はしゃぐ日本国の文雄君<本澤二郎の「日本の風景」(4454)

<米大統領が交代するたびに日本防衛を確認する日米安保>

昨日(2022年5月23日)の東京の政治的な会合を散見するたびに、ピカピカのランドセルを背負って「おててつないで」小学校の門をくぐったころを思い出した。間もなく教室のガキ大将が徒党を組んで、教室全体を支配しようとする。小心者で凡人のジャーナリストは、それに与しなかった。すると学校帰りに呼び出されて、喧嘩を売られた。不思議にもそれに立ち向かって、ガキ大将の頭をぽかぽか叩いて、泣かせてしまった。それ以来、いじめはなくなった。


 さてと我が岸田文雄君は、戦後の朝鮮戦争・ベトナム戦争・イラク戦争などで敗北、劣勢だったワシントンの主とじっくり会談したりして、大いにはしゃぎ回って、世の中を冷静に判断できる善人をイラつかせてくれた。威勢の良い市民は、いち早く都内で「クワッド反対」「戦争反対」の大規模なデモで、岸田・バイデン会談に冷水を浴びせていた。


 テレビがなくても、インターネットを開くと、以上の様子が手に取るようにわかる。バイデンは仲間を利用、後ろで操れば、ロシアの独裁者をやっつけることが出来ると、目下のウクライナ戦争で自信を抱いて、興奮しながら都心の米軍・横田基地にマッカサー気取りで降りたった。案の定、尻尾を激しく振る東京のポチの頭をなで、恒例行事となった「よしよし、何かあれば我々が守るよ」「日米安保は機能している。安心しなさい」と言い聞かせると、言われるとおり「武器弾薬を買います、そのための予算を倍に増やします」と日本属国論を繰り返し、ワシントンの主にひれ伏して見せた。

 日本の大政翼賛会的議会と高い内閣支持率のもとだと、平和憲法の国際協調と平和主義をドブに捨てて平然と振舞える文雄君?見方によると、かのバイデンが操るウクライナのゼレンスキーに私もなれる、と売り込んでいるようで、独立国の自立外交を求める識者をイラつかせてもいた。


<日本を侵略する国は存在しない=改憲軍拡の環境づくり>

 最近、さる宗教団体の教えの中に「中国がじわじわと日本に迫っている。蒙古襲来の第二弾が」と叫んでいることを知った。

 歴史を知らない言動なのだが、信者は史実を知らない。蒙古は中国を侵略した帝国である。漢民族の中国はモンゴル帝国によって、人口の半分以上が殺害されている。モンゴルの最大の被害国であって、中国の帝国と異なる。漢民族の中国は日本侵略などしていない。

 史実の捏造をカルト教団が強行している様子は、日本にいる中国人を敵視する動きも表面化しかねない。恐ろしいことである。あらぬ史実をまき散らすと、其れこそ争いを作り出しかねない。猛省すべきだろう。直ちに撤回しなければならない。日本国内に中国人は90万人前後いることも忘れてはならない。


 はっきり言わねばならない。日本を侵略する国は存在しない。日本が存在することで、生き残れなくなるという国が存在しない限り、戦争は起きない。断言できる。プーチンの戦争は、NATOという軍事同盟国が、隣国のウクライナに迫っていたことが、ロシアの独裁者に戦争を決断させたものである。キューバ危機のアメリカも、核戦争直前まで進行して、当時の人類に「この世の終わりか」と思わせた。

 匕首を喉に突き付けられると、武器弾薬を所持する人間はじっとしていない。NATOの暴走が、戦争原因であって、ロシアの方だけ非難するのは間違いである。ともあれナショナリストは、危機を作り出して、若者の命など軽視して武力行使をする。死の商人は、そうして莫大な金を手にする。

 日本にも死の商人がいる。対立を作り上げて、危機を生み出して9条憲法破壊と軍拡予算がお目当てなのだ。人間は生き物の中で最低の動物なのだ。


<米国が血を流して他国を守ることはしない=武器弾薬の売り込み専念>

 ワシントンの主が代わると、その都度東京の下僕は「本当に守ってくれるんでしょうね」と念押しすることが、日米同盟の年中行事となっている、実に怪しげな同盟である。

 日本が戦前のような覇権侵略国になれば、戦争は起きるだろうが、隣国に脅威を与えない9条憲法下の日本を、侵略する国は存在しない。たとえ戦争を仮定したとしても、アメリカは第二次世界大戦の敵対国である日本を防衛することはあり得ない。他国のために自国民の血を流すことはしない。分かりきっている事柄である。

 従って日米安保・地位協定を廃止することが、日本の独立を意味する。平和憲法の立場である。アメリカの狙いは、日本のポケット(カネ)にしか興味はない。国際常識である。今回武器弾薬を倍額購入すると言われて、バイデンの表情は緩む、日本に来てよかった、と安堵しながら、本日のクワッドというインド、豪州の4か国首脳会談で、IPEF結成に次ぐ中国包囲網を構築して、北京を刺激することになる。いわば大掛かりな中国敵視政策なのだ。

 14億人の中国排除ができるか?まず無理であろう。中国は世界最大の消費市場である。資本主義経済が手をださない?ありえない。それよりも政治的な敵視政策・仲間外れ政策に大義はない。不条理そのものである。北京も変わるだろう。


<米国民は極東の島国をよく知らない>

 最近うれしいことを見つけた。14億人の中国に一度も行ったことがない素敵なお年寄りに気付いた。何としても機会を見て案内したい。筆者は北朝鮮に一度だけ入った。そのことだけでも、なんとなく様子がわかるものだが、一度も行ったことがないとなると、例えば亡くなったナショナリスト・石原慎太郎の「南京大虐殺はなかった」と恐ろしい嘘を平然と叫ぶ。

 現地に足を踏み入れた者であれば、誰一人石原の嘘に気付く。


 アメリカ人は日本に来ている人は少なくないが、それでも研究者はともかくとして、庶民のそれは少ない。日本を知らないアメリカ人が多いことも事実だ。従って日本を知らない観光地巡りのアメリカ人が多数派。中国に感心と興味を抱くアメリカ人はいても、日本にのめり込んでいるジャパンハンドラーズという死の商人は別として、そう多くはない。日本でもアメリカ通はごく少数である。

 極東の島国は遠い存在なのだ。海兵隊の一部は、沖縄を知っていても、日本の国内事情を知るものはほとんどいない。


<日本の国連安保常任理事国入り支持=幻想か夢物語>

 国連安保理の改革は必要不可欠だが、それは拒否権を有する常任理事国制度をなくすことに尽きる。従って第二次世界大戦の勝利国が支配する国連が、肝心なところで機能不全に陥っている。

 常任理事国制度をやめようとしないため、改革は進まない。したがって日本の常任理事国入りもない。それでいて「国連改革の時点で、アメリカは日本の常任理事国入りに賛成する」とバイデンに言われて、有頂天になる文雄君が哀れに見える。架空・幻想にも、嘘つき政治屋は有頂天になるものか。それを報道する日本の言論界の自由度は、世界で71番目の低さだ。


<不条理なクワッド=中国封じ込めにゼレンスキー役を自公政府が?>

 人間は動物に劣る。殺し合いを金儲けの手段にしている。武器弾薬で経済を転がす覇権国ありの世界だ。ウクライナの戦争で、米国の武器を大宣伝する日本の言論界にもうんざりする。

 ワシントンが操るIPEFで中国を経済的に締め上げ、クワッドで政治的にも中国を封じ込める、となると、これは北京の経済と政治に打撃を与える。争いの種をばらまくワシントン戦略で、いいことではない。世界経済を衰退させ、危機を招来させ、アメリカの武器弾薬の価値を引き上げる、実に巧妙な策略であろう。そこに掉さすわが文雄君が、安倍に劣らないナショナリストとして要警戒!

2022年5月24日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)