日本属国の元凶<本澤二郎の「日本の風景」(4458)

<日米合同委員会=60年安保改定直前に岸信介が署名=極め付きの不平等条約の証拠>

 安倍晋三のワシントンへの奴隷服従姿勢は、どこに由来するものか。国民は真実を知る必要がある。すなわちそれは日米安保の60年改定時に、祖父の岸信介首相(当時)がワシントンを訪問(1960年1月)した際、米国務長官との会談のやり取りをする中で「米軍の地位に関する協定」として署名したものだ。日米安保6条に基づく日米地位協定の実務者会議なるものが、日米合同委員会。これがとんでもない不平等の極め付きで、到底許容できない代物である。急ぎ解消すべきだと強く訴えたい。


 日米安保―日米地位協定―日米合同委員会という条約構成の下で、事実上の実務関係を、枝葉と見られる合同委員会が決めている。1960年からだ。このことについての関心が、なぜか低すぎる日本政府と議会と言論に変化が見られない。地位協定の改善を叫ぶ声を聞くことが出来るが、不当な機関である合同委員会にメスを入れない限り、地位協定を論じても改革は困難なのだ。

 同委員会こそが、日本政府がワシントンの奴隷のように従う元凶である。数日前の岸田文雄のはしゃぎぶりも、この合同委員会によって決まり、そのルートの上を走っていることになる。おかしな合同委員会を知れば、日本が77年前からそっくりの占領の継続を見て取れるだろう。

 日米合同委員会から改革する必要がある。国連改革の前だ。そして何としても、日米軍事同盟である60年安保廃止が民族の悲願である。東アジアの平和と安定の基調でもある。


<非公開・秘密=民主主義否定=日米政府拘束=主権者は奴隷>

 コロナ禍で呼吸が抑制されて健康的でない。その通りだが、合同委員会はマスクに例えると、呼吸が全くできないマスクで封じ込められている。

 国民の代表機関である国会もつんぼ桟敷に置かれている。主権者である国民も、中の様子を知ることが出来ない。非公開・秘密主義の下で、限られた一部の官僚と、死の商人の代理人(ジャパンハンドラーズ)のような米軍と学者らが、具体的な米軍基地の運用のみならず、武器購入を決めている。ならず者の代表である沖縄の海兵隊員の行動を甘く協議し、決定している。


 その中身を国民は知らない。地位協定どころか、日米政府もこの合同委員会に拘束される。民主主義を完ぺきに否定している。米軍が仕切るこの委員会は、まさしく77年前と変わることがない。

 日米安保は対等な条約ではない。日本国民にとって極め付きの屈辱的な国際条約なのである。沖縄に限らないが、婦女子の悲劇が起きても、主導権は日本にない。国民は奴隷的存在である。差別の極め付きなのである。


 これを後生大事にする自民党と、日米安保の段階的解消を公約にしてきた公明党創価学会の変質によって、現在は支えられていて、その実、東アジアの火の粉を浴びようとしている。こうした現状に、日本の議会も司法も沈黙している。三権のすべてが腐ってしまっている日本なのだ。

 ウクライナのゼレンスキー役は、岸田文雄なのか?真相を知る識者の重大な懸念は、正にここにある。

 合同委員会の構成員は、米軍は在日米軍司令部副司令官を代表に、駐日大使館公使、陸海の代表と、さらに沖縄海兵隊の代表、日本側は外務省北米局長をトップに法務・農水・防衛・財務の、いずれも役人である。

 腑抜けな役人に対応できるはずもない。もちろん、米軍はワシントンの国防総省と協議したうえで、それを伝えてくるが、実権はジャパンハンドラーズの手に握られている。日本は彼らの指示に、100%実行することになる。

 今日このような国際条約は、世界に存在しないだろう。第一、恒久的な軍事同盟は、国連憲章に違反する!


<日米安保を平和友好条約に改める時、さもなくば戦争する日本へ>

 仮定の話といえるのかどうか、米側が「もっと武器を買ってほしい」と要求してくる。日本側は「それなら台湾有事をワシントンで叫んでくれないか。米国議会や記者会見などで。会見なら日本の記者に質問させる」などと。するとワシントンから、ペンタゴンの要人などから「台湾有事が数年後に起きるかもしれない」と発言すると、それを日本の新聞テレビが大きく報道する。待ってましたとばかりに、安倍晋三とその配下が軍拡を叫んで、政府に圧力をかける。

 必然的に、日中関係の雲行きが怪しくなる。「中国は法と秩序を守れ」と首相・外相が内外で合唱する。いっぺんに東アジアに緊張状態を作り出すことが出来るのである。日本ナショナリズムの復活となる。

 現在の日米中の間でのやり取りは、以上のような事態といえなくもない。東アジアを緊張状態にするために、安倍や配下の女右翼ががなり立てると、真っ先にフジサンケイの新聞テレビが、派手に報道する。さらにネット配信で、無知な国民に対して情報操作をすることになる。


 国民は平和を望む。軍事同盟は戦争に引きずり込む可能性が高い。有害無益で、福祉や教育・医療が低下する。年金はさがる。国民が災いをかぶる。戦争しない自衛隊が戦争に追い込まれると、今のロシア兵やウクライナ兵のような悲運が、彼らにも待ち構えることになろう。

 今のワシントンの奴隷国民にいいことは何もない。


<声を上げよ、声を上げよ!声を上げて改憲阻止が主権者の義務>

 先のバイデンの来日は、例によって米軍横田基地に大統領専用機で乗りつけた。占領軍司令官のマッカーサーと同じで、ずっと変わらない。「日本よ、お前らは今もアメリカの占領国だよ」というメッセージである。日本を愛する日本人であれば、吐き気がするような場面である。21世紀にこんな属国は、一国も存在しない。


 バイデンの操り人形でしかないゼレンスキーに対して「閣下」と敬礼した衆院議長の細田博之は、目下、週刊文春に繰り返しセクハラ事件を追及され、辞任目前であると見られている。


 国民は声を上げて、属国奴隷国家を返上するしかない。自由を奪われ改憲・核武装化への道は、ヒトラーの道そのものである。笑うのは財閥・原子力ムラの「死の商人」らだ。

 改憲阻止が平和の道である。新聞テレビの情報操作に惑わされると、戦前と同じ愚を繰り返すだろう。その覚悟があるのか。米国の占領政策の継続を断ち切る日本人を、憲法は国民に対して命じている!

2022年5月28日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)