潰えた「神の国」大野望<本澤二郎の「日本の風景」(4691)

<安倍が電通を使って日本会議・神社本庁と結託、改憲を断行し国家神道を復活させようとした一大画策失敗を反神道の顕正会が証明>

 最近郵送されてくる顕彰新聞(1600号)に興味深い記事が載っていた。「安倍・自民党と電通の癒着構造」と題した独自記事で、それは安倍がG7サミット(平成28年)を悪用画策して、伊勢神宮のある伊勢で強行開催した裏工作を暴いたものだ。自民党支援カルト教である神道さえ知らない日本人のために公開したものだろうが、宗教無関心派含めて大いに参考になる。本ブログでも記事の要点を紹介したい。


 冒頭に顕正会の浅井会長の発言を引用している。それは「(安倍は)日本最大の極右団体・日本会議及び神社本庁と結託して、日本を神の国にしようとする魂胆だった。すなわち明治憲法のごとく天皇を絶対化して国家神道を復活させ、戦前の日本を取り戻そうというものであった」「これを具体的に言えば,天照太神を祀る伊勢神宮を日本の本とする、ということである」

 そもそも日本会議も知らない、天照太神が何なのか、を一般人は知らない。神話の世界の話だから。原始宗教カルトのことをまともに聞いていると、頭がおかしくなる。

 「そのため平成28年にG7会議が行われたとき、安倍はわざわざ開催地を東京ではなく、伊勢志摩に決め、会議に先立ってG7の全首脳を伊勢神宮に招き入れ、御垣内参拝?という特別の参拝までさせた。これは日本の国家神道を暗に認めさせようとして、言葉巧みにG7首脳を誘い入れたものである」

 当時のテレビ報道がかすかに浮かんでくる。安倍はG7に政治生命をかけていたのだ。神道は神社本庁として一つも宗教法人だが、戦前は怖い不気味な国家神道だった。日本の若者は、神社に必勝祈願することを強いられて、亡くなっていった。歴史を知るものは、戦争と神社は一体化していることを熟知している。もちろん、天皇も。


<「安倍・自民党と電通の癒着構造」を顕正会の浅井会長が断罪>

 G7サミットを強行するための秘策を安倍夫妻が演じていた、というのだ。凡人ジャーナリストは知らなかった。巧妙な罠を仕掛けるために電通が関与していた、と筆者は考えたい。顕彰新聞は「サミット開催地が決定していない平成27年正月、安倍の妻・昭恵は親しい友人に来年のサミット、伊勢で出来たらいいわね、と彼(安倍)といってるのよ。でも三重県が手を上げないのよ」。また安倍は1月5日伊勢神宮を参拝(筆者注・憲法違反)した際に「ここはお客さんを招待するのにとてもいい場所だ」と唐突に述べていたと暴露していた。驚きの作戦である。電通指導に頷くばかりだ。

 その後に三重県知事の鈴木英敬が安倍に「今から間に合いますか」といったという。安倍夫妻の仕掛けは、なかなか手が込んでいた。安倍夫妻はしてやったりと胸をなでおろした。下手に動けば欧米メディアは「戦争神社でG7サミット?おかしい」とかみついてくるだろう。森友事件と同じ組み合わせか。日本のマスコミは電通に批判を封じ込められていた。この種の記事は、日刊ゲンダイにも載っていない。

 この安倍夫妻の巧妙な演技を始動したであろう電通は、NHKとも連携していたと想像できる。こうして歴史的にみて最悪の伊勢サミットが決まった。


 顕正新聞は証拠を挙げていた。日本会議の顧問で伊勢神宮大宮司の鷹司尚武の「サミットを機に日本の文化の真髄ともいえる神道が広く理解され、神宮や神社への関心が昂ることを期待したい」などの発言を紹介し、神道布教の意思を極めて露骨に示していた、と決めつけた。国家権力を悪用した政教一致の野望そのものである。憲法違反であるが、日本の新聞テレビは電通に封じ込められていた。事情を知る立場の公明党創価学会も沈黙した。これも驚きである。過去に創価学会は、神道の家での飾り物の神棚を燃やしていたのだから。7・8安倍銃撃事件で統一教会のカルトを含め、政府自民党は三大カルトによる祭政一致の憲法違反政権と断罪できるだろう。


 安倍や日本会議・神社本庁は、各国首脳が伊勢神宮に参拝する光景を国内外に発信することで、日本の国家神道(神の国)を暗に認めさせる、国家神道への抵抗を取り除く。三者が結託して推進してきた「神の国」の野望実現にあった。さすがはよく分析している。

 しかも、安倍は「2020年に新しい憲法を施行したい」と一気呵成に憲法改悪を断行し、戦争国家の日本へ直進させようとしていた。腰を抜かすような大野望について、新聞は解説報道をしなかった。NHKの安倍の女記者も沈黙していた。


<電通・マスコミは「神国日本」のお先棒・海外メディアは警戒警報>

 当時、海外のメディアは批判していたが、日本では悪徳企業の電通が中立公正な報道を禁じていた。日本の言論の自由度は諸外国と比較してもかなり低い。ならされてきた国民は気付かなかった。顕正新聞は英紙ガーディアンの記事を引用している。すなわち「開催地の選定は、安倍と神道の強いイデオロギー的つながりや」「安倍が神道政治連盟に積極的に関与し、神道を政治の中枢に取り込むことを目的としていることと完全に一致」「G7リーダーが神道を正当化するために利用される様子を見るのは不愉快でしかない」など厳しく批判していた。

 ロンドン特派員がこれを本社に送ってきても、編集局長は掲載を許さなかった。腐りきった日本の報道機関を露骨に演じていたのだが、新聞人だった筆者はその内情がよく理解できる。


<電通は血税を引き抜く世にも恐ろしい獰猛な吸血鬼>

 筆者もそうだったが、電通が血税である国の予算を引き抜くという吸血鬼であることに気付かなかった。コロナ予算にも手を出していた。それを良しとする霞が関の官僚だった。

 東京五輪疑獄は、電通事件そのものだったが、東京地検特捜部は電通の玄関を捜索した程度で矛を収めてしまった。4兆円のフクシマ復興隠しの五輪賭博は、電通によって具体化した。フランスの検察は今も追及をしている。腐敗の極みだ。


 顕彰新聞は伊勢サミットの「国際メディアセンターの設営及び運営」の最重要業務を20億円以上で電通が、ほかにも委託を受けていたことにも触れている。G7サミットをすべて仕切ったのは電通だった。

 また最近明らかになった仰天事実は、内閣に職員を送り込んでいたことも。官邸の記者会(永田クラブ)のメンバーは全て電通によって掌握されているし、内閣記者会記者の質問も事前に掌握されている。新聞テレビの記者連は「借りてきた猫」同然といえる。

 1970年代に自民党本部の職員になった人は「用もないのに電通の職員が毎日党本部に来ていた」と証言している。官邸と自民党本部も電通に支配されている。


<岸田に作戦変更求め・改憲の前に戦争準備43兆円で軍事大国へ>

 安倍は一気呵成に改憲を断行し、日本を戦前同様の「神の国」にしようとしたが失敗した。電通は交代した岸田文雄に対して作戦変更を求めたようだ。改憲の前に既成事実として、日本を戦争国家・軍事大国にする、そのための戦争準備として、43兆円をかけて武器弾薬を蓄積するという外堀を埋める作戦である。

 安倍の野望は潰えたが、岸田の変化球に国民は対抗できるのか。このことについて顕正新聞は触れていない。近年目立つのは、神道・神社宣伝に新聞テレビが貢献している。

2023年1月21日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)