怪しげな「徴用工」解決案<本澤二郎の「日本の風景」(4740)

<反省と謝罪をしない日本の財閥=日韓右翼連携に懸念拡大>

 徴用工問題の本末は、日本の財閥が反省と謝罪を拒絶するという、信じがたい傲慢な態度・体質にあると分析できる。それは2010年4月7日に入院直後の次男・正文の看護放棄という、これまた信じがたい財閥・東芝病院が、いまだに反省も謝罪もしないことから悟ったものだ。「財閥の無謬性」である。

 そこには人間性が根本的に欠落している。過ちを認めない姿勢が、戦後も貫かれている。一般的に極右の反共主義者に共通する。目下の永田町での言論弾圧事件を裏付けた総務省の公文書に対する高市早苗も、余りにも見苦しくてわびしい。


 筆者は幸運にも「短歌に込めた在日朝鮮人の叫び」「朴貞花第二歌集・無窮花の園」(花伝社)の関係者からの指摘で学んだ。「日韓右翼はいつの時代もつながっていることを忘れるな」である。


 確かにリベラルな文在寅政権から、今の反共右翼政権が誕生すると、過ちを認めない日本財閥を救済する「解決策」を尹現政権が打ち上げた。これを橋渡しにして来日し、岸田と首脳会談を開く。残念ながらうまくいくはずがない。戦前の侵略植民地政策による被害者の無念は、反共右翼政権の連携で処理することは不可能である。本末をはき違えている。

 無論、在日朝鮮人も同様であろう。


<日米韓の反共右翼による韓国司法判断を破壊=失敗が目に見える>

 既に以下のような指摘がある。「日本財閥の肩代わり」に間違いがある。被害者と被害者遺族は、日本政府と財閥の反省と謝罪を求めている。カネだけではないのだ。札びらで強行する手口は、原発や米軍基地対策と同じもので、到底受け入れられることはない。安倍内閣で外相を歴任した岸田が、一番理解している点であろう。


(最も大きな問題は、韓国の裁判所が日本企業に課した債務を「肩代わり(代位弁済)」する財団が、将来、日本企業に求償権を行使しない保証があるのかどうか、明確でない点だ。

「肩代わり」支払いが終わったら、差し押さえられている株式や商標権は、日本企業の手に戻るのか、それとも財団の所有物になるのか、「解決策」全文を見ても載っていない。

そもそも、日本企業の「肩代わり」というところから間違っている。

 1965年の日韓基本条約にしても、ワシントンの反共右翼に突き動かされた代物で、被害者を納得させられるものではなかった。ワシントンによる日韓米による「反共の砦」つくりの一環であった。日本の植民地支配に全ては根源が潜んでいる。日韓両政府が、被害者の無念をしっかりと認識した政治的条件を満たした中でしか、真の解決策はないだろう。


<首脳会談の隠れた議題が統一教会問題か=韓国の右翼政権と連携> 

 日韓首脳会談のもう一つの課題が、統一教会問題である。現韓国政権とつながりのある文鮮明の統一教会に対する日本政府の対応に対して、どのようなボールを投げてくるのか?統一教会は韓国右翼政権の隠れた資金源である。日本企業・財閥の肩代わり向け資金はないのかどうか。注視する必要があろう。同時にそれは清和会問題でもある。安倍べったりの菅義偉が日韓議連の会長に近く就任するという。菅の動向も不気味である。

2023年3月10日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)

(追記)

 肩が凝った。昨日はナカトミのエンジン耕運機が壊れたままなので、農家のTさんに見てもらったが駄目。やむなく重い鍬ではなく、軽いマンガで畑を耕作した。油断すると腰を痛める。ヘルニアになると、怖い。動けなくなる。しかし、今はじゃが芋を植える季節だ。白梅も散っている。鶯の鳴き声を初めて聞いた。山から里山に下りてきたのだろう。Tさん宅の米を食べ始めた。うまい。スーパーの無洗米は太刀打ちできない。とはいえ近くの水源地に放射能瓦礫を埋設したことが判った。住民は必死で袖ケ浦市や千葉県に掛け合っているが、環境省までが逃げまくって住民を泣かせている。猛毒トリチウムの海洋投棄と放射能汚染物資の水源地埋設で、日本列島の死のカウントダウンは、100%の確立で進行している!

韓国のパク・チン外相が記者会見で発表

韓国のパク・チン(朴振)外相が6日午前発表した、「徴用」をめぐる問題の解決策では、2018年の韓国最高裁判所の判決で賠償を命じられた日本企業に代わって、韓国政府の傘下にある既存の財団が原告への支払いを行うとしていて、財源は韓国企業などの寄付で賄う見通しです。