本澤二郎の「日本の風景」(4808)

<立民の泉も連合の芳野も歴史認識も大局的な政治判断も出来ない小人>

 極右に食らいついたがうまくいかず、ならば野党の総結集と思いきや、なんと労働貴族の連合にしがみつく、野党第一党の立民代表の泉健太は、自民党の派閥政治屋レベルの無能政治屋ではないか。


 日本沈没を確実に印象付ける政治現象ではないか。大局も小局も認識できない小人ではないか。自民党が安倍晋三を超えるような右翼・岸田文雄が戦争準備を始めるという驚天動地の悪法を阻止も出来ない。それでも代表の座を降りない。同じようなことは共産の志位にもいえる。

 政治は結果責任である。潔く退いて、新体制でもって日本を滅ぼしかねない極右の自民党と公明党退治を強行すべき時である。「いよいよ極右の翼賛体制が誕生しつつある」と嘆く法律家さえいる今である。


<労働貴族の財閥に操られる連合に期待するものなし>

 「連合の罪と罰」(データハウス)を書いて大分経つ。結果はその通りで訂正したい箇所はない。

 事態はもっと悪い。原発派労組や軍拡派労組が連合の主導権を握って、もはや市民生活を守るような護憲リベラルの運動を柱にしない。放棄してしまった。財閥一家にぶら下がってしまった。正義の観念も喪失してしまい、国民の人権危機や言論の危機、環境破壊にも取り組もうとしない。

 まさに労働貴族そのものである。大金を懐に入れて何をしているのだろうか。不思議でならない。自治労や日教組も眠ってしまった。日本の民主主義の危機にも沈黙している。民主党分裂に手を貸して自民党を喜ばせている。


<唯一まともな労組・JR総連に学ばなければ自民の補完勢力>

 そうした中で唯一の真っ当な労働組合が、今も存在している。JR東労組などの全国労組・JR総連(全日本鉄道労働組合総連合会)である。

 右翼からの攻撃にさらされながらも反戦(非戦)、反原発、人権擁護など断固たる護憲平和を主張し続けている。昔の真っ当な総評を連想させる。本来の労働組合の資質を運動の基本に掲げている。

 官憲に押しつぶされそうになっても戦い抜いた松崎明のJR総連は、連合の一本のローソクである。沖縄の人たちにも支援の輪を継続している。本来の労働組合・JR総連は健在だ。


 松崎時代には、共に中国の貧困地区の小学校の再建(希望小学校)に取り組んだ。全組合員の支援で、実に20校以上も実現した。胸を張れる成果だ。すごい実績である。ちなみに金満の創価学会でさえも、確か一校しかない。JALも、である。筆者も人権派弁護士らの支援をうけて再建した。馬小屋のような学校を、蛍光灯や黒板、机のある、ややましな、勉強ができるような見才溝小学校を再建した。生涯忘れることはない。日本の中国侵略の名状しがたい罪悪に対する小さな小さな支援だった。

 大平内閣はODA(政府開発援助)を提案して、中国経済再建の基礎を作った。1979年12月の大平訪中の際に日本政府が決断したものである。これのぶち壊しにかかったのが、右翼の清和会・小泉内閣だった。小泉の靖国参拝も頷けるだろう。


 歴史の重みを泉も芳野も知らない。志位もそうであろう。気が付くと日本沈没の危機が迫っている。中国の環球時報の記事を添付する。南開大学の日本研究は昔から有名だ。当時のリーダーの熊さんを思い出した。じっくりと読むといい。アベノミクスの見事すぎる日本亡国の実績である。そもそも安倍や岸田のような右翼には、経済は無理だ。大平出でよ、と叫びたい。

2023年5月18日記(政治評論家・日本記者クラブ会員


2023516日、環球時報は、「日本経済に『灰色のサイ』(将来高い確率で大きな問題を引き起こすと考えられるにもかかわらず、軽視されているリスクのこと)の足音が近づいている」とする、南開大学日本研究院副院長の張玉来(ジャン・ユーライ氏)による評論を掲載した。

文章は、新潟で開かれたG7財相・中央銀行総裁会議は「金融の安定」がテーマだったとした上で、今年の主要7カ国(G7)会議ホスト国である日本の経済状況はますますひどくなっていると評した。そして、日本政府の債務総額が22年度末で1270兆円にまで膨らみ、7年連続で過去最多を記録したほか、22年度経常黒字額がエネルギー価格高騰と円安の影響で前年度比542%減の92256億円と縮小したことを紹介した。

その上で、日本の財政状況が未曾有の危機を迎えているとし、23年度の一般会計予算が11年連続で増えて初めて114兆円を突破し、このうち社会保障支出が少子高齢化などにより前年度比17%増の約37兆円になったほか、防衛予算は同27%増の68000億円に達したとしている。

また、予算の膨張に税収の増加が追いつかなくなり、国民の負担率が02年の35%から475%にまで上昇する中でさらなる大規模な増税は見込めず、日本の財政運営が国債発行に大きく依存する状況になっていることを指摘。大量の国債を発行し、超低金利政策によってそのコストを抑えているため、日本はますます金融緩和政策から抜け出せなくなり、金融リスクが一層高まっていると伝えた。

さらに、深刻な高齢化が需要の縮小と労働力不足という需給両方からの打撃を日本経済に与えていると伝えた上で「日本にはすでに、灰色のサイの足音が近づいている」と評した。(翻訳・編集/川尻)