衆参議長人事に重大懸念<本澤二郎の「日本の風景」(4697)

<細田博之は清和会・統一教会・原子力ムラ、尾辻秀久は神社本庁・靖国参拝派のボスという不気味な布陣>

うかつにも昨日昼前に参院議長の尾辻秀久の声を聞くまで気付かなかった。衆参議長と官邸の主の人事を決めたであろう安倍晋三・神社本庁・日本会議の布石に舌を巻いてしまった。正に戦争準備の予算その他憲法違反の悪法を成立させるための危険な体制である。

 そうした中で、お尻に火のついた共産党の志位和夫は、財閥500兆円問題に触れたが、財閥という言葉をまだ使用していなかった。財閥はいくらでも賃上げが出来るが、99%の中小企業はどうなる?格差の拡大が庶民レベルで進行するが、財閥の方は43兆円の戦争準備金で笑いが止まらない。武器弾薬の輸出に意欲満々であろう。

 衆参の代表質問に興味などないが、やはり日本共産党のそれが野党らしさを誇示していた。立憲民主党は安倍や笹川の別動隊のような維新と共闘を組んでしまいお話にならないが、何と1年生議員を登壇させたという。世の中のことも議事堂内のことも知らない1年生議員起用という、奇をてらう手口を見せられては、もはや野党第一党の資格を自ら放棄しているかのようだった。


 そして大問題なことは、中立公正の議会運営の責任者が、統一教会まみれの細田博之と靖国参拝派の尾辻秀久だが、この布陣はきわめて危ない。官邸の主は「忘恩の徒」だ。案の定倅の坊主が先の長旅中、遊びほおけていたことが週刊誌にすっぱ抜かれた。同行記者が売り込んだもので、よほど腹に据えかねていたのであろう。同行記者の叩く相手は、ワシントンのポチ・岸田文雄本人ではないか。反骨のジャーナリストがいない。電通にすべて頭をなでられてしまっているのであろうか。


<細田の統一教会派、非公開で死んだ安倍になすりつけるしたたかさ>

 安倍内閣時代ずっと清和会の会長を務めてきた島根の細田は、統一教会

と安倍を取り持つ間にすっかりカルト教団の支援を受けて選挙をしてきたと見られている。

 父親のマージャン好きを聞いているが、息子は萩生田光一のようなはったり演技は出来ない地味さが持ち味。世襲議員はそれを武器にして、教会との関係の深さは知る人ぞ知るだ。原発派の第一人者だから反原発派の抵抗も強い。

 度胸がないため雲隠れが得意だ。無力野党を幸いとばかりに釈明会見をすると思いきや、非公開での偽り発言の連発で逃げ切った。


 問題がなければ、堂々とテレビの前で会見すべきだが、それも怖くて出来なかった。なんとしてもあと3年議長の座に居座りたい、ただそれだけに執着する政治家失格の細田博之だった。死んだ安倍に擦り付けた嘘発言は、後世の語り草か。


<尾辻は靖国300万人の死者を増やす大軍拡推進の指揮棒?>

 一見して実直そうな尾辻秀久も、なかなかの曲者だと一部の専門家は指摘している。どこの派閥に所属しているか知らないが、毎年8月15日になると、靖国神社を昂然と闊歩する姿を思い出す。

 300万人の死者を祀るという靖国のトリックに呆れてしまうが、近代の合理主義を学んだ現代人は、理解不能である。むろん、歴史の教訓を知る者たちにとっても、侵略戦争を謳歌してやまない靖国・戦争神社に出向くことはないだろう。そもそも原始宗教の占いに拘泥する日本人は、本当のところいない。

 「天皇のために命を捨てる日本人」は、国家神道と教育勅語、天皇制国家主義に羽交い絞めにされない限り、死んで靖国に逝こうとする現代人はいない。安倍晋三・小泉純一郎・森喜朗らの「神国論者」はそうそう探しても見つけることは不可能であろう。

 尾辻の靖国参拝は、戦争準備の危険きわまりない大軍拡法案成立に期待する財閥や官邸にとって好都合なのだ。


<政府の大原発推進に国権の最高機関も悪用か>

 「忘恩の徒」岸田文雄は、安倍に劣らないほど暴政にのめり込んでいる。与野党が拮抗している政治環境であれば、即退陣に追い込まれるのだが、女性の自立や国民の覚醒が期待できない中では、日本の財政が破綻しようがしまいが、戦争に巻き込まれようが、正にやりたい放題である。


 311のフクシマ東電原発大爆破事件は、いまや世界最大の公害となってフクシマから全国へと拡大している。プラスチックごみに加えて、核のゴミが日本列島から太平洋印度洋に広がろうとしている。

 先日ヒジキを食べた。おいしい。しかし、今春からの猛毒・トリチウム汚染水の海洋投棄で食べられなくなると思うと、余計に愛おしくておいしかった。どこの家庭でも魚・海産物とお別れだ。

 それでも衆院議長の細田を先頭に岸田内閣は、原子力発電所の大拡大路線も打ち出した。岸や正力、中曽根の核兵器計画と連動している。史上最大の悪政が、岸田・細田・尾辻の三馬鹿トリオのもとで強行されるのか。2023年危機は2022年危機を越える。「落ちるとこまで落ちろ」の悪魔のささやきが聞こえてきている!

2023年1月27日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)