拝啓 小池百合子殿<本澤二郎の「日本の風景」(4219)

<「政界一寸先は闇」(川島正次郎)は嘘ではなかった!>

 一時は「五輪中止宣言で小池新総裁か」と思いきや、本日9月29日の自民党新総裁選挙では、統一教会派が支援する安倍側近の極右候補の善戦が伝えられている。小池さんの国政復帰と官邸の主への道は、はかなく消えたしまった。

 目下、台風が接近中だ。原発による海水温上昇で、日本接近で急速に大型化するため、国民は悲鳴を上げているが、総裁選で原発阻止の声は、国民無視の総裁選のため、ついぞ聞こえてこなかった。


 感度の鋭い小池候補が実現していれば、脱原発・原発廃止が総裁選の争点となったであろうが、残念ながらこれもなかった。猿山のボス猿選びは、間もなく終わりを告げる。野党が本気を出せば、政権交代の場面だ。


 それにしても、政界一寸先は闇とはよく言ったものである。小池さんの目の前には、空前絶後の「フクシマ隠し4兆円五輪賭博」の大赤字の山が岩盤となって聳え立ってしまった。これをどう処理するのか。これと相撲を取らないと、来年の東京都の予算の編成が出来ない。


 安倍晋三や菅義偉に見習い、辞任するのか。しかし、都民は逃げても追いかけて、法廷での裁きを求めるかもしれない。五輪強行のツケは、彼女の晩年の政治生活を破壊したかのようである。


<どうするコロナ?フクシマ隠しの4兆円五輪賭博の超赤字清算>

NNN)赤字が見込まれる東京オリンピック・パラリンピックの経費について、組織委員会が赤字の場合、契約に基づき東京都が支払うことになりますが、武藤事務総長は「IOC(=国際オリンピック委員会)は責務を果たしている」とし、IOCにさらなる負担を求めることは難しいとの考えを示しました。


 元大蔵事務次官の無責任発言が、早くも飛び出した。「赤字の責任は都民が払え」と。1000万都民はどうする?東京都は財政破綻、国民に押し付けるのか?「安倍晋三・石原慎太郎・森喜朗や小池・橋本・丸川・武藤に払わせろ」の合唱も浮上している。


 世界からは「コロナ五輪に突っ込んだ日本はアホか」と物笑いの種として、長く記憶されるだろう。既に専門家の指摘によって、莫大な大赤字は2兆4000億円以上。安倍と菅の置き土産は膨大である。

 専門家の試算だと、五輪組織委1000億、国1兆、東京都1兆5000億とはじいている。ざっと3兆円の大赤字になると思われる。

 フクシマ隠しの4兆円五輪賭博の多くは、電通やゼネコンに流れている。読売グループはどうか。徹底的な精査が不可欠である。1円のムダ金支払いは、豚箱行きである。政界への還流にも、メスを入れなければならない。


 既に長野冬季五輪の出鱈目決算が判明している。びた一文無駄な支払いはご法度であろう。これを徹底的に洗うことで、小池評価が改めて決まるだろう。


<母子困窮家庭など貧困対策費用は大丈夫か?>

 この10年来の格差の極め付きは、貧困の母子家庭のことである。なぜなのか、よく理解できなかったのだが、それは子供を産んで、さっさと逃げ出した卑怯者の男どもが、養育費支払いの義務を果たしていないことだと分かった。不勉強を猛省するばかりだが、極貧の母子家庭に対する都の福祉行政が壊れていないか。


 高給を食んでいる高級公務員は、母子家庭データを集計して、実態を調査しているのかどうか。そのうち養育費を支払っていない元夫を見つけて、多少強引な形でも、幼子救済のために、支払わせることが不可欠であろう。無理な場合は、生活保護を支給させるとか、一時金の支給などで救済する方法も。


 貧困児童救済は、都政の大事な福祉行政の根幹のはずだ。


<都公園協会ST君の養育義務果たせ!知事に衷心よりお願い>

 具体的な事例を紹介したい。東京都公園協会幹部職員のST君のことである。彼は東京都の一級都民!として、都民税から高額の報酬を得ている。しかるべき品行方正の持ち主でなければ、都民から「税金泥棒」と指摘される。


 彼は養育費を支払う義務がある。それは人の道である。自らの子供を養育する、養育できる資格もある。それでいてもう10年ほど支払いをしないで、逃げている。これを放置できるだろうか。


 小池さん、知事としてST君を説得して欲しい。衷心よりお願いしたい。一人の幼子の人生に目を向けることが出来れば、伏魔殿・石原都政の闇を照すことができる。いかがか。繰り返したい。真剣にST君を説得してほしい。彼の父親は日経新聞OBで、北朝鮮問題について詳しい人物として知られている。悠々自適の生活を送っている、と聞いている。


 池にはまっている幼子の救済に手を貸してくれるかどうか、成り行きをしっかりと見守りたい。


<身を捨てて肥満体都政を一大行財政改革断行!浮揚チャンス>

 「政界一寸先は闇」も真実、他方で「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」も真実。


 昔話になる。中東紛争時、石油確保のため、自民党の佐藤文生らと共に通訳?として活躍したということを、衆院議長をした伊藤宗一郎から聞いたことがある。佐藤は、ジェラルド・カーチス著「代議士の誕生」のモデルだ。

 彼の原水爆反対の信念も、小池さんは忘れていないはずだ。そう石原慎太郎の伏魔殿・都政改革を公約した信念を、まだ忘れていないはず。


 五輪大赤字を契機に東京都のドブ掃除をする、これが政治家・小池百合子の最後の任務!初心忘れるべからず、辞任などしている余裕はない。身を捨てよ、と諫言したい。

2021年9月29日記(東芝製品不買運動の会代表・政治評論家・日本記者クラブ会員)