入管申請は決死の覚悟<本澤二郎の「日本の風景」(3992)

<千葉出張所で目撃した在日外国人の群れ=非情な入管事務>

ふと頭に浮かんだことは、もし日本が ドイツ人レベルだったとしたら、森や小泉・安倍の清和会政治は、存在しなかった。中国や韓国・北朝鮮が、ポーランドやフランスのような国であったら、清和会の政府は誕生しなかったろう。皮肉ではない。


 戦前の国家神道・軍国主義・天皇制国家主義の日本が、戦後の日本国憲法下では、存在を許していない。これも事実である。


 しかし、清和会体制は今も継続している。その一角が崩壊した。森喜朗は、国際世論の圧力に屈し、晩節を汚して五輪利権を中途で外された。電通はどうか?五輪実施の鍵は「科学が決める」とワシントンは、公正な物差しを示した。実施は困難である。


 今日は、記念すべき2月10日のことに触れる。1年前のこの日、九十九里海岸の旧国民宿舎に一泊、太平洋上から昇る太陽を見物しようとしたが、あいにくの曇り空にさえぎられてしまった。ただし、おいしい海の幸だけでなく、早咲きの寒桜が歓迎してくれた。


 いかんせん、今年は無理である。思い切って千葉市の法務省入国管理局の千葉出張所に車を走らせた。途中、何度か渋滞に巻き込まれた。ということは、経済活動は止まっていないのだが、1時間前後かけての入管訪問は、相当の覚悟を必要とした。


 外国籍の外国人が、三密関係なく集合している場所である。政府機関の儲けの職場として、大繁盛している所で有名だ。外国からのコロナ変異種の懸念もある。いうなれば、一番リスクの高い場所なのだ。


 あらかじめ二重マスクをつけることは、言うまでもない。帽子に手袋も。帰宅したらすぐ洋服は洗濯しなければならない。覚悟を求められる日帰り出張なのだ。


<老人いじめの法務行政=国民の代表・法務大臣は気付いているのか>

 たかが配偶者ビザと甘く見ていた。最初の数年は、中国に滞在していた関係で、長男に代行してもらった。ここ数年は、自ら妻と一緒にビザの更新手続きをしているのだが、なぜか毎度、1年ビザである。


 ようやくにして、法務行政の不当な仕打ちに気付かされた。法務大臣は知らないのであろう。これも清和会行政の一つなのかしれない。


 法務大臣に就任した秦野章元警視総監は、真っ先に外国人を受け入れる入管業務の大改革に取り組んだ。思い出すと、二階俊博の知り合いのはずの中国観光局東京事務所の龍君は、成田空港で「お前は銃を持ってないか」と詰問された。人権侵害である。まさか現在はないだろうが、日本の入国管理は、極めて乱暴で、かつ不可解である。 外務・法務行政に詳しい元大臣秘書官は「外国人を優しく迎え入れるという 観念が、連中にはない。敵視している。それでいてベトナムの犯罪者を受け入れて、まじめな外国人には、3年ビザや永住ビザを支給しない。許せない」と怒っている。「今度、同じことが出れば、直接押しかけて抗議したい」と約束してくれた。


<冷たい職員の対応=代理業務で暴利をあさる税理士事務所?>

 ともかく、入管はすごい政府機関である。事前に問い合わせようとして、何度電話をしてもかからない。この点がおかしい。午後は、時間が来ると、もう連絡不能である。残業ゼロの職場らしい。官僚主義が徹底している。

 申請者は、仕方なく大金をはたいて、業者に依頼することになる。代理業務で、暴利をあさる税理士事務所は、年中忙しい。毎日、中国人スタッフを現場に派遣して、お得意さんを容易に連れ込んでいることも判明した。


 入管と代行業者の不正を洗う必要があるかもしれない。千葉市で県庁幹部から、税理士事務所を開業している、糞まじめな友人の意見も聞かねばなるまい。この記事を見たら、メール送信してくれるだろう。


 窓口業務の、若い男女の職員の態度にも、問題がある。隣り合っている同士、笑いながら談笑しているが、ビザを申請する外国人に目を向けると、瞬時に目つきが冷たくなるというのだ。外国人から観察されていることに、彼女彼らは気付かないのだ。


 「日本は好きだ。でも、入管職員は大嫌い」というのが、ビザ更新申請者の生の声である。こんなことにも気付かなかった、ジャーナリストにも困ったものだ。猛省するほかない。


<年寄りはいらない?若い就労者歓迎のビザ発行?>

 法務省官僚は、例の黒川弘務問題できりきり舞い、大事な外国人の受け入れ業務の対応に、手が行き届いていないのだろう。由々しき一大事である。


 横道に入るが、森英介元法務大臣秘書官も、千葉市に住んでいる。彼にも、様子を聞いてみる必要があるかもしれない。宇都宮恭三夫人の実兄・臼井日出男さんも、千葉市在住の法務大臣経験者だ。同窓だ。息子の正一県議の祖父・荘一さんは、国士のような三木派の重鎮で、よく国会事務所に出入りしたものだ。ネットを開くと、臼井県議の素顔がいい。清和会が間もなく幕を閉じると、彼の出番は近いだろう。知らなかった。さすが千葉の名門・臼井家には、人材がいたのだ。


 今の入管は老人いじめに徹している?との声も聞こえてくる。日本にとって、バリバリ働いてくれる若者を歓迎するという、就労差別である。実利に徹する入管業務だとすると、これまた大きな問題を提起している。


 日本国憲法を読まない清和会行政が、日本の窓口に存在していいものか。


<怖い地下駐車場=ベテラン職員は携帯に熱中、問合せ回避>

 入管千葉出張所に行くには、電車を使えばいいのだが、この電車も怖いコロナである。ゆっくりと車を走らせる方が、はるかに安全である。


 出張所のビルの地下には、駐車場もあるのだが、今回は遠慮した。空気が澱んでいる地下の駐車場は、コロナの危険があるかもしれない。そこから利用するエレベーターの密室が、また危ない。油断大敵なのだ。


 かくして、車が少ない路上の左側に寄せて、うまくやり過ごした。目の前の千葉市役所を開放すれば、人々から歓迎されるはずだが、千葉市ナショナリズムの意地悪行政に、そうした配慮はない。


 何度か書類の記述について、問い合わせするため、会場入り口に出向いたが、到底、ほぼ満席の場内に入る勇気はなかった。入り口に若い職員が、申請者の体温測定していた。もう一人のベテラン相談員は、相談を拒絶するためか、携帯電話で延々と私用業務?に徹していた。

 きわめて感じの悪い入管事務所を、ここ数年、見聞させられていたのだが、それでも無視してきたのだが。


<帰宅して着替え・洗濯、靴もベランダで干す>

 3時間ぐらいかかって、書類提出して帰宅したのだが、それからがまた一苦労である。ベランダで着替えして、それを洗濯機に投げ入れた。靴や持ち物をベランダに干した。数日、異変が起きないのか、まだ安心できない。


 夕刻、無事に79年の入り口に辿り着いた記念に、同級生がくれた日本酒を開けて、数年ぶりに呑んだ。酒の肴は、正月にNさんが贈ってくれた高級珍味・北海道の松前漬けだ。中に昆布のほか、数の子がある。おいしいが、北海道の漁民にお願いしたい。数の子を食べるのではなく、すべてふ化させて海に放流、ニシンとして食べると、資源保護になる。厳しい時代の知恵であろう。

 食事はおいしい妻の手料理のイタリアン。


 今朝ほど、また見なければいい、くだらなすぎるテレビ報道に、怒り狂う清和会OBが、森喜朗の「役職乞食」の裏話を披露した。スポーツライター?の放言に、いたたまれなかったらしい。


 そういえば、スポーツ新聞が認知されるようになったのは、安倍のお陰である。政治の劣化の象徴であろう。NHKもまた、負けじと営利事業のスポーツ宣伝に忙しい。ナチスのヒトラーが東京で、本当に生きている!?


 昨日北京からことし97歳になる義母が、春節大晦日に電話をくれた。今日から中国は春節だ。今年中に北京入りできるか?生きて再会したい。本物のワクチンが、年内に完成するのかどうか?ともあれ、本日、中国の友人らに「春節快楽」!ほぼ見事なコロナ退治に成功しつつある中国の経済活動は、世界のエンジン役を果たしている。2029年に米中経済力逆転は、想定できるかもしれない。

2021年2月12日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)