G7戦争神社サミット再び!<本澤二郎の「日本の風景」(4698)

<安倍の伊勢神宮に次いで岸田は厳島神社=神社本庁日本会議の暴走>

 第二次安倍晋三内閣の指令塔は、いうまでもなく神社本庁日本会議だった。戦前の国家神道復活・神の国への野望を爆発させ、比例して改憲軍拡の音頭を声高に叫んできている。この極右の流れは菅義偉・岸田文雄内閣でも継承どころか急拡大して、目下国民や東アジアに不安と緊張をまき散らしている。

 深刻すぎる新たな問題は、広島でのG7サミットを、4年前の伊勢神宮に追随し、ことしは厳島神社で参拝や夕食会を計画している。「G7戦争神社サミット再び」と国際社会や宗教関係機関に衝撃を与えている。

 神社本庁日本会議が、岸田内閣を操っている証拠であろう。7・8安倍銃撃事件によって、隠れていた統一教会があぶりだされている2023年である。カルト教団に対する国民の目は厳しくなっている。既成の宗教界も黙ってはいないだろう。伊勢の場合は、外国メディアの批判をうまくかわしたようだが、一部の教団は現在も厳しく糾弾している。

 今年5月のG7サミットは、4年前と環境が違う。波乱含みといっていい。


内閣支持率激減で仏教界やキリスト教会などが強く反発必至>

 今年の「戦争神社サミット」は、4年前と大分様相を異にしている。

 安倍銃撃事件で表面化した統一教会問題と安倍の「国葬」強行に次いで、あろうことか43兆円の戦争準備予算案と311原発爆破事件に蓋をかけての、さらなる大規模な原発推進政策を強行するというのだから、極右・死の商人の課題を一度に始末する、まさに大暴走に次ぐ大暴走である。

 したがって、ゆでガエルの生活に甘んじてきていた多数国民の半数以上が覚醒した。内閣支持率は2割台。死に体内閣である。意図的なアベノミクスなる騙しの経済政策は、意図的な円安政策そのものだから、異常な物価高を招き寄せて国民生活は厳しさを増している。

 先日は散歩中に「子ども食堂」の案内を見て面食らってしまった。田舎町の子ども食堂は、大人300円、子供100円という。無料だとばかり思っていたものだから、お金を取る木更津市の子ども食堂を知って当惑してしまった。共産党天下が目の前にぶら下がっている光景ではないか。

 4年前と今年は、大分変わっているのである。そうだとすると神社本庁が権力を独占壟断する内閣に、人々や他教団が沈黙するとは限らない。

 欧米のメディアは、電通に操られる日本と違う。いま戦争で毎日兵士のみならず女子供も亡くなっている。戦争の悲惨さを理解しない宗教はまず考えられない。そうだとすると、彼らは大声を上げる。国際社会は戦前の国家神道、現在の神社本庁の神道に対して「戦争神社」と表現し、今も恐れている。


<日本は神社本庁・日本会議の野望を電通が新聞テレビ操作>

 先般仏教界の日蓮正宗富士大石寺の顕正会が、安倍の神の国と言論界を封じ込めて支援する電通に対して、公然と批判する顕正新聞の記事を紹介した。おそらく広島の厳島神社サミットに対しても警鐘を乱打するに違いない。

 神社神道は原始宗教のカルト教団である。戦前の国家神道の甘い夢を復活させようとして、自民党の支持母体となって改憲軍拡の銅鑼を打ち鳴らしてきた。電通の圧力に屈した新聞テレビは、昨今露骨なほど神社宣伝に力を入れている。これにも他教団は反発している。


 問題の電通は、例のフクシマ隠しの4兆円五輪賭博を強行したが、東京地検特捜部は、電通OBの高橋を大腐敗の一環として逮捕した。無論、電通本体の重役逮捕に至らなかった。「岸田がブレーキをかけた。見返りに五輪利権の大元締めの森喜朗は岸田支援へ。清和会の岸田降ろしはなくなった」と永田町でささやかれている。

 したがって電通の魔力は多少は落ち込んだと見られている。本来はここで新聞テレビが目を覚ませばいいのだが、肝心の編集人の信念が揺らいで、反骨と無縁である。


<二匹目のドジョウ=欧米諸国首脳と随行記者団を再び騙せるか?

 海外のメディアはどう出るか。海外の反発を封じることに成功した4年前の電通が今年も?果たしてどうなるか。おそらく二匹目のドジョウ狙いは、成功しないのではないだろうか。

 またしても電通は血税を懐にして報道センターに大金をはたいて記者団を格別に優遇するだろう。国民が事前に気付いたら大変なことになるだろうが、それでも電通は、報道人を優遇・歓待して「戦争神社サミット」を無難にやり過ごそうとする。どうなるか、見ものである。


<日本会議・神社本庁による政権操作は政教分離違反>

 国家神道復活にかける神社本庁は、古くから自民党本部に神道政治連盟なるカルト教団組織を付着させてきた。吉田茂・自由党時代にはなかったが、岸信介らの民主党と合流した時点で、神道の政治部門は、自民党の正式な組織となった。政教分離違反である。

 そして近年、日本会議という右翼団体を組織した。財閥とも連携しているため資金は豊富という。「ベトナム華僑崩れのおばさんを広告塔にして改憲や台湾有事を叫んでいる」と消息通は指摘している。地方の神道信者の氏子を巻き込んでの、神社による改憲運動も昨今の特徴である。むろん、統一教会と連携しているようだ。なんとも不気味な日本会議である。

 国民の知らないところで暗躍し、政権を壟断する反民主的な組織と見られている。公安当局がどこまで実態を掌握しているのか、注目したい。

2023年1月28日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)


(朝日)広島で5月に開かれる主要7カ国首脳会議G7サミット)で、政府が世界遺産厳島神社広島県廿日市市)がある宮島で各国首脳とのワーキングディナー(夕食会)を開く方向で調整していることがわかった。首脳間の連携に加え、観光地もアピールする狙いがあるとみられる。


(共同)政府が、5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の際、世界遺産・厳島神社で知られる広島県廿日市市の宮島への各国首脳の訪問を検討していることが分かった。厳島神社の視察や、食事しながらの討議の開催を想定している。関係者が19日、明らかにした。