乱の時代(その8)<本澤二郎の「日本の風景」(4478)

<死んでしまった地方自治=地方創生は何だったのか>

  この国の内政は完全といってもいいほど壊れている。国民の命・生活を守ろうとする姿勢が、全く見られない。日本銀行の対応が、その典型だろう。急激な円安にして、消費者・庶民を生活苦に追い込んでいる。物価の番人である日銀の出番だが、3500万円以上の血税を懐に入れている黒田東彦にとって、生活苦など感じない。物価高に国民は耐えられる、心配ないと認識して、物価の番人である立場を放棄して、財閥の暴利に骨折っている。

 彼は主権者である国民の生活よりも、円激安のため、ただそれだけで2か月6000億円稼ぎ出すトヨタのぼろ儲けが大事だ、これからもゼロ金利の超金融政策を継続すると開き直っている。これがアベノミクスと言わんばかりである。

 首相の岸田は、そんな悪徳な日銀総裁の首を撥ねる力がない。黒田の背後の安倍晋三に遠慮している。しかし、選挙目前である。どうするか、国民の目を外に向ける作戦を、露骨に演出することになる。バイデンのロシア叩きにのめり込むことになる。対抗するウクライナのゼレンスキー肩入れに必死だ。


 足元の地方経済は、ここ10年以上、青息吐息の状態だ。地方経済の潤滑油である銀行など金融機関を利用する者がいない。地方経済はとうの昔に死んでしまっている。投資活動が見られない。地方の金融機関が生き延びるために必死なのだ。


 安倍内閣が大声を張り上げて打ち出した「地方創生」?一体これは何だったのか。地方経済は完全に疲弊しているため、外国人観光客を呼び入れるしか方法はない。しかし、それもコロナ襲来で物理的に止まった。もちろん、観光で生き延びられる地方は限られているのだが。

 お目当ての中国人観光客は、ゼロコロナ政策で海外に出ることが出来ない。しかも、日中関係は国交正常化50周年にもかかわらず、清和会による「神の国」路線の強行で、関係は依然として最悪の状態にある。


 地方経済も死んでしまった。永田町事情に明るい人物は「地方創生」で元気の出た自治体はどこにもない、人々を騙したアベノミクスの一環だった、と総括している。そういえば過去に地方創生担当大臣をした石破茂の口から、この言葉は消えてしまった。いま「核戦争のために核シェルターを作れ」とわめいている。気が狂った元総裁選候補でしかない。


放射能が地中から噴き出ても頬被りの千葉県と袖ヶ浦市の無知無能

 地方が死んでしまっている事例を、これまでも繰り返し房総半島を取り上げてきた。そこは首都圏である。首都・東京都に隣接しているため、昔は財閥・三井の利権で埋まっていた。東京湾の美しい浅瀬を埋め立てるという暴挙を、自民党は推進して、関係議員はカネを手にした。またゴルフ場乱開発で半島を埋め尽くした。拙著「腐臭列島 房総半島の闇」(データハウス)は今読んでみても、迫力ある文字が散見できるだろう。


 そして今気づくと、千葉県はゴミためと化している。風光明媚な半島の水源地に、無数の産業廃棄物を投棄する産業廃棄物処分場がある。そこに有害物質が投棄され、即座に砂で蓋をして何食わぬ顔をしている悪徳業者と、そのおこぼれを懐に入れる悪徳地方議員と悪徳役人が跋扈している。


 驚愕すべきは、県民の飲み水となっている水源地に、311福島放射能が押し寄せていることが発覚した。袖ヶ浦市林地区に、あろうことか人間・生き物を死滅・破壊する、放射性物資が投棄されていた。周辺の住民が次々とガンで倒れるという不可解な健康被害に、元自民党議員秘書らが「おかしい」と直感し、袖ヶ浦市が保管している放射能測定器を持ち出して測定したのだ。

 天地がひっくり返るような想定できない事態に、気が動転するほど地元住民は衝撃を受けた。測定器の針が動いたのである。高い数値だ。


 悪徳業者は無法者のやくざだった。ご存知、千葉県はやくざが跋扈する土地柄で有名だ。高級車と接触すると、大変な事態へと発展する。ちなみに「木更津レイプ殺人事件」は、公明党創価学会関係の悲劇的事件だが、犯人はやくざである。

 放射能事件が森田健作という前知事の置き土産でないことを祈りたいが、地元住民は森田疑惑とやくざと関係が深い自民党の衆参議員に対して、懸念と疑惑を深めている。

 住民の怒りの直訴に袖ヶ浦市役所の担当小役人は「測定の方法が違う」と、住民をあざけるような頓珍漢な見解でやり過ごそうとしている。魚の頭が腐ると、体の全ても腐る。日本の地方自治体も死んでいるのである!


<自公党議員は当たり前のように姿を隠し、期待の共産党までも逃げる?>

 市役所を動かすためには、議会を動かすしかない。死んでるふりをしているのであろうから、市議会議員に直訴するしかない。そう判断した放射能被害者住民は、市議会に駆け込んだ。

 ことがことである。各党の議員は現場を視察した。住民は詳しく事情を説明した。自民党と公明党から共産党にも声をかけた。結果はどうだったか。自公連立政権を象徴するかのように、真っ先に自民党と公明党の市議は姿を消した。期待した共産党の市議の活躍を聞かない。機関紙にも載らないようだ。

 日本共産党の委員長は、千葉県民ではないのか。不思議な政党に堕してしまったのか。

 かくして、今もって袖ヶ浦市議会では、林地区の放射能問題を議題にしていない。古くからやくざとの癒着が懸念される千葉県警と木更津署も、不法投棄疑惑から逃げている。永田町の環境相もそっぽを向いている。


<霞が関に倣って市民に奉仕する公務員の自覚は無いに等しい>

 この10年の間に日本の腐敗は極端に進行している。首相官邸が犯罪の巣なのだから、国民のため息は尋常ではない。森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三の清和会政治によって、日本政治の極右化の進行は早すぎる。国民もナショナリズムという、危険な道に踏み込んでいることに鈍感になりすぎている。

 特に官僚の心臓部である霞が関の腐敗が深刻である。

 首相の犯罪に喜んで手を貸す役人ばかりだ。現に、そんな悪徳官僚がどんどん出世をしてきた。財務省にもいたし、警視庁・警察庁にもいた。自民党と公明党の防護服になってしまった捜査当局に反吐が出る。ここまで落ちるとは、国民の誰もが想定できなかったことだ。

 上を向いて歩く地方議員も、悪い見本に腐敗まみれだ。足元から放射能が出れば、地方公務員は切腹ものであろう。市民生活を守ることが、役人の使命である。守れなかった役人は、昔なら切腹・腹切りだろう。今は違った。安倍晋三を真似て「逃げるが勝ち」だと信じ込んでしまっている。


 死んだ地方自治か。


<介護保険1か月1万円天引きに怒る元自民党本部職員が抗議>

 「健康保険が倍増、防衛費が倍増、介護保険に1か月1万円天引きされる。この国は狂っている」という年金生活者から抗議の電話が入った。彼は厚生年金・厚生年金基金・国民年金・公務員共済年金、さらに面倒を見た警備保障の会社から、終生月5万円が入る。筆者などからすると、まるで殿上人・上級国民と思うのだが、しかし、介護保険1か月1万円天引きに、彼は激しい怒りをみなぎらせている。「介護保険は福祉・国の責任だ。老々介護の年金者から年間12万円も奪う、悪質すぎる。是非紹介してほしい」と駆け込んできた。

 戦争無縁国家の日本が、なぜ防衛費を倍増するのか。庶民からかき集める悪政の極みであろう。まさに乱の時代を象徴している。

2022年6月18日記(東芝製品・サントリー・トヨタ不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)