩壊=ポンドの英帝国そっくり>
日本帝国もまた円が紙切れになって、二発の原爆投下で敗戦を受け入れた。この時点で300万人の若者が戦場で命を失った。それでも皇室が温存された不思議な歴史を、近代合理主義者は理解できないでいる。
中央大学の橋本公旦教授の「自衛隊は憲法違反」「日本は二度と戦争しない平和国家」という憲法言論の講義に大満足した日を記憶している。財政法4条は赤字国債NOと規定し、平和国家・福祉国家の道標を示した。歴史の教訓である。その強固なカンヌキを自民党と公明党が外し、戦争国家にして再び日本を崩壊させている!
<アベノミクス日本も同じ運命>
ワシントンをあざけることは出来ない。日本もそっくりさんではないか。歴史を教えない自民党極右を代表したA級戦犯の岸信介の清和会・日本会議に追随し、宏池会の護憲リベラルをどぶに捨てた岸田文雄の大罪は、万死に値する。
歴史の真実に向き合おうとしない自民党・公明党から立民・国民・れいわ・共産・維新は、亡国の政党である!レイ・ダリオの帝国崩壊分析は、いまの世界に強力な一石を投じている!
2025年6月9日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)