本澤二郎の「日本の風景」(5372)
<この国と世界の大矛盾>
改憲大軍拡の読売は、フィンランド首相が「各国は軍事費を増やせ。トランプは正しかった」と昨日、日本記者クラブで発言し、それを大きく報じた。「平和は武器次第」と決めつける北大西洋条約機構の新米首相を持ち上げる読売の見識は正しくない。戦前の日本軍国主義肯定派の立場を鮮明にしたものだろう。ナベツネ言論は今も生きていた!
韓国聯合ニュースは「韓国政府は昨年3月、徴用訴訟を巡り、徴用被害者への賠償金を被告の日本企業に代わって日帝強制動員被害者支援財団が支払う解決策「第三者弁済」を発表した」と報じた。韓国財閥と日本財閥の不可解な関係を裏付けたものであることに、多分、日本国民は気付いていない。反省も謝罪もしない日本財閥の猛威の一つだが、ワシントンでは新日鉄のUSスチール買収を、現大統領のバイデンも次期大統領のトランプも大反対。
<フクシマ・房総半島(袖ヶ浦・君津市)は日本被団協にNO>
ノーベル平和賞の授賞式で演説し、会場から拍手を受ける日本被団協の田中熙巳さんのことが、大きく報じられている。
核兵器の材料を生産する原子力発電所の廃炉運動はしない。片手落ちではないか。原発阻止が不可欠だろう。
<核兵器は原発のプルトニウム=なぜ反原発運動をしないのか>
ヒロシマとナガサキの核廃絶運動は尊重し、擁護されてしかるべきだ。だが、少し立ち止まって考えてほしい。核兵器の材料は、原発から生じる核のゴミ・プルトニウムである。巨大利権だ。
プルトニウムが存在する限り、核兵器は悪党らによって無限に製造される。なぜ核の根っこを絶たないのか。
<フクシマの核汚染ごみ被ばくで泣いている房総住民は原発NO>
袖ヶ浦市幽谷は、敗戦後の経済復興に貢献した人材を、赤紙から死守した平和基地として知られる。彼ら東京帝大理工学部の100人は、敗戦後の日本で「平和産業」でもって日本の経済復興と高度成長の立役者となった。彼らは戦前の日本財閥を平和財閥として、この国のかじ取りをした。
老いて彼らは幽谷の平和の本陣となった、現在は御園豊邸に集い、地元の小学校で「一番大事なことは平和。二度と戦争するな」と幼子に語った。いまここに木更津のやくざ系産廃業者が、フクシマの大量の核汚染ごみを不法投棄した。形も色も臭いもしない放射線を、御園が測定器で発見、幽谷住民は一転してやくざ暴力団を恐れない反核・反原発運動へ点火した。
「反核は反原発。読売は日本人を再び核の餌食にしようとしている。断固として排除する」と元水田三喜男の薫陶を受けてきた御園の命がけの闘いが始まっている。
<林官房長官の核の傘と被団協の活動は矛盾しないとチン論>
日本は唯一の被爆国だ。それでいて核を容認する「核兵器の傘」をさしている。大矛盾である。史上最大の東電原発による核被ばく国ではないのか。
一方で、財閥に支配された政府は、島根原発など54基の再稼働に突進し、それどころか新たな新原発開発にも突き進んでいる。A級戦犯内閣の岸や読売の正力松太郎、中曽根康弘、今の読売の渡辺恒雄や麻生太郎らは、日本の核武装化に熱心と見られてきている。
韓国や中国、ロシアは日本核武装化に警戒を強めている。オウム真理教の核開発計画には、安倍一族が関与していた。笹川ギャンブル財団も要注意であろう。
日本被団協のノーベル平和賞に浮かれるわけにはいかない。トランプの「フクシマが元に戻るのに3000年」はいかにも厳しすぎる。これでは危険で高価な原発犯罪は、消えて無くならない。
<読売系テレビが日本核武装化の一歩?大増税計画を報道>
石破茂は、核について強い関心を抱いている。「核の共有」という屁理屈を披歴して、核戦争にのめり込んでいる危険な人物で知られているようだ。
先立つものは金だが、既に43兆円の戦争準備に突進している。そのための第一歩ともいえる大増税の一角を、読売系の日本テレビが報道した。たばこ税・所得税・法人税の大増税で「2027年までに1兆円」。恐ろしい改憲軍拡の銅鑼を鳴らし始めた。安倍と岸田と同じ穴のムジナである。危険極まりない。
<いち早く右翼系週刊誌が韓国次期政権叩き開始>
日韓の右翼政権が混迷を強めている。日本は何とか不倫党を抱き込んでいるが、韓国の右翼政権は戒厳令事件で崩壊する。朝鮮半島の統一も射程内に入れているとされる野党へと政権が移行すると、事態は一変する。トランプと北朝鮮の関係も絡んでくる。厳しすぎる経済混迷も輪をかける。いち早く日本の右翼週刊誌が、韓国野党の対日批判を紹介しながら、韓国たたきを始めた。日中・日韓・日米韓・米中・米ロ関係など先の読めない不透明な展開を、日本財閥と右翼言論は、好事とばかりに大軍拡、比例して国民の円安窮乏が混乱を招き寄せるだろう。2025年の大矛盾に日本国民は、本気の反核・反原発で政府政党と向き合うことになろうか。
2024年12月12日記(茅野村の仙人・日本記者クラブ会員)