二階俊博の暴言<本澤二郎の「日本の風景」(4664)

<「コロナで死んだ」というデマ犯人に「叩き殺す」発言は当たり前!>

 史上最低で最悪の安倍晋三政権を自民党幹事長として支えながら、党本部の巨額資金を行使し、党内の言論の自由を封じ込めた二階俊博について評価は分かれるだろうが、安倍の共犯者としての自民党実力者に対して、北京の評価は高くない。

 彼の致命的な弱点は、年齢からくる健康問題だ。本人も周囲も一番それを気にかけている。そんな時にラジオ出演の場面で「コロナで死んだ」というデマをぶつけられ、反射的に「叩き殺してやる」と発言した。

 そんなに目くじらを立てることではないだろう。本人の飾り気のない発言に異論などない。異論反論は、彼の「戦争準備」そのものである大軍拡を批判したことだ。こちらも当たり前の発言だ。「政府は孤立している」という指摘も全くその通りで、二階が珍しく正論を吐いている。

 問題はその先について言葉を濁している点である。日本国民のほとんどが「戦争準備そのもの」である世界第3位になる軍事大国を願っていない。安倍と側近の安倍女以外は「軍事費を2倍にしろ」と迷走発言をしていない。それなのに岸田はそそくさと強行した。自公による閣議決定である。

 国会も知らない。法曹界も学界も知らない。閣議決定そのものが違憲違法であろう。国民は納得していない。朝日と赤旗が公然と批判したという。両紙は岸田内閣打倒に動くだろう。多くの国民は全面的に賛成である。

 問題は二階派が岸田打倒に向かうのかどうか。ここがポイントだ。野党と連携するといいのだが、その覚悟があるのかどうか。岸田沈没後の暫定政権に担がれる可能性を否定しない。


<防衛費急増(戦争準備)の岸田批判は正論=大軍拡予算を阻止せよ>

 平和憲法をないがしろにして米軍の手先となってインド太平洋で覇権行為をする日本を、平和を愛する日本人は見たくない。二度と戦争は御免だ。ロシアとウクライナをみても悲惨すぎるだろう。

 武器弾薬を背後にした外交を目論む日本の外務省は、安倍時代からすっかり精神病の悪魔が乗り移ってしまったのか。国民はアメリカ属国に甘んじ、自立外交を放棄した外務省を解体する運動も開始しなければならない。とんでもない思い違いである。

 林芳正がいまも9条外交に足場を置いているのであれば、外務省解体を念頭に入れながら、人事の大刷新を直ちに始めたらいい。二階は日中友好の外交に舵を切るよう林を支援したらいい。清和会・統一教会の外交からオサラバしなければならない。

 国民は、 いくら説明されても「戦争準備」を理解しない、むしろ大反対する日本国民である。三菱財閥や外務官僚を喜ばせる、国民の血と汗の結晶である血税を悪魔に委ねることなど、断固として反対である。東アジアを火薬庫にしたいワシントンやNATOの策略に乗せられてなるものか。

 二階の言う「唐突で説明不足」はその通りだが、突っ込みが不足している。閣議決定を撤回させるようでなければ、政治家とは言えない。確か彼は若いころ遠藤三郎から反軍教育を受けていたはずだ。


<安倍長期政権の立役者の政治責任は重大>

 思えば、今回の岸田の相次ぐ暴政の土台は、安倍晋三の日本会議と統一教会が仕組んだものである。神社本庁と靖国の亡霊が関わっている不気味なカルトの狙いがある。

 そこに二階も深く関与してきた。二階に政治家としての信念・良心があるのであれば、岸田の暴政を食い止める政治的責任がある。

 彼はもともとは運輸族・観光族として生きてきた。安倍のもとで幹事長になった途端、懐が温かくなった。党本部の金庫を握った成果である。地元の知事選では、清和会の世耕を蹴散らした。その世耕は、台湾有事のために近く蔡英文と会見する。萩生田の二番煎じだ。台湾派の暴走を食い止める責任もあろう。

 

<林訪中を急がせよ=東アジアの火薬庫を阻止する外交責任が>

 今のような場面では、日中の外交当局者による話し合いが不可欠である。台湾有事について、しっかりと確認し、そのことを国際社会に発信する責任が、林芳正に課せられている。

 安倍の焼け木杭には火が付き易い。悲しいかな宏池会には闘う力のある侍がいない。二階の出番であろう。日本を二度と戦場にしてはならない。「カルトの精神病患者に権力を委ねた恐怖を、今の日本人は味わっている」との鋭い指摘もあるほどだ。


 昨日は強風の中、10数本の里芋を掘った。太陽不足の場所だったが、掘った芋の先には、沢山の根っこが栄養を吸い上げていた。その後にJAガソリンスタンドで車に満タン、灯油も35リットルほど。早く戦争を止めさせないと国民生活は、物価高で厳しくなり希望を失い、凍えてしまう。ウクライナ支援は正しいとは言えないだろう。幸い、同級生の佐久間君が白菜1個、近くの畑で耕作している波多野さんがカブ2個を持参してくれた。庶民はお互い助け合って生きているが限界もある。今朝は見事な太陽を、ゴミだらけのベランダで体いっぱい浴びた。永田町の不条理な精神病に清浄な太陽を届けよう。毎日だ!

2022年12月24日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)