慟哭の人生を出版<本澤二郎の「日本の風景」(4453)

<「在日歌人・朴貞花さんの告発・糾弾する日本近現代史」が話題に!>

 自己をさらけ出して発狂するような文章を書いている凡人ジャーナリストの手元に、名古屋市の安川寿之輔さん(名古屋大学名誉教授)から、差別する日本人には、心臓をえぐられるような厳しい内容の冊子が届いた。恥ずかしいことに主役の朴貞花さんを知らない。在日歌人という名称も。万葉集は学校で少し教えられた記憶があるが、短歌に興味を覚えたこともない。しかし、彼が紹介する彼女の「生い立ちの記」を読むと、改めて日本の恐ろしいほどの差別社会が、結果的に生み出した、形容する言葉もない偉大な朝鮮人女性に圧倒される。晴耕雨読の貧者も、モグラになるしかない。


 「強制連行のアボジ(父)の子なり、棄民なり、差別・蔑視・無視・放置の60余年」と自身の人生を詠った短歌で歌人を紹介する安川さんは、日本を代表する国際社会に足場を有する平和学者。彼が朴貞花さんの代表的な歌を「強制連行・棄民・差別・蔑視・無視・放置」と詠う慟哭の叫びに、善良な日本人のほとんどが釘付け、ひれ伏すしかない。そして改めて、日本の近現代史を教えない日本政府と、それを知らない日本人の罪に天を仰ぐばかりだ。


 「在日の人生を短歌に詠うことによって、自己を取り戻し自己解放した朴貞花」とも評した安川教授ならではの解説にも脱帽である。いま彼女の前に立つことが出来る日本人がいるだろうか、とさえ思える。

 偶然、昨日は名古屋生まれの法律家から、抜きがたい日本の女性差別について教えをいただき、猛省する時機と重なった。朴貞花さんこそが、重層的な日本差別社会研究の第一人者に違いない。


<戦前の天皇制国家主義を知らない、学ばない日本人へ執念の警鐘歌集>

 近く出版される「在日歌人・朴貞花が告発・糾弾する日本近現代史」は、日本人に対して近現代史を学べ、との正当なメッセージである。日本人の差別と蔑視の卑しい文化の根源は、天皇制国家主義にある。国家神道と教育勅語で、日本人の五体を締め上げて、赤紙一枚でヒロヒトの侵略と植民地戦争へ若者の命を奪い、朝鮮半島と大陸の無数の人々の命を奪った。


 若者は列島に無数に張り巡らされた神社から、まるで犬猫のように戦場に狩り出されて、その蛮行の挙句、命を失った。その元凶・本源である「靖国神社」についても、この本は取り上げている。戦後復権した神社本庁が日本会議なる奇妙な組織を立ち上げて、いま新たな戦争へと蠢動している様子がくっきりと見える。

 怖い敵国づくりの日本・国家主義が、ヒトラーからワシントンの鋭いくちばしと爪に乗り換えている。それに連携する動きが、本日と明日の日米などの首脳会談である。80路を越えたという朴貞花さんの仲間と共に、平和を愛する日本人の反戦の戦いが、さらなる広がりが不可欠だろう。


 歴史を繰り返してはならない。過去に盲目だと未来も真っ暗闇となる。東アジアの人々が、お互い信頼と友情で結ばれる、そのための日本の差別社会を告発・糾弾する日本人でありたい。戦争ほど悲惨なことはないのだから。


<アジア諸国民を差別する日本人と米国に差別される日本人に警鐘乱打>

  この国は、日本を「神の国」と宣伝する森喜朗・日本会議の政権から小泉純一郎政権、そして10年前からの安倍晋三政権から、完全に平和憲法の隣国との平和共存理念を放棄して、ワシントンの戦争屋と結びついてしまった。

 改憲軍拡の嵐は、日本人のナショナリズム化を狙って、その成果は徐々に実っていることが、各紙の世論調査で判明している。


 その一つが、ウクライナのゼレンスキー政権への一方的な肩入れとなった。戦争に善悪はない。すべて悪である。ワシントンの仇敵・ロシア封じ込めの第二弾が、中国と北朝鮮封じ込めだ。そのためのバイデン来日である。死の商人は、日本をその中心に立たせようとしている。日本のゼレンスキー化である。小学生でも理解できるだろう。複雑な方程式ではない。


 歴史の繰り返しの準備は、日々作られた報道が裏付けている。賢く思考する日本人になろう。朴貞花さんに学ぼう。危険な道は、既に始まっている。アジア諸国民を差別する日本が、その実、アメリカに差別される対象として、その牙を研いでいる。ワシントンの意向を受けて第一線に立とうとしている自公体制である!

 朴貞花さんの戦いに続け。である。

2022年5月23日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)