宗教界も異変<本澤二郎の「日本の風景」(4568)

<富士大石寺顕正会が安倍・神道「神国」を邪教と断罪

 いまの防衛相は、やくざハマコーの倅、そんな人物に武器弾薬を扱わせるとどうなるか。善人ならわかるが、岸田内閣の狂った人事はこれ一つでも見える。そのハマコーにも天敵がいた。元早大相撲部でNHKにも籍を置いた大石千八や、学生時代にボクシング選手だった山村新次郎。警察官僚の後藤田正晴・秦野章・渡辺一太郎の前では、妙に神妙な態度だった。


 いま自民党の最強部隊は、国家神道復活を夢見る神社本庁と統一教会だ。前者は戦争神社の靖国神社で、歴代首相に参拝を強要させてきた。原始のお祓いカルト教団である。この神道カルト教団と統一教会、さらには創価学会の三大カルト教団の政教一致連合体が、いうなれば安倍の10年体制を実現したものである。ここが理解できないと自民党を分析することは不可能だ。

 いま彼らにも天敵が現れた。9月15日付の富士大石寺顕正会が週1回発行している顕正新聞を見ると、日蓮仏法によって神道・神国の画策を邪教の正体そのものだと断罪している。宗教法人不適格・解散必至の統一教会だけではなく、神道の牙城である神社本庁にも引導を渡している。


<安倍国葬反対は統一教会・神社本庁の存立にも波及か

 宗教間の対立の一つなのか、第三者にはわかりにくいが、目下のカルト統一教会問題は、既にカルト神道やカルト創価学会など宗教法人同士の、教義上の論争を巻き起こしている。大いに論争して、国民が納得する黒白を明らかにしてもらいたい。

 カルト教団は、フランスのカルト法が有名であるが、日本の場合、宗教法人の冠をかぶると、脱税が容易にできる。国税庁もメスを入れることが出来ない。


 膨大な資金を隠ぺいすることが可能となる。これが選挙資金に化けると、選挙はカネ次第という結果が出る。目下の米国共和党のトランプ前大統領が暴れまくっている原因は、資金力にある。もともと不動産屋として莫大な資金を保有してきた。安倍に劣らず、彼も在任中も金集めに執着していたのであろう。この輪の中に、アメリカの統一教会の資金力と運動員の存在が見えてきた。統一教会の原資は間違いなく哀れな日本人の金だ。

 現在の民主党大統領・バイデンも驚いているだろう。従ってバイデンの安倍国葬参列は全くなかった。オバマと安倍は、歴史認識・靖国参拝で激突していた。そのことを岸田も知っている。オバマの参列は最初からなかった。

 岸田の弔問外交は大失敗だ。


日本最大の極右団体「日本会議」と「神社本庁」と結託した「神国日本」の画策は安倍政治最大の悪政>

 顕正新聞は、宗教学的な論争の骨格も見えてくる。筆者はかねがね戦前の国家神道が、GHQによって敗戦後に直ちに廃止されたものの、新たに神社本庁として一宗教法人として存続、保守合同後の自民党に神道政治連盟を付着させ、隙あらば国家神道復活を画策していたことに違和感を抱いてきた。侵略戦争の精神的主役の存続は、戦争の繰り返しを意味する。

 安倍は台湾問題に火をつけて、アメリカを巻き込んでの有事を狙っていた。事情通であれば誰でも知っている。


 それは宗教界でも、ほぼ同様だったことになろうか。顕正新聞は浅井会長の発言を繰り返し紹介している。それは凡人ジャーナリストをある程度納得させるものだ。

 すなわち、不気味で見え隠れする「日本会議」を、堂々と「日本最大の極右団体」と分析している。その通りだ。この日本会議と神社本庁が結託して「神国日本」にするという。森喜朗の「神の国」だ。これに真っ向から反対したのが、富士大石寺顕正会だった。「仏法上の失(とが)」と指弾した。宗教上、顕正会は神社本庁の天敵であろう。


<国民不在の亡国政治を指摘=アベノミクスを断罪>

 安倍政治も糾弾して、国葬など論外であるとバッサリ斬りつける。

 いまもアベノミクスの異次元金融緩和による急激な円安政策で、日本国民も企業も存立できないほど衰退してしまっている。「国の負債1241兆円、対GNP比260%超と日本を世界最悪の大借金大国にした」「540兆円もの国債を保有した日銀は、いずれ国家破産に至らしめるであろう大罪は、万死をもってしても償えない」と国滅ぶ日本を予告している。


 過去においては同根だった顕正会と創価学会は、現在は天敵としても、宗教界で知られているらしい。池田大作批判に興味があれば、この顕正新聞を取り寄せて読むといい。思うにこの新聞との出会いは、小沢一郎が支援する青木愛の集まりに参加した市民活動家が、周囲で新聞を配っていた信者からもらって、わざわざ自宅に郵送してくれたものだ。

 以来、断っても断っても郵便で届く。その記事の一端を紹介したものであるが、安倍体制を支えた三大カルト政教一致の教団を真っ向から糾弾していて小気味いい。


岸・笹川・文鮮明の統一教会の政界汚染の追及=安倍国葬NO

 霊感商法や合同結婚式は承知していたが、それは過去の問題、現在は関係ないと信じてきたジャーナリストは、岸・笹川・文鮮明が編み出したカルト統一教会国際勝共連合が自民党の岸・福田清和会から自民党全体、はては関西の維新その他にも波及、自民党の各種政策や憲法改正案にも影響力を与えていたことに対して、反骨ジャーナリストも声が出ない。

 自民党の政策決定機関の政調会長は、安倍側近が今も占拠している。高市早苗から今は萩生田光一だ。統一教会と創価学会などの票とカネでバッジをつけ、まるでサタンの化身のような不気味な安倍側近である。顕正新聞は「統一教会による政界汚染の深すぎる闇」を特集、そこで萩生田を血祭りにした特集記事を載せている。

 統一教会と創価学会だけだと思っていたら、ほかにも生長の家・幸福の科学など日本のカルト教団が萩生田支援組織だった。安倍側近の下村博文ら安倍犯罪にまとわりついた輩も、この記事に登場している。来週の記事も目を通すほかない。初代勝共連合会長は久保木という立正佼成会信者だったことも解説するかもしれない。


 宗教界も混乱しているのであろう。キリスト教はどうしているのか。仏教界の動向も注目される。脱税目当てのカルト教団を容認するような民主主義の国は、一市民として御免こうむりたい。

2022年9月18日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)