憲法定着か改憲(悪)か!<本澤二郎の「日本の風景」(4280)

<安倍・日本会議と維新の極右にひれ伏す岸田文雄の政治資質は是か>

「首相就任6か月の間は、ただ無我夢中」といった首相がいたが、いまの岸田文雄もそうなのだろう。原子力ムラ派遣の首相秘書官が書いたり、目を通す原稿を読んでいるだけなのか、まるで安倍晋三と変わらないか、それ以上だと不安視する、真っ当な記者も少なくない。


 「オウム事件の黒幕」との指摘もある安倍の黒幕は、カルト教の日本会議、もうひとつが日本財団。近年、この財団の人物がメディアに登場するようになったことも驚きの一つであろう。


 日本最大の労組・連合の女性会長の右翼ぶりも際立ってきている。「財閥の支援勢力」との姿勢に注目が集まっている。護憲リベラルと信じていた国民民主党が、関西の極右・維新と共闘しているではないか。


 気が付いたら、護憲リベラルに誇りを抱いていると思われていた立憲民主党の代表選挙(本日投開票)で、改憲・改悪の流れを是とするような輩が飛び出してきている。これも仰天するばかりだ。これではまともな政党は、共産党のみか?


 時代は、憲法を定着させる時である。国際情勢は、日本国憲法の正しさを証明している。愚かすぎる核兵器・原発の時代では、政府の戦争を許さない最高法規が、70余年前の悲劇の繰り返しを回避する唯一の道である。日本会議や日本財団の策略に乗せられてはなるまい。


<「宏池会は護憲リベラル」と岸田に薫陶した宮澤喜一!>

 戦争遺児というと、宏池会の最高顧問である古賀誠である。父親を天皇の戦争で奪われた。彼は仕方なく靖国参拝をしたことがあるが、神社神道の戦争勢力に自らの魂を委ねたことはない。断言できる。


 木更津レイプ殺人事件被害者の戦争遺児は、決して戦争神社に参拝しなかった。一人安倍晋三の戦争三法の強行に走った、裏切り者・太田ショウコウに反撃ののろしを上げた、最初の創価学会員だった。創価学会公明党は、いまもこの悲惨な事件捜査を、政治力で止めていると見られている。事情通は「中村格はTBS強姦魔救済に続けて、今も悪魔の世界に入ったままだ」と決めつけている。


 拙著「総理大臣 宮澤喜一」(ぴいぷる社)は首相就任直前の筆者との単独会見で「宏池会は(護憲)リベラル」と断言。彼の叔父の小川平二は、信州の名門で知られている。実父平吉は中国革命の孫文との交流が深い。彼の書いた「敬天愛人」が、ごく質素な小川邸の玄関にかかっていた。彼は「宮澤は座談の名人。護憲リベラルです」と筆者に紹介した。池田の創立した宏池会は、大平正芳・宮澤喜一の時代、すばらしく光り輝いていた。取材が楽しかった。


 宮澤は、親類でもある岸田文武の息子の文雄に、政治の基本を教えている。宮澤の保守本流・護憲リベラルをしっかりと伝授、宏池会の復興を頼んだはずである。しかしながら権力奪取のためとはいえ、宏池会の歴史と伝統を放棄するような、昨今の改憲軍拡論はひどすぎる。


 日本帝国も大英帝国も、戦後のソ連も崩壊した。アメリカは衰退過程に突入して久しい。軍事力で国民を豊かにできない。百害あって一利なしだ。


 「安倍は、日大事件で藪本が安倍献金をしゃべっていることでイライラの日々を送っている。平家物語の安倍を誰も知っている。安倍を相手にするものはいない」とは清和会OBの解説だ。改憲軍拡は愚の骨頂である。


<憲法を定着させての帆船・日本丸の航海は波静かなり>

 まともな憲法学者が、もしも存在すればの話だが、間違いなく「改憲?冗談言うな。憲法を定着させることが先決だ。歴史を繰り返すことなど論外である」というであろう。


 「読売のナベツネもフジサンケイの久枝も、所詮は財閥の金欲しさに改憲論に与しているだけさ。あとは自身の蓄財に賭けている愚者に過ぎない。数百億円の蓄財を国税がメスを入れると、空っぽさ」とは泉下の平和軍縮派の宇都宮徳馬さんの高笑いが聞こえてくる。


 筆者は核も原発もいらない、自然エネルギーで航海できる、帆船の日本丸建造が最善であると信じている。憲法を定着させたいという本心はこの点にある。これこそが9条国家である。これにケチをつける国や為政者がいるだろうか。答えは、いない。まさに理想の国造りを憲法が指し示している。


 沖縄は平和のリゾート島、東京は平和の国際都市になるだろう。帆船日本丸の会を立ち上げよう!

2021年11月30日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)