外交力<本澤二郎の「日本の風景」(4636)
<安倍・統一教会の積極平和主義=緊張(台湾有事)悪用の戦争準備>
このところネット情報に戦争を煽るような悪質な記事が目に付く。偏狭なナショナリズムに火をつけているのである。日本国憲法を読んでいない言論人には激しい怒りを覚える。防衛省の有識者会議から戦争準備のための増税論まで飛び出した。日本人がこんなにいい加減だとは考えても見なかった。
安倍が生前、積極的平和主義という「平和」を冠にした統一教会の手口は、緊張を作り出して改憲軍拡を強行しようとしたものだ。それをフジサンケイが先頭に立って、その後ろを読売(日本テレビ)と日経が従った。一見してもっともらしい手口だが、これは統一教会国際勝共連合カルト勢力の戦術だ。
「台湾有事を声高に叫び、それを安倍と安倍女が繰り返していた」というと、人々に記憶が戻ってくる。秘かにワシントンに発信しておいて、表向きはワシントンから日本へという流れをつくる。ずる賢い。識者の中には「A級戦犯と文鮮明の亡霊が徘徊している証拠」となるが、大方のところ間違いないだろう。
自衛隊参戦法を強行して以来の公明党創価学会も大きく変質した。いまでは北京のパイプは詰まっている。池田大作が引退すると、太田ショウコウと山口那津男の党が実権を握った。池田裏切り人に対抗した理事長が首にされてしまい、信濃町は内紛状態にある。先日の週刊新潮の信濃町情報の中身を知らないが、事実上、内紛状態に置かれている。ただし、末端には何も分かっていない者も少なくない。腰の曲がった老いた会員が奔走しているだけで、痛々しい印象さえ与えている。
つまるところ安倍・岸田の積極平和主義は、戦争準備であることが鮮明になってきた。戦争放棄の憲法に違反する極右に塩を贈る岸田内閣だが、
統一教会問題もいい加減に処理して逃げようとしている。攻めると閣内に槍が次々と飛んでくる。覚悟をしないと、岸田の死に体が続くことになる。
<村上誠一郎の外交力を発揮して戦争阻止が正論>
自宅に届いた月刊誌「月刊日本」の米中戦争の危機特集は、先の先をにらんだものであろうが、米中戦争は起きない。北京の腐敗官僚の多くは、子弟をアメリカに送り込んでいる。腐敗資金も送金している度し難い輩が目立つという。今の中国は77年前の中国ではない。
核超大国である。14億人の人々が暮らしている大中国である。世界最大の消費市場大国だ。習近平独裁体制下の北京との戦争は、まずありえない。ワシントンも馬鹿ではない。万一、米中戦争が起きれば、第三次世界大戦となり、地球が亡びることになる。
ただ、この戦争危機特集で安倍を国賊と考えている村上誠一郎が、戦争を阻止する手段は外交である、と指摘している。その通りだ。外交力で戦争を阻止できる。台湾では有事など起きない。台湾人が阻止するだろう。戦争を好む台湾人も中国人もいない。現実は、台湾独立派の台頭を台湾人が阻止する。
台湾有事を吹聴する輩は、日本の極右とワシントンの台湾ロビー工作に屈した面々である。民主党のペロシもその一人だった。女性差別は嫌いだが、右翼的な女性を持ち上げる風土は、欧米だけではなく日本にもある。危険極まりない。
女性が政治に首を突っ込むことには賛成であるが、真っ当な女性議員は少ない。世界的に共通する現象である。台所から飛び出した女性議員や女性評論家もほぼ同類か。教養のある常識的な女性は、まだ政界にほとんどいないというのが、永田町を50年見聞してきた凡人ジャーナリストの分析である。
村上の外交で戦争は阻止できるという主張は、核時代ではより正しい判断である。改憲軍拡という偏狭なナショナリストの立場を支持している輩は、財閥である。極右の真の支持母体は財閥・カネである。
村上は河本敏夫の門を叩いて、政治家の道に入った。親類は政治家や官僚が多く、恵まれた環境のもとで、反戦主義者の河本のもとで修業した。河本はたしか反軍主義者の斎藤隆夫に心酔した政治家だ。ゆえに資金面でも三木武夫を応援した。従って村上は、河本と三木、古くは斎藤に心酔しているのだろう。自民党でただ一人正論を吐く人物である。
言論第一である。武器弾薬に傾倒し、財閥のカネに取り付かれる極右・国粋主義者との対決をいとわない。外交力で戦争は阻止することが出来る。岸田や安倍の清和会議員は違う。戦争準備は再び日本を滅ぼすだけである。
自民党内で岸田後継者になりうる人物は、村上しかいない。村上を擁立しようとしない安倍チルドレン・小泉チルドレンに外交を委ねると、それこそA級戦犯と文鮮明の亡霊が徘徊することになり、日本は確実に沈没する。この予言は真実であると自負したい。
2022年11月26日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)
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