これはすごい!正義の訴えが京都で<本澤二郎の「日本の風景」(4544)

<宗教法人・神社祭礼に自治会費負担は明白な憲法違反>

 遂に出たか、である。筆者も都内のマンション生活を送っていたころ、管理組合に首を突っ込んでいると、自治会費から近くの鹿島神社に金が流れていることを見つけた。自治会の集まりに出たとき、これは間違いだ、と指摘したが、憲法を読んだこともない自治会役員にソッポ向かれてしまったという、実に苦い経験がある。

 戦前の国家神道が生きている無様な地方住民にうんざりした。さすがに裁判所に提訴するという時間と勇気がなかった。そのことから考えると、京都の伊藤要さんはすごい。思い切り支援の言論を吐いていこうと思う。多くの識者も同じ思いのはずである。


 神社の祭礼は、宗教法人・神道としての重要な行事である。京都大学の歴史学者・井上清の代表作「日本史」には、神道神社を「原始宗教に毛の生えた程度のお祓い」と論破している。現代人を説得できるような「教義」はない。建物の周囲を森で囲んである、ただそれだけのことで、人集めの仕掛けが天皇権力を使った「神棚」という、これまた幼稚な木製の子供騙しの代物で、そこに各家庭は幼子に毎朝、水やご飯を上げ下げさせる。いうところの人間精神を狂わせ、その先に「天皇の戦場」に狩り出された。祭礼は飲み食い笛太鼓で踊らせる、山車を子供にひかせて飴玉でおしまい。統一教会と大差などない。


<統一教会事件が波及=信教の自由・政教分離を定着させる時代

 何もない時代は、神輿でわっしょいと浮かれた若者も、今はいない。神輿担ぎを雇っているとも聞く。ともかく原始の子供騙しの祭事で、誰も見向きもしない代物だろう。

 「信教の自由」「内心の自由」が憲法で保障されている時代では、喜んで献金する市民は多くはない。そこで神社は、自治会という市民の金で運営する公的な組織の金に目をつけて、そこから強制的に祭礼費用に抜き取る。明らかな憲法違反である。

 キリスト教や仏教の信者からの反発は強い。しかも、今回は統一教会問題で、政治と宗教・政教分離・信教の自由が市民の関心を呼んでいる。市民の献金で運営されている自治会費(区費)から、強盗や泥棒やくざのように、有無を言わせずに浄財をむしり取る神道に対して、市民がNOを突き付けた。

 まともな裁判官であれば、即座に違法だと判決することになる。京都の裁判が、全国的に波及することを願わずにいられない。何を信仰するのも自由だが、無理やりに強要されてはかなわない。安倍国葬と同じだ。

 一部には、神道のマインドコントロールの餌食にされている人もいるかもしれないが、戦前の悲劇的な歴史に目を向ければ、誰もが「おかしい」と思うだろう。しかも、国家神道はいまだにヒロヒト並みに反省も謝罪もしない。今も「神社本庁」と名前を変えて生き残って、自民党政治の政策に関与している。統一教会と同じである。


神社祭礼に自治会費強要は全国的=戦前の国家神道が生きる日本

 京都に限らない献金強要は、信教の自由・政教分離の原則に照らして、深刻な問題を提起している。世は21世紀だ。原始宗教が観光業として存在することは自由である。ただし、信仰の対象として市民に強要、市民から金をむしり取る行為は、違法である。憲法が許さない。

 怪しげな右翼団体「日本会議」を主宰する政治団体のみならず、自民党内に神道議員連盟なる組織を有して「日本は天皇中心の神の国」などという馬鹿げた偽りを吹聴し、戦前回帰に必死な原始宗教に拘束されるのは、まっぴら御免こうむりたい。以下に産経新聞の記事をそっくり掲載する。

2022年8月24日記(政治評論家)


平安神宮京都市左京区)の祭りで京都三大祭の一つ「時代祭」の行列費用の一部を自治会費から支払うのは憲法が定める「信教の自由」に反するとして、京都市の会社役員、伊藤要さん(69)が22日、加入する自治会に対して支出停止を求める訴えを京都地裁に起こした。 自治会は京都市の「植柳(しょくりゅう)自治連合会」。時代祭は毎年10月に開催され、平安時代から明治維新までの歴史上の人物にふんした行列が市内を練り歩く。 訴状によると、植柳自治連合会は今年の祭りで「徳川城使上洛列」を担当。自治会内の有志が積み立てた時代祭準備積立金では足りない費用の一部を、自治会費を積み立てた資金などで補う方針としている。これに対し伊藤さん側は「時代祭という特定の宗教行事のために支出することは信教の自由を侵害し、憲法に違反する」と主張している。 京都市内で会見した伊藤さんは「キリスト教などほかの宗教を信仰している人もいる。勝手に自治会の積立金を使うのはおかしい」と述べた。 植柳自治連合会は「時代祭行列は京都市の伝統行事で、宗教行事ではないと理解している。費用支出も自治会の正当な手続きで決まっている」とした上で、「訴状がまだ届いていないため、確認して対応を検討したい」とのコメントを出した。(産経新聞)

(追記)昨日は猫の額の畑でミニ耕運機を転がした。久しぶりのことだからエンジンがかかりにくい。日ごろ放置していて、面倒を見ないせいだ。蒸し暑いため汗びっしょり。シャワーを浴びたら、今度は冷たいものが欲しくなった。日中に缶ビールを飲むのは初めて。また汗が。前日いただいたスイカもほおばった。まずまずの甘さだ。一度も成功したことがないが、来年はこのスイカの種を試そうと思う。友人に言われて、スイカの皮の部分を削り取って塩を振って食べてみた。これもまあまあだ。茗荷と茄子、油揚げでツユを作り、そうめんをつけて食べたが、これは最高。食べ過ぎを心配してしまった。何事も度が過ぎると、憲法にも触れることを、肝に銘じたい。京都の行方は、政権の土台を揺さぶるだろう。